政治経済

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 政治経済
科目番号 0020 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ・山崎広明他:『詳説政治・経済』(山川出版社、2015年)・その他:適宜資料を配布する
担当教員 本間 哲也,日高 薫

到達目標

・民主主義の本質に関する知識と理解を得る。
・市場と経済の基本的メカニズムを理解する。
・現代における政治・経済・国際関係の状況を科学的に理解し,それらに関する諸課題について主体的に考察できる。
・以上を総合し,公民として公正な判断ができ,また,職業人として適切な意思決定ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1民主主義の本質を理解し,利点と限界も認識している。民主主義の基本的な特徴を理解している。民主主義の基本的な特徴を理解していない。
評価項目2ミクロおよびマクロの市場メカニズム概念を理解し,経済における私的部門と政府部門の役割を説明できる。基本的な市場メカニズムを理解している。経済政策の必要性を認識している。市場メカニズムの概念を理解していない。
評価項目3現代における政治・経済・国際関係の状況を科学的に理解し,それらに関する諸課題について主体的に考察できる。現代における政治・経済・国際関係の状況,およびそれらに関する諸課題を概ね理解している。現代における政治・経済・国際関係の理解が不十分で,どこに問題があるかを認識できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
政治と経済の基本原理を理解し,現代社会の経済社会や政治体制において生じている問題のメカニズムと問題に対処するための方策を考察する。
授業の進め方・方法:
講義を中心とし,教科書,配布資料,板書を用いながら授業を進める。
注意点:
国際社会は多様な政治と経済によって成立していることを考える視点を身につけることが期待される。そのために主体的に学ぶことが求められる。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 政治と国家(政治の意味、国家の要素) 権力の概念を理解し,国家とは何か,法とは何かについてのイメージを掴んでいる。
2週 政治と法 政治とは何かについて考え,権力の正統性として法治主義の考えを理解する。
3週 民主政治の発展(1)(原理と発展) 自然権思想,社会契約説,国民主権に関する基本的な知識を身につけている。
4週 民主政治の発展(2)(近代民主政治の基本原理、基本的人権の保障) 法の支配,法治主義を理解する。基本的人権の保障が近代憲法の原則であることを理解する。
5週 民主政治の発展(3)(権力分立、各国の政治制度) 権力分立の目的を理解する。多くの国で議会制民主主義が採用されていることと,その類型を知る。
6週 日本国憲法と民主政治(1)(憲法の概念、歴史) 立憲政治の思想を理解する。日本の新旧憲法を例に近代憲法の性格を理解する。
7週 日本国憲法と民主政治(2)(基本的人権の保障) 自由権的基本権の内容を理解する。
8週 中間試験 前期前半の学習事項の理解を確認する。
2ndQ
9週 日本国憲法と民主政治(3)(統治機構、日本の政治制度と国会) 国会・内閣・裁判所制度に関する基本的な知識を持つ。国会の仕組みや権限,優越院,国会議員の特権などを理解する。
10週 日本国憲法と民主政治(4)(国民の司法参加、地方自治の仕組みと住民参加) 司法権の独立や公正な裁判のための仕組みを理解する。地方自治の目的や直接民主制の機能を理解する。
11週 選挙(選挙制度、選挙運動の問題) 現代政治における選挙制度や選挙民の意思がどのように反映されるかを理解する。
12週 平和主義と日本の安全保障 前後の日本外交の歴史を知り,現在の日本外交の課題を理解する。
13週 国際社会の成立と発展(国際連盟~国際連合) 国際法の成立や国際司法機関,人権保障の国際的な動きなどを時系列に認識する。
14週 国際政治の動向(1)(人種、民族問題、紛争、軍縮) 冷戦の経過と終結,軍縮の歴史的経緯,冷戦後の国際情勢についての知識を持ち,地域紛争などの現状を理解する。
15週 国際政治の動向(2)(日本の領土問題について考える) 領土問題を例に,日本の外交上の問題を考える。
16週 期末試験 前期後半の学習事項の理解を確認する。
後期
3rdQ
1週 経済活動の意義と資本主義経済 資本主義経済の原則,政府の役割など,資本主義経済の特徴と歴史的変容を理解する。
2週 経済主体、市場の機能と限界 家計・企業・政府という経済主体分類を知り,それぞれの役割を理解する。市場経済における価格メカニズムを理解する。
3週 物価の動き、国民所得と経済成長) 物価の概念を理解し,日本の物価の長期的な動向を知る。経済成長や景気と国民福祉の関係を理解する。
4週 財政の仕組み 財政の機能を理解し,国民生活との関係を知る。
5週 租税の意義と役割 税制度の基本を理解する。税の存在が市場に与える影響を知る。
6週 貨幣の働き 貨幣の特徴を理解し,信用創造のしくみを知る。
7週 金融の仕組み 金融のしくみや金融機関の機能を理解する。中央銀行の機能,主な金融政策を理解する。
8週 中間試験 後期前半の学習事項の理解を確認する。
4thQ
9週 戦後日本の経済成長 戦後の日本経済の成長を,戦後復興期・高度経済成長期・安定成長期・最近の経済情勢にわけて理解する。
10週 産業構造の変化、中小企業問題 日本の産業構造とその歴史的変化を知る。中小企業と大企業の関係や格差を理解する。
11週 農業・食糧問題、労働問題と労働市場 戦後の日本農業の構造変化を理解する。貿易の自由化や農家経営の問題について知る。労働問題と労働運動の歴史を知り,日本と世界の労働環境の変化を理解する。
12週 社会保障、消費者問題、公害問題 外国や日本の社会保障の歴史を理解し,現代日本の社会福祉の課題を考える。消費者問題・公害問題に関する基本事項を理解する。
13週 国際経済の仕組み 保護貿易と自由貿易の考え方,国際収支・為替相場・国際通貨制度などに関する知識を得る。
14週 国際機関の役割とグローバル化する市場経済 国際協調の必要性と国際経済機関の役割を理解する。
15週 地球規模の諸問題と日本の役割 経済のグローバル化,地域的経済統合の歴史と現状を知る。南北問題や地球規模の環境問題に関する知識を得,どのような対策が可能かを考える。
16週 期末試験 後期後半の学習事項の理解を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。2
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。2
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。1
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。2
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。1
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。1
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3

評価割合

筆記試験課題・平常点相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000