政治経済

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 政治経済
科目番号 0024 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ・山崎広明他:『詳説政治・経済』(山川出版社、2015年)・須藤 雄一 他:『政治・経済資料』(東京法令出版)・その他:適宜資料を配布する
担当教員 黒杭 良美

到達目標

 政治および経済に関する基礎的な事実を正確に理解する。時代とともに変化する課題や問題に対処するために、政治や経済がどのような役割を果たしているのかについて客観的に理解する。また、政治経済が私達の日常に密接に関係していることを理解し、問題意識や意見を養う機会とする。
 さらに、政治的・経済的意見の多様性を理解し、他者の異なる意見への受容性を高める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1政治経済に関する基本的な知識を熟知している。政治経済に関する基本的な知識を持っている。政治経済に関する基本的な知識が不十分である。
評価項目2課題や問題に対処するため、政治や経済がどのような役割を期待され、果たしてきたかについて客観的に説明できる。課題や問題に対処するため、政治や経済がどのような役割を期待され、果たしてきたかについて理解できる。課題や問題に対処するため、政治や経済がどのような役割を期待され、果たしてきたかについての理解が不十分である。
評価項目3政治経済に関する現代の諸課題について、主体的に考察でき自身の意見を持っている。政治経済に関する現代の諸課題について理解している。政治経済に関する現代の諸課題について理解が不十分で、主体的に考察できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では、政治経済の基本的な知識を学習すると同時に、政治と経済がどのような関係にあるのか、さらには、時代とともに変化する課題や問題にどのように対処してきたのかについて検討する。私たちの日常生活と密接不可分の関係にある政治・経済に問題意識を持ち、それについての思考を養う機会としたい。
授業の進め方・方法:
板書、教科書、資料集、配布資料を用いながら授業を進める。

4thQのアクティブ・ラーニング「現代の諸課題を考える」では、学生による発表、質疑応答、議論から構成される。発表担当班は、選択した課題に関するデータや資料を集め現状を報告発表し、諸課題の解決策を提示するプレゼンテーションも行う。発表班以外は、報告やプレゼンテーションに対して、疑問を投げかけ建設的批判を行う。以上の作業を行い、授業終了までにクラス全体としての課題解決策を創り上げる。
注意点:
国際社会は多様な政治と経済によって成立していることを考える視点を身につけることが期待される。自由な議論を通して、他者の考えを受け止め、他者に考えを伝える双方向のコミュニケーション能力を磨く。また、社会に対する俯瞰的な視野や問題解決力を養う手がかりとする。加えて、異なる意見の存在を知り、それを受容し、共感する能力を高める。

合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 民主政治の基本原理 民主政治の展開や基本的な原理について理解する。政治とは何か?について自分なりの意見を持つ。
2週 日本国憲法の成立と基本的性格 「法の支配」や日本国憲法の基本的性格を理解する。
3週 日本国憲法と基本的人権の保障 基本的人権の保障や生存権、自由権、社会権といった憲法に基づく国民の権利について理解する。新しい人権についても考察する。
4週 日本の政治制度(国会・裁判所) 立法権・司法権の機能と役割について理解する。また、それぞれが抱える課題についても学ぶ。
5週 日本の政治制度(内閣)
地方自治
行政権を司る内閣の権能や組織について理解する。地方自治の本旨や近年の展開について知る。
6週 政党政治の展開 政党政治の歴史的展開について学ぶ。また、現代における役割とその課題を理解する。
7週 選挙、世論 民主政治における選挙の役割について理解する。世論やメディアの大きな影響力について知る。
8週 中間試験 民主政治の歴史的展開や必要性、それを支える法制度や諸機能についての理解を確かめる。
2ndQ
9週 国際社会の成立と国際法 国際社会の発展や、国内社会との共通点・相違点を理解する。国際法が果たす役割とその限界を知る。
10週 戦後国際社会の動向 第二次世界大戦後の国際社会の歴史的展開を理解する。
11週 国際平和と日本の役割 国際平和と日本の役割について学び、それに対する自分の意見を持つことができる。
12週 グローバル化と国際経済 国際経済の歴史的展開やそれを支える諸制度について学ぶ。グローバル化する貿易・金融の仕組みについて理解する。
13週 国際政治の動向①(地域組織) 世界各地に存在する地域組織について学ぶ。
また、それらの最新の動向や研究上の知見を得る。
14週 国際政治の動向②(領土問題) 日本を含めた世界各地に存在する領土問題について学ぶ。また、それらの最新の動向や研究上の知見を得る。
15週 国際政治の動向③(秩序構想) 日本を含めた世界各国が提唱し、影響力を競い合っている政治・経済・社会上の「秩序構想」について学ぶ。
また、それらの最新の動向や研究上の知見を得る。
16週 期末試験 国際政治・経済・社会に関する基礎的な事実に対する理
解を確認する。
後期
3rdQ
1週 経済活動の意義
資本主義経済の特徴と変化
市場の機能と限界
資本主義経済の基本的な特徴や政府の役割について理解する。また、市場の機能や競争の重要性と、その限界や失敗についても理解する。
2週 現代経済の仕組み
国民所得と経済成長
現代経済の仕組み、特に家計・政府・企業といった経済主体について理解する。経済成長や景気の安定の重要性について知る。
3週 財政の仕組みと租税 財政の機能について理解する。また、国が行っている財政が国民生活と大きな関係があることを知る。
4週 貨幣と金融の仕組み 金融の仕組みや金融機関の働きについて理解する。日本銀行の機能や、金融政策について知り、その役割や課題について考察する。
5週 戦後日本の経済成長
産業構造の変化
戦後日本の経済成長を時期区分に分けて理解し、現状とその課題も考察する。日本の産業構造や市場構造が変化していることを知る。
6週 中小企業問題
労働問題と労働市場
中小企業と大企業との実態や役割を知る。労働問題と労働運動の歴史、現在の日本の労働環境の変化や課題について理解する。
7週 日本の社会保障と国民生活 社会保障制度の現状と課題を知る。また、公害・消費者問題など国民生活に直結する問題への理解を深める。
8週 中間試験 財政・金融・物価といった経済の基本原理や、歴史的展開、日本経済の特質や課題についての理解を確かめる。
4thQ
9週 アクティブ・ラーニング
「現代の諸課題を考える」①
報告を通して、情報を取捨選択し、適切にまとめ、発信する能力を養う。また、社会に対する俯瞰的な視野や問題解決力を養う。
10週 アクティブ・ラーニング
「現代の諸課題を考える」②
報告を通して、情報を取捨選択し、適切にまとめ、発信する能力を養う。また、社会に対する俯瞰的な視野や問題解決力を養う。
11週 アクティブ・ラーニング
「現代の諸課題を考える」③
報告を通して、情報を取捨選択し、適切にまとめ、発信する能力を養う。また、社会に対する俯瞰的な視野や問題解決力を養う。
12週 アクティブ・ラーニング
「現代の諸課題を考える」④
報告を通して、情報を取捨選択し、適切にまとめ、発信する能力を養う。また、社会に対する俯瞰的な視野や問題解決力を養う。
13週 アクティブ・ラーニング
「現代の諸課題を考える」⑤
報告を通して、情報を取捨選択し、適切にまとめ、発信する能力を養う。また、社会に対する俯瞰的な視野や問題解決力を養う。
14週 アクティブ・ラーニング
「現代の諸課題を考える」⑥
報告を通して、情報を取捨選択し、適切にまとめ、発信する能力を養う。また、社会に対する俯瞰的な視野や問題解決力を養う。
15週 アクティブ・ラーニング
「現代の諸課題を考える」⑦
報告を通して、情報を取捨選択し、適切にまとめ、発信する能力を養う。また、社会に対する俯瞰的な視野や問題解決力を養う。
16週 期末試験 後期後半の学習事項の理解を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。2前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。2前10,前11,前12,前13,前14,前15
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。1前1,前2,前3,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。1後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。1後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。2前1,前2,前3,後5,後7
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3前1,前2,前3,後7
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3前2,前3,後5,後6
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3後5,後6,後7

評価割合

筆記試験課題・平常点相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力60400000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000