日本語Ⅱ(留学生科目)

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 日本語Ⅱ(留学生科目)
科目番号 0039 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:2
教科書/教材 〈教科書〉土岐哲ほか著『日本語中級J501英語版(改訂版)』(スリーエーネットワーク)、友松悦子著『小論文への12のステップ』(スリーエーネットワーク)、AJALT著『PRACTICAL KANJI 現代社会を読む700漢字 Vol.1』(アスク出版)、AJALT著『PRACTICAL KANJI 現代社会を読む700漢字 Vol.2』(アスク出版)
担当教員 久保田 育美

到達目標

1. 身近な話題から幅広い分野の話題にわたり、日本語を使ってある物事を詳しく説明したり、自分の気持ちや考えを論理的に説明したりできる。
2. 幅広い分野に関して、まとまった内容を読んで情報を読み取ることができる。
3. 自分の日本語の能力と技能について、得意・不得意とするところを把握し、説明できる。またその上で、自分の課題を改善するためにとるべき行動について自ら考え、実行することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1これまで学んだ言葉を適切に選択し、ヒントや助言がなくても、明瞭かつ論理的な文章を書いたり、話したりすることができる。これまで学んだ言葉を適切に選択し、ヒントや助言があれば、明瞭かつ論理的な文章を書いたり、話したりすることができる。これまで学んだ言葉が適切に選択できず、明瞭かつ論理的な文章を書いたり、話したりすることがほとんどできない。
評価項目2読む目的に応じた読み方を自ら選択し、文章の内容をだいたい理解することができる。ヒントや助言に基づいた読み方で文章を読み、内容がだいたい理解できる。いろいろな読み方で文章を読むことができず、内容がほとんど理解できない。
評価項目3自分の課題を発見し、解決策を考え、実行に移すことができる。自分の課題を発見し、解決策を考えることができる。自分の課題を発見できることがあっても、解決策を考えることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (E) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
年間を通して日本語中級前半~中級後半レベルの日本語を学ぶ。まとまった内容を読んで文章内容への理解を深めるだけでなく、産出活動を通して自分が伝えたいことを発信する技能を養う。
授業の進め方・方法:
多様なトピックの日本語に触れることで、日本語能力や技能を高め、さらに日本語でやりとりするためのストラテジーを学ぶ。また、相手や場面に応じた言葉の使い分けができるようになることも重視する。
注意点:
言語知識を習得するだけでなく、それらを適切に運用できるようになることが求められる。毎時間、自分ができたこと、できなかったことなどを振り返り、主体的に自分の日本語の能力や技能を改善していく姿勢を持つことを期待する。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/4以上の欠課
※2020年度に開講した日本語Ⅰの続きとして、2021年度日本語Ⅱでは前期前半に『まるごと 日本のことばと文化 中級1 B1』(三修社)を用いる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
<書く>ことばの使い分け
授業の目標および内容を把握する。
日本語のことばの使い分け(文体、話し言葉・書き言葉)について理解できる。
2週 『まるごと 日本のことばと文化 中級1 B1』トピック8
<書く>連用中止形
自分が欲しいと思っている商品について、機能やデザインなどの希望や条件をくわしく言うことができる。
3週 『まるごと 日本のことばと文化 中級1 B1』トピック8
<書く>文の構造
主語と述語、修飾することばと修飾される言葉の関係に注意して、伝えたい情報を正しく相手に伝えることができる。
4週 『まるごと 日本のことばと文化 中級1 B1』トピック8 具体的且つ客観的な表現を使って、身の回りにある道具について説明することができる。
5週 『まるごと 日本のことばと文化 中級1 B1』トピック9 テレビやインターネットの行事紹介番組を見て、どんな祭り/行事かがだいたい理解できる。
6週 『まるごと 日本のことばと文化 中級1 B1』トピック9
<書く>簡潔な文
一つの文の中に多数の情報を入れないよう注意して、文の切れ目や修飾語を意識した文を書くことができる。
7週 『まるごと 日本のことばと文化 中級1 B1』トピック9
<書く>助詞のような働きをする文法
祭りや行事などの体験や感想について、詳しく伝えることができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 まとめと振り返り これまで学んできた日本語の知識を練習を通じて整理することができる。
10週 まとめと振り返り 既習日本語の知識を整理するとともに、自分が日本語でできることを今一度振り返り、次週からの目標を再確認する。
11週 『日本語中級J501』第1課 異文化経験に関する話を読んで、本文の内容がだいたい理解できる。本文中の語彙および関連語彙が理解でき、覚えられる。
12週 『日本語中級J501』第1課
<書く>中心文・支持文
キーワードを確認しながら、筆者の主張を読み取ることができる。
13週 『日本語中級J501』第2課 マナーに関する記事を読んで、本文の内容がだいたい理解できる。本文中の語彙および関連語彙が理解でき、覚えられる。
14週 『日本語中級J501』第2課
<書く>具体的な表現
文章の構成に注目して、本文の内容を整理しながら情報を読み取ることができる。
15週 『日本語中級J501』第2課
<書く>客観的な表現
まとまった内容を読んで、事実と意見が区別できる。
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 『日本語中級J501』第5課 色と心理に関する話を読んで、自分の場合と照らし合わせながら、本文の内容がだいたい理解できる。
2週 『日本語中級J501』第5課 本文で学んだ語彙や表現を使って、自分の考えや行動の傾向について、簡単に説明することができる。
3週 『日本語中級J501』第7課 時系列に沿ってエッセイの内容が理解できる。
4週 『日本語中級J501』第7課
<書く>主観的な表現と客観的な表現
文法表現の微妙な違いを理解し、日本語を効果的に使って自分の心情を表すことができる。
5週 『日本語中級J501』第8課
<書く>事実と意見
現代社会の話題の中でとくに関心を持っていることについて、なぜ関心があるかを含めて言うことができる。
6週 『日本語中級J501』第8課
<書く>意見文
主張と根拠それぞれを書くための表現が理解できる。
7週 『日本語中級J501』第8課
<書く>意見文
自分の主張を支えるための根拠を適切な表現を使って書くことができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 『日本語中級J501』第6課 科学に関する知識を結び付けながら、新聞のコラムを読み進めることができる。また、漢字の多義性について理解できる。
10週 『日本語中級J501』第6課 接続詞や指示語を意識して、文と文の関係性が理解できる。
11週 『日本語中級J501』第6課 科学技術分野について関心を持っていることについて、漢字を用いたことばを積極的に使用しながら書くことができる。
12週 『日本語中級J501』第10課 長い文章を読み、調査テーマ、目的、方法および結果がそれぞれどこにどのように書かれているかが理解できる。
13週 『日本語中級J501』第10課 自分で調査テーマを決め、そのテーマに関する簡単なレポートを書くことができる。
14週 『日本語中級J501』第10課 自分で調査テーマを決め、そのテーマに関する簡単なレポートを書くことができる。
15週 『日本語中級J501』第10課 自分が書いたレポートの改善点に気付き、修正することができる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前3,前5,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後3,後9,後10,後12
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前4,前6,後5,後6,後7,後11,後13,後14
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前1,前2,前3,前4,前11,前13,前15,後1,後2,後4,後5,後9,後10,後11
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前2,前3,前11,前13,後1,後2,後4,後5,後9
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前7,後2,後4,後5,後13,後14
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前7,後2,後4
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前2,前7,前15
合意形成のために会話を成立させることができる。3前2,前7,後2,後4
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前5,後5,後11,後13,後14
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後5,後11,後13,後14
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2後5,後11,後13,後14
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2後7,後13,後14
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2後7,後13,後14
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前7,後4
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2前9,前10,前11,前13,後7,後13,後14
複数の情報を整理・構造化できる。3前5,前11,前12,前13,前14,前15,後7,後12,後13,後14
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2後13,後14
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2前11,前12,前13,前14,前15,後7,後13,後14,後15
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前14,前15,後7,後13,後14
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前9,前10,後13,後14,後15
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前14,前15,後7,後13,後14
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前15,後7,後13,後14

評価割合

試験課題ポートフォリオ合計
総合評価割合504010100
基礎的能力5020070
専門的能力0000
分野横断的能力0201030