サイエンスⅠ-2

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 サイエンスⅠ-2
科目番号 5110 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 総合物理 1 -力と運動・熱- (数研出版) / 新課程 リードα 物理基礎・物理 (数研出版)
担当教員 武内 將洋

到達目標

1.ベクトルの概念を理解し、適切に扱うことができる。
2.基礎的な物量の概念を理解し、他人と議論することができる。
3.基礎的な物理の問題を理解し、他人に対し解説することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトルの概念を理解し、適切に扱うことができる。ベクトルの概念を理解し、扱うことができる。ベクトルの概念を理解していない。
評価項目2基礎的な物量の概念を理解し、他人と議論することができる。基礎的な物量の概念を理解している。基礎的な物量の概念を理解していない。
評価項目3基礎的な物理の問題を理解し、他人に対し解説することができる。基礎的な物理の問題を理解している。基礎的な物理の問題を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
力学は、以下の4分野で考える。1年生の後期では力学3と4を学習する。
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力学1:ベクトル概念を「位置・速度・加速度」を題材として学ぶ。二次元座標を扱うため三角関数の学習は必須である。また、有効数字・単位の取扱いをはじめ、工学を学ぶための心構えについての修得も目指す。
力学2:因果関係の存在を物理現象を題材として意識する。具体的には、力学1で学習した加速度はあくまでも「結果」であり、「原因」が力やトルク、そして質量などの属性が結果に影響を及ぼすことを理解する。そして、つり合いや運動方程式の立式について習熟する。
力学3:物理の時制(過去→現在→未来)について理解し、スカラー量とベクトル量に関する2つの保存則(エネルギーと運動量)として書き下せる。
力学4:力学1,2,3で培った基礎を元に、応用として、等速円運動を扱う。次に、物理現象を観測する立場の違いの考察から、3つの慣性力と万有引力について気づく。そして、あらゆる力学現象は運動方程式で表現されること(立式さえできれば後は解くだけ)を理解する。
授業の進め方・方法:
授業: 90分を次の6つに分けて進行する。①本読み、②前時の復習、③本時の講義、④班別協議、⑤模擬授業、⑥振り返り。④以降の活発な議論のため、学習支援サイトの解説動画の事前視聴を義務付けている。近い将来、①②③を廃して反転授業に移行する可能性があるため、学習の軸足を予習に置いておきたい。
課題: まとめ能力の涵養のため、単元ごとに「メモリーツリー」の作成を課す。
試験: 授業者と評価者は異なるべき、という考え方がある。この考え方に則り、定期試験の問題は教員オリジナル作成問題を排除し、市販の高校用問題集からのみ出題する。ただし、数値や問い掛け文章および回答様式は変更されている。
予習教材(動画)・授業・課題・試験、の全ては「問題集」を軸としている。教員解説や教科書は参考程度に扱ってよいが、問題集については第三者的外部評価システムと捉え、隅から隅まで完全理解するよう取り組んでほしい。市井の問題集が解ける!という事実と実感は、学習者が学外活動を行う上で大いなる自信となるであろう。
注意点:
評価: 評価点はどの時点でも学生自身で計算できる。具体的な計算式は物理の学習支援サイトに記載しているので、イベント毎に計算しておくこと。https://sites.google.com/s.akashi.ac.jp/physics/
再試験: 試験ごとの成績不良者に対する再試験は、行わない。
追試験: コロナ・インフル・公欠による試験欠席者に対する追加の試験は、行う。
欠席: 評価の対象としない欠席条件(割合) は 1/3以上の欠課。
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何かを一から考えていいのは中学生までである。巨人の肩の上に立たない学習者は、効率が悪いだけでなく、先達を冒涜しているとも言える。物理学習ではマンガやアニメから受けた誤概念(素朴概念)が正しい理解を妨げることがある。先達によって培われた思考の『型』を身につけることで、誤概念や疑似科学に惑わされない、骨太な技術者になろう!

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 仕事とエネルギー(p116-p128) 「時の流れ」を意識し「時制」を表現できる。
問題集の108,115,116,125を解説できる。
2週 エネルギー保存の法則(p129-p137) スカラー量における保存則について解説できる。
問題集の118,122,123,130を解説できる。
3週 ◆単元テスト(6.仕事と力学的エネルギー)。
運動量と力積(p140-p143)
運動方程式(ma=F)の弱点について解説できる。
問題集の131,132,133,135を解説できる。
4週 運動量保存則(p144-p150) ベクトル量における保存則について解説できる。
問題集の136,138,139,147を解説できる。
5週 反発とエネルギー(p151-159) ふたつの保存則の違いについて解説できる。
問題集の141,143,145,150を解説できる。
6週 ◆単元テスト(7.運動量の保存)。
等速円運動(p162-p168)
等速円運動の6つの公式を解説できる。
問題集の152,156,169,170を解説できる。
7週 慣性力(p170-p176) 3つの慣性力について解説できる。
問題集の158,160,166,168を解説できる。
8週 問題演習 「フーコーの振り子」と「台風の渦」を解説できる。
問題集の161,175を解説できる。
4thQ
9週 ◆単元テスト(8.等速円運動・慣性力)。
単振動(p177-p180)
単振動の6つの公式を解説できる。
問題集の176,177,179,189を解説できる。
10週 ばね振り子と単振り子(p181-p186) 「オフセット」と「近似公式」を解説できる。
問題集の181,182,186,187を解説できる。
11週 問題演習
問題集の188,192,193,195を解説できる。
12週 ◆単元テスト(9.単振動)。
万有引力と重力(p188-p194)
「調査→解析→考察」の5つのお話ができる。
問題集の198,199,202,206を解説できる。
13週 万有引力による位置エネルギー(p195-p200) 「積分」と「極限」のお話しができる。
問題集の203,204,205,208を解説できる。
14週 問題演習 問題集の209,210を解説できる。
15週 ◆単元テスト(10.万有引力)。 1年生で学習する「力学」と2年生で学習する「統計力学」の違いについて解説できる。
16週 期末試験は実施しない

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学英語英語運用の基礎となる知識聞き手に伝わるよう、句・文における基本的なリズムやイントネーション、音のつながりに配慮して、音読あるいは発話できる。2
明瞭で聞き手に伝わるような発話ができるよう、英語の発音・アクセントの規則を習得して適切に運用できる。2
中学で既習の語彙の定着を図り、高等学校学習指導要領に準じた新出語彙、及び専門教育に必要となる英語専門用語を習得して適切な運用ができる。2
中学で既習の文法や文構造に加え、高等学校学習指導要領に準じた文法や文構造を習得して適切に運用できる。2
英語運用能力の基礎固め日常生活や身近な話題に関して、毎分100語程度の速度ではっきりとした発音で話された内容から必要な情報を聞きとることができる。2
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を基本的な表現を用いて英語で話すことができる。1
説明や物語などの文章を毎分100語程度の速度で聞き手に伝わるように音読ができる。2
平易な英語で書かれた文章を読み、その概要を把握し必要な情報を読み取ることができる。2
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を整理し、100語程度のまとまりのある文章を英語で書くことができる。1
母国以外の言語や文化を理解しようとする姿勢をもち、実際の場面で積極的にコミュニケーションを図ることができる。2
実際の場面や目的に応じて、基本的なコミュニケーション方略(ジェスチャー、アイコンタクト)を適切に用いることができる。1
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。1
他者の意見を聞き合意形成することができる。2
合意形成のために会話を成立させることができる。2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2

評価割合

単元テストその他合計
総合評価割合4060100
基礎的能力4060100