電気電子計測

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 電気電子計測
科目番号 0032 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 岩崎俊:「電磁気計測」、コロナ社
担当教員 細川 篤

到達目標

1) 測定の概念が理解できる。
2) 直流電圧・電流・電力、抵抗の測定方法が理解できる。
3) 交流電圧・電流・電力、インピーダンスの測定方法が理解できる。
4) オシロスコープによる波形観測方法が理解できる。
5) ディジタル計器およびセンサの原理が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1さまざまな測定方法について、具体例を挙げて説明できる。さまざまな測定方法について理解できる。さまざまな測定方法の理解が十分ではない。
評価項目2直流電圧・電流・電力、抵抗の測定について、具体例を挙げて説明できる。直流電圧・電流・電力、抵抗の測定方法が理解できる。直流電圧・電流・電力、抵抗の測定方法の理解が十分ではない。
評価項目3交流電圧・電流・電力、インピーダンスの測定について、具体例を挙げて説明できる。交流電圧・電流・電力、インピーダンスの測定方法が理解できる。交流電圧・電流・電力、インピーダンスの測定方法の理解が十分ではない。
評価項目4オシロスコープによる波形観測について、具体例を挙げて説明できる。オシロスコープによる波形観測方法が理解できる。オシロスコープによる波形観測方法の理解が十分ではない。
評価項目5ディジタル計器およびセンサの動作原理について、具体例を挙げて説明できる。ディジタル計器およびセンサの動作原理が理解できる。ディジタル計器およびセンサの動作原理の理解が十分ではない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (E) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
測定という操作についての基本概念を理解し、基本的な電気現象の測定方法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
主に板書を用いて授業を行う。適宜、資料の配布や教科書の内容を参照して説明を行う。各試験の前の講義で、試験範囲の内容に関する演習(小テスト)を行う。
注意点:
1・2年の電気回路I・IIを十分に理解して授業に臨むこと。また、授業内容を2年後期の電気情報工学実験Iに生かすこと。
合格の対象としない欠席条件(割合):1/4以上の欠課(原則として、欠席回数超過の補講は行わない)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 測定と計測、直接測定・間接測定 測定の概念および測定方法の分類(直接・間接測定)を理解している。
2週 偏位法・零位法 計測方法の分類(偏位法・零位法)について理解している。
3週 誤差の分類、有効数字 精度と誤差について理解しているとともに、有効数字の概念について理解している。
4週 誤差の伝搬、単位と標準 誤差の伝搬を考慮した測定値の計算を行うことができるとともに、SI単位系における基本単位と組立単位および標準(器)とトレーサビリティの関係について理解している。
5週 アナログ指示計器 アナログ指示計器の主要構成について理解している。
6週 可動コイル形計器、電流力計形計器 指示計器(可動コイル形計器、電流力計形計器)の動作原理を理解している。
7週 第1週から第6週までの内容の演習 前期第1週から第6週までの内容を理解している。
8週 中間試験 前期第1週から第6週までの内容を理解している。
2ndQ
9週 分流器、倍率器 分流器、倍率器による電流、電圧の定格値の拡大方法について理解している。指示計器による電流電圧の測定について理解している。
10週 直流電流・電圧の測定、電位差計 指示計器による電流電圧の測定について理解している。また、電位差計による電圧の測定について理解している。
11週 直流電力の間接測定、直流電力計 電圧・電流計法による直流電力の間接測定および電力計の動作原理について理解している。
12週 抵抗の間接測定、ホイートストンブリッジ 電圧・電流計法による抵抗の間接測定およびホイートストンブリッジを用いた抵抗の測定について理解している。
13週 直読形抵抗計 直読形抵抗計の動作原理について理解している。
14週 低抵抗の測定、高抵抗の測定 低抵抗および高抵抗の測定の際の問題点およびそれらの解決方法について理解している。
15週 第9週から第14週までの内容の演習 前期第9週から第14週までの内容を理解している。
16週 期末試験 前期第9週から第14週までの内容を理解している。
後期
3rdQ
1週 交流電圧・電流・電力、交流電圧・電流の測定 交流における測定量および交流測定と直流測定の違いについて理解している。
2週 整流形計器、ピーク値応答形電子電圧計 指示計器(整流形計器、ピーク値応答形電子電圧計)の動作原理を理解している。
3週 熱電形計器、可動鉄片形計器 指示計器(熱電形計器、可動鉄片形計器)の動作原理を理解している。
4週 電流力計形計器、交流電力計、誘導形電力量計 電力量の測定原理を理解している。有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる
5週 抵抗器・コイル・コンデンサ、インピーダンスの測定 抵抗器・コイル・コンデンサの等価回路およびインピーダンスの測定方法について理解している。
6週 交流ブリッジ 交流ブリッジを用いたインピーダンスの測定について理解している。
7週 第16週から第21週までの内容の演習 後期第1週から第6週までの内容を理解している。
8週 中間試験 後期第1週から第6週までの内容を理解している。
4thQ
9週 オシロスコープの動作原理 オシロスコープの動作原理について理解している。
10週 オシロスコープを用いた波形観測 オシロスコープを用いた波形観測について理解している。
11週 A/D変換 A/D変換の原理について理解している。
12週 ディジタル計器 ディジタル計器の動作原理について理解している。
13週 センサ センサの概念および各種センサの動作原理について理解している。
14週 データ処理 データの処理方法について理解している。
15週 第24週から第30週までの内容の演習 後期第9週から第14週までの内容を理解している。
16週 期末試験 後期第9週から第14週までの内容を理解している。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。2
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4前1,前2
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4前3,前4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4前4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4前5,前6,前12,後2,後3,後4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4前9
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4後11,後12
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4前12
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4前12,後5
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4後4
電力量の測定原理を説明できる。4後4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4後9,後10
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3

評価割合

試験演習課題合計
総合評価割合701515100
基礎的能力0000
専門的能力701515100
分野横断的能力0000