計算機アーキテクチャ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 計算機アーキテクチャ
科目番号 0026 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(電気電子工学コース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 堀桂太郎:「図解コンピュータアーキテクチャ入門第2版」,森北出版
担当教員 井上 一成

到達目標

(1)命令セットアーキテクチャ,制御,演算,メモリ,入出力アーキテクチャなどについて理解する.また,ノイマン型とハーバードアーキテクチャ,CISCとRISC,パイプライン方式などによる高速化の手法について理解する.
(2)汎用ディジタルICを用いた簡易型RISCコンピュータの設計演習を通じて,目的に応じたシステムを構成できる設計能力を修得する.
(3)各種のアーキテクチャを検討し,必要に応じて回路を改良できる能力を修得する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1命令セットアーキテクチャ,制御,演算,メモリ,入出力アーキテクチャなどについて十分に理解できる.また,ノイマン型とハーバードアーキテクチャ,CISCとRISC,パイプライン方式などによる高速化の手法について十分に理解できる.命令セットアーキテクチャ,制御,演算,メモリ,入出力アーキテクチャなどについて理解できる.また,ノイマン型とハーバードアーキテクチャ,CISCとRISC,パイプライン方式などによる高速化の手法について理解できる.命令セットアーキテクチャ,制御,演算,メモリ,入出力アーキテクチャなどについて理解できない.また,ノイマン型とハーバードアーキテクチャ,CISCとRISC,パイプライン方式などによる高速化の手法について理解できない.
評価項目2汎用ディジタルICを用いた簡易型RISCコンピュータの設計演習を通じて,目的に応じたシステムを構成できる設計能力が十分修得できている汎用ディジタルICを用いた簡易型RISCコンピュータの設計演習を通じて,目的に応じたシステムを構成できる設計能力が修得できている汎用ディジタルICを用いた簡易型RISCコンピュータの設計演習を通じて,目的に応じたシステムを構成できる設計能力が修得できていない
評価項目3各種のアーキテクチャを検討し,必要に応じて回路の改良が十分にできる.各種のアーキテクチャを検討し,必要に応じて回路を改良できる.各種のアーキテクチャを検討し,必要に応じて回路を改良できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (G) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータシステムのアーキテクチャ及び,各部の構成と機能について理解することをねらいとする.これらを理解するためには,ハードウェアとソフトウェアの両方の知識が要求される.また,汎用ディジタルICを用いた簡易型RISCコンピュータの設計演習を通じて,目的に応じたシステムを構成できる設計能力とその際に生じる問題解決能力を修得する.この科目では、ネットワークおよびグラフィックス用コンピュータシステム設計の実務経験を有している教員が、その経験を活かし基本的な計算機アーキテクチャから新世代コンピュータについても紹介し講義形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
教科書に基づいた講義を行うことを中心に進める.必要に応じて,演習問題に取り組んでもらう.また,13~15週目には,コンピュータ設計演習を行う.
注意点:
明石高専,電気情報工学科第2学年「マイクロコンピュータ」で学んだ知識を基礎とする.また,電気情報工学科第3学年「ディジタル電子回路」と関連付けながら履修するとよい.本科目は,授業で保証する学習時間と,予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 コンピュータの発展
コンピュータアーキテクチャの歴史,様々なトレードオフ問題などについて解説する.
コンピュータアーキテクチャの歴史,様々なトレードオフ問題などについて説明できる.
2週 ノイマン型コンピュータ
ノイマン型コンピュータの基本構成と動作について解説する.
ノイマン型コンピュータの基本構成と動作について説明できる.
3週 命令セットアーキテクチャ
基本的な命令セットアーキテクチャについて具体例を用いて解説する.
基本的な命令セットアーキテクチャについて具体例を用いて説明できる.
4週 CISCとRISC
CISCとRISC,それぞれの特徴やハーバードアーキテクチャの具体例について解説する.
CISCとRISC,それぞれの特徴やハーバードアーキテクチャの具体例について説明できる.
5週 演算アーキテクチャ
データの表現方法や演算アルゴリズムについて解説する.
データの表現方法や演算アルゴリズムについて説明できる.
6週 制御アーキテクチャ
ワイヤードロジック制御とマイクロプログラム制御の構成と特徴について解説する.
ワイヤードロジック制御とマイクロプログラム制御の構成と特徴について説明できる.
7週 キャッシュメモリ
キャッシュメモリの目的や動作原理について解説する.
キャッシュメモリの目的や動作原理について説明できる.
8週 中間試験
第1週から第7週で学んだ事柄についての試験を行う.
4thQ
9週 仮想メモリ
仮想メモリの目的や動作原理について解説する.
仮想メモリの目的や動作原理について説明できる.
10週 割込みアーキテクチャ
割込みの概要と動作などについて解説する.
割込みの概要と動作などについて説明できる.
11週 パイプラインアーキテクチャ
パイプライン処理の概要と各種ハザードなどについて解説する.
パイプライン処理の概要と各種ハザードなどについて説明できる.
12週 入出力アーキテクチャ
各種の入出力装置の構成や原理について解説する.
各種の入出力装置の構成や原理について説明できる.
13週 コンピュータ設計演習1
設計する簡易コンピュータの概要について解説する.
設計する簡易コンピュータの概要について説明できる.
14週 コンピュータ設計演習2
ハードウェアの設計について解説する.
ハードウェアの設計について説明できる.
15週 コンピュータ設計演習3
ハードウェア記述言語を用いた設計について解説する.
ハードウェア記述言語を用いた設計について説明できる.
16週 期末試験
期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4
論理式の簡単化の概念を説明できる。4
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4
組合せ論理回路を設計することができる。4
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4
順序回路を設計することができる。4
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。4
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。4
コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。4
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。4
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。4
システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。4
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。1

評価割合

試験演習課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000