到達目標
本講義では, 以下の事項を目的とする.
1. ラウス,および,フルビッツの安定判別法を用いて開ループ系の安定判別ができる.
2. ナイキストの安定判別法を用いて閉ループ系の安定判別ができる.
3. 安定余裕を求めることができる.
4. 定常偏差の計算ができる.
5. PID制御系を設計できる.
6. システムの離散時間モデルを導出できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ラウス,および,フルビッツの両安定判別法を用いて,開ループ系の安定判別ができる. | ラウス,もしくは,フルビッツの安定判別法を用いて,開ループ系の安定判別ができる. | ラウス,および,フルビッツの安定判別法のどちらも知らない. |
評価項目2 | 開ループ伝達関数の安定性を考慮し,定義に従った方法と簡易版を使い分けて,ナイキストの安定判別法を用いて,閉ループ系の安定判別ができる. | ナイキストの安定判別法の定義に従い,安定判別ができる | ナイキストの安定判別法を知らない |
評価項目3 | 安定余裕を求める,もしくは,周波数応答上の該当箇所を示すことができる. | 安定余裕の定義を説明できる | 安定余裕を求めることができない |
評価項目4 | 定常偏差の算出式を導出でき,その値を算出できる. | 定常偏差の定義に従い,その算出式を導出できる | 定常偏差の定義を知らない |
評価項目5 | ステップ応答法,および,限界感度法の両方で,PID制御系を設計できる | ステップ応答法,もしくは,限界感度法を用いてPID制御系を設計できる | PID制御系を設計できない |
評価項目6 | 微分方程式の解,および,差分近似の両方でシステムの離散時間モデルを導出できる | 微分方程式の解,もしくは,差分近似を用いてシステムの離散時間モデルを導出できる | システムの離散時間モデルを導出できない |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 (D)
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学習・教育到達度目標 (F)
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学習・教育到達度目標 (H)
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教育方法等
概要:
日常の生活の中で我々はあまり意識せずに使っているが,車やエアコン,冷蔵庫など,身の回りにあるほとんど全ての機器に自動制御の機能が取り入れられている. 本講義では,制御システムの安定性や制御性能の評価方法など,制御工学Iに続いて古典制御の基礎を学ぶとともに,制御系の応答を自分自身でシミュレーションすることで,制御系の特性を体得する.
授業の進め方・方法:
開ループ,および,閉ループ系の安定判別法と安定余裕,制御性能の評価,PID制御設計について学習するとともに,これまでの制御工学に関する学習の総まとめとして,モータ系を題材にしたモデリング・制御系設計をシミュレーションベースで実施する.
講義内容の説明が終了次第,その内容を復習する演習を実施する形式の授業を,ほぼ毎回実施する.
注意点:
課題や定期試験では計算量が多くなるので, 適宜課す演習は自分で考えて実際に解き, 計算に慣れておくことが望ましい. また, 課題・演習の数が多いので速やかに仕上げるよう, 心がけること.
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
安定性と極 |
極の位置と安定性の関係について説明できる.
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2週 |
内部安定性,フルビッツの安定判別法 |
外部安定性と内部安定性の概念,および,これらが一致するための条件を説明できる. フルビッツの安定判別法を使って安定判別できる.
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3週 |
ラウスの安定判別法 |
特別な場合も含め,ラウスの安定判別法を使って安定判別できる.
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4週 |
ナイキストの安定判別法 |
ナイキストの安定判別法を用いてフィードバック制御系の安定判別ができる.
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5週 |
安定余裕 |
安定余裕について説明できる 周波数応答上で安定余裕が示されている箇所を説明できる
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6週 |
フィードバック制御系の特性 |
整定時間,オーバーシュート,定常偏差などの語句について説明できる. 定常偏差を計算できる.
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7週 |
復習 |
前半の講義内容の復習を行う.
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8週 |
中間試験
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2ndQ |
9週 |
制御対象のモデリング |
ステップ応答波形から,制御対象の近似モデルを選択することができる
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10週 |
モデルの離散化 |
微分方程式を差分化して離散時間モデルを導出できる 微分方程式の解を求め,これを用いて離散時間モデルを導出できる
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11週 |
比例補償の特性 |
比例ゲインの大小と時間応答の評価指標の良し悪しの関係を説明できる 比例ゲインの大小と安定余裕の良し悪しの関係を説明できる
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12週 |
PID制御 |
PID制御器の入出力特性(伝達関数)を説明できる P動作の効果について説明できる I動作の効果について説明できる D動作の効果について説明できる
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13週 |
PID制御系の設計法 |
限界感度法を用いてPIDゲインを求めることができる ステップ応答法を用いてPIDゲインを求めることができる
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14週 |
モデリング・制御系設計演習 |
実システム(モータ)のステップ応答波形から伝達関数を導出できる. モータ系の離散時間モデルを導出できる. PID制御器の入出力特性を離散化できる. PID制御器の設計ができる
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15週 |
レポート出題 |
モータの動作(ステップ応答)をシミュレーションできる 比例制御系の動作をシミュレーションできる PID制御系の動作をシミュレーションできる
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16週 |
期末試験実施せず
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | レポート | 課題演習 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 40 | 20 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 40 | 40 | 20 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |