エネルギー伝送工学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 エネルギー伝送工学
科目番号 0052 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科(電気電子工学コース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考図書(購入は任意):宅間・垣本共著、「電力工学」、共立出版
担当教員 河野 良之

到達目標

1) 電気エネルギー伝送に必要な送電、変電及び配電のメカニズム、機器及び制御システムについて理解できる。
2) 電力系統の制御解析に必要な解析手法を理解できる。
3) 電力自由化・規制緩和や地球環境問題等の社会情勢の変化に応じた電力系統のあり方を理解できる。
4) システム制御構築のための具体的手法について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気エネルギー伝送に必要な送電、変電及び配電のメカニズム、機器及び制御システムについて、さまざまな状況に対応できる。電気エネルギー伝送に必要な送電、変電及び配電のメカニズム、機器及び制御システムについて理解できる。電気エネルギー伝送に必要な送電、変電及び配電のメカニズム、機器及び制御システムの理解が十分ではない。
評価項目2電力系統の制御解析に必要な解析手法、さまざまな状況に対応できる。電力系統の制御解析に必要な解析手法を理解できる。電力系統の制御解析に必要な解析手法の理解が十分ではない。
評価項目3電力自由化・規制緩和や地球環境問題等の社会情勢の変化に応じた電力系統のあり方について、さまざまな状況に対応できる。電力自由化・規制緩和や地球環境問題等の社会情勢の変化に応じた電力系統のあり方を理解できる。電力自由化・規制緩和や地球環境問題等の社会情勢の変化に応じた電力系統のあり方の理解が十分ではない。
評価項目4システム制御構築のための具体的手法について、さまざまな状況に対応できる。システム制御構築のための具体的手法について理解できる。システム制御構築のための具体的手法の理解が十分ではない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は、三菱電機(株)の電力系統技術部において、電力系統解析、運用・計画支援システムの開発、パワーエレクトロニクス応用の電力機器(HVDC、FACTS)の研究・開発に従事していた教員が、その経験を活かし、講義形式で授業を行うものである。
エネルギー供給システムの中で大きな役割を占める電気エネルギーに関して、その供給システムの構成及びその構成機器に関する知識を習得する。更に、供給システムの安定運用に関する各種制御方式や制御理論を習得する。加えて最近の話題である電力自由化(電力取引など)・規制緩和(マイクログリッドなど)や地球環境問題について状況を認識・把握する。
授業の進め方・方法:
配付資料による講義を中心とする。また、演習・宿題を組み入れて理解を助ける。さらに、第5週と第6週の工場見学によって実機に対する理解を深める。
注意点:
理解を助けるためにテキストを用いるが、購入は必須ではない。
第5週と第6週の工場見学は、時間割変更によって連続した時間に行う。
合格の対象としない欠席条件(割合):1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電気事業の変遷と電力系統 電気事業の発展形態を学ぶとともに、これを実現してきた電力系統の構成や運用制御の概要を理解している。更に電力自由化に関しても状況を把握している。
2週 送電(1) 送電方式や送電電圧について学ぶとともに、線路定数や送電特性に関しても習得している。また、最近の話題としてマイクログリッドなど最近のエネルギー供給方式について理解している。
3週 送電(2) 同上
4週 変電 電力系統を構成する重要な要素である変電所や開閉所の役割や構成機器に関して理解している。
5週 工場見学 電力機器製作工場の見学を行い、実機に対する理解を深めている。
6週 同上 同上
7週 配電 配電系統の電圧や配電用機器について理解している。更に電力需要の種類や電力品質に関して理解している。
8週 中間試験
第1週から第7週までの内容を理解している。
4thQ
9週 単位法、電力系統の保護 電力系統の解析計算の要素技術の一つである単位法を習得している。電力系統の保護及び緊急制御方式を習得している。
10週 電力系統の運用と制御 電力系統の需給制御(需給計画や経済負荷配分など) に関して理解しているとともに、周波数・電圧制御方式を習得している。
11週 対称座標法と故障計算 電力系統の解析計算のひとつである故障計算(対称座標法)を理解している。故障計算に関して具体的な事例や演習で習熟度を高めている。
12週 電力系統の安定度(1) 電力系統の電圧、周波数の安定性に関して理解している。
13週 電力系統の安定度(2) 電力系統の静的安定性や動的・過渡的安定性に関して理解している。
14週 電力系統と環境 電力系統の環境問題の分類、電磁界による環境問題及び地球環境に関して理解を深めている。
15週 次世代の電力系統 電気自動車, 新エネ増加などに対応すべき次世代の電力系統(スマートグリッド)について, その課題と対応策を理解している。
16週 期末試験
第9週から第15週までの内容を理解している。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4
電力システムの経済的運用について説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4

評価割合

試験課題レポート演習合計
総合評価割合602020100
基礎的能力0000
専門的能力602020100
分野横断的能力0000