エネルギー変換工学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 エネルギー変換工学
科目番号 0053 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科(電気電子工学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 電気書院「改訂新版 エネルギー工学」関井康雄・脇本隆之著(森北出版「発変電工学入門」矢野隆・大石隼人著)(電気学会(オーム社)「発変電工学総論」財満英一編著)
担当教員 藤井 治久

到達目標

以下に掲げる能力を養成することを目的とする.
1.種々のエネルギーにおいて,特に電気エネルギーの位置づけや自然や社会,環境との関係を理解し,それらに配慮する能力
2.各種発電方式や変電についての基本的な仕組み,設備概要を理解し,他者に説明できる能力
3.既存の発電方式に加えて,新しい発電の方法や電力貯蔵の方法を理解し,自然や社会に及ぼす技術の影響を認識して,他者に説明できる能力
4.上記内容を十分理解した上で,電力供給システムとしての最適な組合せを思考できる能力

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1種々のエネルギーにおいて,特に電気エネルギーの位置づけや自然や社会,環境との関係を理解し,それらに配慮することが十分にできる.種々のエネルギーにおいて,特に電気エネルギーの位置づけや自然や社会,環境との関係を理解し,それらに配慮することができる.種々のエネルギーにおいて,特に電気エネルギーの位置づけや自然や社会,環境との関係が理解できず,それらに配慮することができない.
評価項目2各種発電方式や変電についての基本的な仕組み,設備概要を理解し,他者に的確に説明できる.各種発電方式や変電についての基本的な仕組み,設備概要を理解し,他者に説明できる.各種発電方式や変電についての基本的な仕組み,設備概要が理解できない.
評価項目3既存の発電方式に加えて,新しい発電の方法や電力貯蔵の方法を理解し,自然や社会に及ぼす技術の影響を認識して,他者に的確に説明できる.既存の発電方式に加えて,新しい発電の方法や電力貯蔵の方法を理解し,自然や社会に及ぼす技術の影響を認識して,他者に説明できる.既存の発電方式に加えて,新しい発電の方法や電力貯蔵の方法が理解できず,自然や社会に及ぼす技術の影響も認識できない.
評価項目4評価項目1〜3を十分理解した上で,電力供給システムとしての最適な組合せを具体的に思考できる.評価項目1〜3を十分理解した上で,電力供給システムとしての最適な組合せを思考できる.評価項目1〜3を十分理解できず,電力供給システムとしての最適な組合せも思考できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義においては,水力・火力・原子力に代表される発電の仕組みと設備について基礎的事項を修得する.また,太陽エネルギー発電,風力発電,燃料電池などのクリーンな新しい発電技術・システムについても理解する.
授業の進め方・方法:
教科書に基づいて、講義を実施する.
連絡員:中井 優一
注意点:
本科目を理解する上で,物理や化学の基礎を復習しておくことが重要である.また,電気主任技術者の資格を取得する上で,重要な科目である.
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気エネルギーとエネルギー変換工学の概要
現代社会における電気エネルギーの位置付け・環境問題との関わり,および各種エネルギーから電気エネルギーへの変換について概要を説明できる.
2週 水力発電の概要
水力発電所の発電方式と水力学,水力発電の基礎を説明できる.
3週 水力設備,揚水発電
水力発電所の各種主要水力設備とその機能について理解し,揚水発電の概要を説明できる.
4週 水車および付属設備,水車発電機と電気設備
水車の種類とその特徴,発電に至るまでのしくみを体系的に理解する.各種水車の特性を効率,比速度の点から比較し説明できる.調速機・励磁装置のしくみと機能についても説明できる.
5週 火力発電の概要
火力発電や原子力発電のしくみを理解するために必要な熱力学について理解し,火力発電のうち汽力発電のしくみについて説明できる.
6週 汽力発電
汽力発電所の主要設備である,蒸気タービン,発電機, 給水ポンプ, 復水器, ボイラーについて,その機能・構造などを説明できる.
7週 ガスタービン発電とコンバインドサイクル発電
火力発電のうちガスタービン発電のしくみやコンバインドサイクル発電について理解するとともに,火力発電所における環境対策についても説明できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 原子力発電の概要
原子炉のしくみや商業用発電炉(加圧水型軽水炉, 沸騰水型軽水炉) について構成要素などを説明できる.
10週 核反応の基礎
原子力発電の基礎となる原子核反応と核分裂反応によるエネルギーについて説明できる.
11週 原子力発電の安全設計と核燃料サイクル
軽水炉の安全設計および原子燃料サイクルの概要について説明できる.
12週 太陽エネルギー発電
代表的再生可能エネルギーとして,太陽光発電および太陽熱発電の発電方式について,原理,特徴,課題について説明できる.
13週 風力発電
風力発電の発電方式について,原理,特徴,課題について説明できる.
14週 燃料電池発電
燃料電池の原理,種類,特徴,課題について説明できる.
15週 電力貯蔵
二次電池・超電導などを用いた電力貯蔵に関わる技術について説明できる.
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4前2
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4前5
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4前9
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4前12,前13,前14
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4前1

評価割合

試験課題・演習相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000