電気電子工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気電子工学実験Ⅰ
科目番号 4426 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気情報工学科(電気電子工学コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 必要に応じてプリントを配布したり参考文献を紹介する.
担当教員 上 泰,廣田 敦志,寺澤 真一,平野 雅嗣,野村 隼人

到達目標

1.班毎の実験に積極的に参加し,班員と協力しながら実験を遂行できる
2.基礎的な実験遂行能力を基に,計画的に実験を行い,実験結果を解析できる
3.実験結果を正しい文章表現で報告書に纏めることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1班毎の実験に積極的に参加し,班員と協力しながら実験を遂行できる班員と協力しながら実験を遂行できる実験を遂行できない
評価項目2計画的に実験を行い,実験結果を解析できる実験結果を解析できる実験結果を解析できない
評価項目3実験結果を正しい文章表現で報告書に纏め,提出期限を守って提出することができる実験結果を正しい文章表現で報告書に纏めることができる実験結果を報告書に纏めることができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では,これまで習得した電気情報の知識や技術を,実験テーマを通じて理解・確認しながら,新たな問題にも実践的に解決できる能力の習得を目標とする.また各テーマごとに報告書の提出を求め,科学的報告書に必要な文章表現の習得も目標とする.班単位で実験を進めていくことで,自主性や協調性,計画性,指導性などの涵養にも配慮する.計測回路関係は平野が,制御関係は上が,回路・マイコン関係は野村と寺澤が,強電回路関係は廣田が担当する.なお,前期第2週~第5週の実験は,企業で組込みシステムに関する設計開発に従事していた者が,前期第7,8週の実験は,計測システム開発に従事していた者が,前期第2週~第5週,および,後期第2週~第4週の実験は,電子機器開発業務等に従事していた者が担当する.
授業の進め方・方法:
計測,回路,制御,マイコンなど,電気電子分野に関連が深いテーマについて,4,5名からなる班単位で実験を行い,報告書を提出する.
実験を行うにあたり,必要な各自の準備・予習,および,その場での実験担当者からの説明内容をもとに,自主的に与えられた実験を進めていく.
注意点:
期限内に報告書の受け取り完了をされないと合格にならない.実験室の清掃と器具,用具の片付けまで行うこと.実験についての諸注意は前期後期の第1週に指示する.全ての実験に参加すること.
合格の対象としない欠席条件(割合) :すべての実験に参加していないと合格の対象としない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験のガイダンス 工学実験に関する諸注意と各実験テーマの概要を理解できる
2週 FPGA1(回路設計) IDE(統合開発環境)を用いた論理回路入力を理解できる。
3週 FPGA2(エミュレータによるデバッグ) IDE(統合開発環境)を用いた論理回路のシミュレーション及びデバッグを理解できる。
4週 FPGA3(実装と動作)
FPGA(Field Programmable Logic Array)への回路実装を理解できる。
5週 FPGA4(評価) FPGAによる実装回路の動作、及びデバッグ、評価を理解できる。
6週 レポート整理 実験を行ったテーマについて結果を検討し,報告書にまとめることができる
7週 コンピュータ計測I コンピュータと計測用インターフェースを用いて波形測定と処理を行うことができる
8週 コンピュータ計測II コンピュータと計測用インターフェース・コンデンサマイクを用いて聴診器の作製を行うことができる
2ndQ
9週 レポート整理 実験を行ったテーマについて結果を検討し,報告書にまとめることができる
10週 電動機の速度制御 電動機の速度制御方法について理解することができる
11週 直流電圧安定化回路 整流回路における電圧安定回路の特性を調べることができる
12週 レポート整理 実験を行ったテーマについて結果を検討し,報告書にまとめることができる
13週 発振回路 代表的な発振回路数種類について諸特性を調べることができる
14週 低周波増幅器の特性
プッシュプル増幅器の回路動作と特性を調べることができる
15週 レポート整理
実験を行ったテーマについて結果を検討し,報告書にまとめることができる
16週 期末試験実施せず
後期
3rdQ
1週 実験のガイダンス
工学実験に関する諸注意と各実験テーマの概要を理解できる
2週 マイコン演習Ⅰ 組込み用マイコンの構造を理解し、組込みプログラムの作成と実装ができる。
3週 マイコン演習Ⅱ 組込み用マイコンを用いた周辺回路の制御システムを構築できる。
4週 マイコン演習Ⅲ 組込み用マイコンの内蔵回路を理解し、外部割込み処理やタイマ機能などを制御できる。
5週 レポート整理
実験を行ったテーマについて結果を検討し,報告書にまとめることができる
6週 トランジスタの増幅回路の設計 トランジスタを用いた増幅回路の設計ができる
7週 レポート整理
実験を行ったテーマについて結果を検討し,報告書にまとめることができる
8週 変圧器の等価回路 変圧器の等価回路と定数を求めることができる
4thQ
9週 レポート整理
実験を行ったテーマについて結果を検討し,報告書にまとめることができる
10週 PLCシーケンス制御I PLCシーケンス制御の基礎を理解できる
11週 PLCシーケンス制御II
PLCシーケンス制御方式により指定された仕様を満足する制御回路を構築できる
12週 レポート整理 実験を行ったテーマについて結果を検討し,報告書にまとめることができる
13週 PWMインバータによる誘導電動機の可変速制御 PWMインバータの原理と誘導電動機の速度制御について理解することができる
14週 サイバーセキュリティ サイバーセキュリティの現状等を理解できる
15週 まとめと整理
実験のまとめと整理を行うことができる
16週 期末試験実施せず

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13,後14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13,後14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13,後14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4前6,前9,前12,前15,後5,後7,後9,後12,後15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4前6,前9,前12,前15,後5,後7,後9,後12,後15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4前6,前9,前12,前15,後5,後7,後9,後12,後15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4前6,前9,前12,前15,後5,後7,後9,後12,後15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13,後14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13,後14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13,後14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4前6,前9,前12,前15,後5,後7,後9,後12,後15
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力直流機の原理と構造を説明できる。4前10
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4後8
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。3後14
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4前7,前8
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13,後14
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4前2,前3,前4,前5
ディジタルICの使用方法を習得する。4前2,前3,前4,前5
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後5,後7,後9,後12,後15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後5,後7,後9,後12,後15
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後5,後7,後9,後12,後15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後5,後7,後9,後12,後15
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13
法令やルールを遵守した行動をとれる。3後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3後2,後3,後4,後6,後8,後10,後11,後13
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3後14

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80002000100
基礎的能力0000000
専門的能力80002000100
分野横断的能力0000000