生物物理化学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 生物物理化学
科目番号 4505 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科(電気電子工学コース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 使用しない.
担当教員 小笠原 弘道

到達目標

(1) 生体内で起こる化学反応について,物理・化学に基づいた扱い方・考え方の例を学ぶ.
(2) 基礎科目(数学・物理・化学)の知識と生命現象のつながりを認識し,工学的技術が生体や環境に及ぼす影響について考えるときに必要となる知識の基礎を身に付ける.
(3) 食品の加工を通して,物理的・化学的な手法による生体物質の取り扱いに触れる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生体内で起こる化学反応について,物理化学に基づいた扱い方・考え方を十分に理解している.生体内で起こる化学反応について,物理化学に基づいた扱い方・考え方を理解している.生体内で起こる化学反応について,物理化学に基づいた扱い方・考え方を理解していない.
評価項目2基礎科目の知識と生命現象のつながりを十分に認識し,工学的技術が生体や環境に及ぼす影響について考えるときに必要となる知識の基礎をしっかりと身に付けている.基礎科目の知識と生命現象のつながりを認識し,工学的技術が生体や環境に及ぼす影響について考えるときに必要となる知識の基礎を身に付けている. 基礎科目の知識と生命現象のつながりを認識せず,工学的技術が生体や環境に及ぼす影響について考えるときに必要となる知識の基礎を身に付けていない.
評価項目3物理的・化学的な手法による食品の加工が的確にできる.物理的・化学的な手法による食品の加工ができる.物理的・化学的な手法による食品の加工ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理化学は物質の構造・機能(物性)・反応を物理学の手法を用いて解明する化学の一分野であり,その中で生体内で起こる現象を物理化学の問題として取り扱う部門が生物物理化学である.
生体内で起こる化学反応について,この科目の前半では主にエネルギーに着目して,この科目の後半では主に反応速度に着目して,学習する.また,食品加工に関する実験も行う.
授業の進め方・方法:
平素の授業では講義を行い,その中で演習課題や小テストも課す.また,実験を行う週も設ける.
注意点:
これまでに学習した基礎科目(数学・物理・化学)の知識が生命やそれに関連する身近な現象の理解にどうのように役立っているのかを意識しながら学習すること.
実験の安全性確保のため,受講希望者が40名を超えたときは初回の授業で抽選を実施し,その結果から受講者を決定するので,受講希望者は受講願の提出と併せて初回の授業に出席すること.なお,人数や時間の関係から,実験は授業の日時を振り替えて行うことがある.
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
2週 物質・生体とエネルギー 物質の状態とエネルギーの関係について習得する.
3週 物質・生体とエネルギー 生体内で行われる代謝による物質からのエネルギーの出し入れについて習得する.
4週 見学旅行のため,本科目の授業なし.
5週 酸化分解 物質からエネルギーを取り出す過程について習得する.
6週 光合成 植物が光のエネルギーを使って糖質を合成する過程について習得する.
7週 光合成 光化学反応について習得する.
8週 中間試験
4thQ
9週 実験 食品加工の方法を習得する.
10週 実験 食品加工の方法を習得する.
11週 化学反応の速度 化学反応速度論の基本事項について,次回以降に必要となることを習得する.
12週 酵素 酵素に関する基本事項を習得する.
13週 ミカエリス・メンテン理論(総論) 酵素が関与する反応の速度論として,ミカエリス・メンテン理論について習得する.
14週 ミカエリス・メンテン理論(各論) ミカエリス・メンテン理論による酵素阻害の取り扱いについて習得する.
15週 ミカエリス・メンテン理論(各論) 酸・塩基による酵素阻害について習得する.
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3後2,後3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3後2,後3
化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。3後2,後3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3後2,後3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3後2,後3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後5,後6,後7
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後5,後6,後7
酸化還元反応について説明できる。3後5,後6,後7
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後9,後10
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後9,後10
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後9,後10
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後9,後10
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後9,後10
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後9,後10
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後9,後10
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後9,後10
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後9,後10
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後9,後10
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後9,後10
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後2,後3,後5,後6,後7,後8,後11,後12,後13,後14,後15,後16
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後2,後3,後5,後6,後7,後8,後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

試験演習課題・小テスト実習レポート合計
総合評価割合60355100
基礎的能力60355100
専門的能力0000
分野横断的能力0000