電気電子工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気電子工学実験Ⅱ
科目番号 4519 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(電気電子工学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 各自,既に履修した教科の教科書等を,必要に応じて用意すること.
担当教員 上 泰,榎本 隆二

到達目標

(1) トランジスタの特性を測定・確認できる
(2) トランジスタによる増幅回路の動作を考察できる
(3) 実験担当者が与えた条件を満足するようにシステムの仕様を決め,発表できる
(4) グループワークを進めることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1トランジスタの特性を測定し,結果を考察できるトランジスタの特性を測定できるトランジスタの特性を測定できない
評価項目2トランジスタによる増幅回路に加え、オペアンプの動作に関する実験結果も考察でき,これらの特性を利用した回路等の提案や設計ができるトランジスタによる増幅回路の動作に関する実験結果を考察できるトランジスタによる増幅回路の動作・基本特性を知らない
評価項目3実験担当者が与えた条件を満足するようにシステムの仕様を決め,分かりやすく発表できる実験担当者が与えた条件を満足するようにシステムの仕様を決めることができる.与えられた条件を満足するようにシステムの仕様を決めることができない
評価項目4グループで連携したり役割分担したりしながらワークを進め,与えられた課題を解決することができるグループで与えられた課題に取り組むことができるグループワークを進めることができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では,今まで習得した電気電子工学の知識や技術を実際に使い,システムの設計・実装を行う.班単位で実験を進めていくことで,他人を思いやりながら,高い協調性と指導力を有する技術者の育成を目指す.
プレゼン,および,報告書の提出を通じて,プレゼンテーション能力,および,科学的報告書に必要な文章表現能力の習得も目指す.
授業の進め方・方法:
PBL形式にて,トランジスタによる増幅回路を中心としたシステムの設計・実装を行う.
4,5名からなる班単位でグループワークを進め,適宜,プレゼンテーションを行うとともに,報告書を提出する.
グループワークに必要となる準備・予習等については,各班で自発的に考えて実行すること.
注意点:
指定されたプレゼンテーションを全て行った上で,期限内に報告書の受け取りが完了されないと合格とならない.
実験についての諸注意は第1週に指示する.既に履修した教科の内容が必要となることがあるので復習すること.点呼時の態度から実験室の清掃と器具の片付けまできちんと行う必要がある.
合格の対象としない欠席条件(割合) :1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験緒注意・構想作成 工学実験に関する諸注意ならびに本実験科目の内容・目的等について理解できる
開発するシステムの構想を議論できる
2週 構想発表・仕様策定1 各チームの構想を発表できる
開発するシステムの仕様について意見交換することができる
3週 仕様策定2 システムの仕様について,グループで合意することができる
4週 仕様策定3 決定した仕様をクリアする方法について案を出すことができる
5週 素子の選定・計画と役割分担案の検討 使用を達成するために必要な部品を選定できる
グループの役割分担,これからの計画をまとめることができる
6週 発表準備 次週の報告会に向けて発表の準備をすすめることができる
7週 仕様報告会 各班で決めた仕様とその仕様をクリアする方法,役割分担等について発表できる
8週 進捗状況の確認 各班で進捗状況を確認し,仕様や計画を練り直す.
2ndQ
9週 利用する素子の特性の測定・使用方法の確認 利用する素子を決め,その特性を測定したり,使用方法を確認し,仕様の達成に適しているかを検討する
10週 システム設計・実装1 目標とするシステムの構築方法を具体的に決めることができる
11週 システム設計・実装2 各班で決定したシステムの構築方法に基づき,実装を進めることができる
12週 システム設計・実装3 各班で決定したシステムの構築方法による実装を完了させることができる
13週 システム設計・実装4 出来上がったシステムを評価し,改善案等を出すことができる
14週 システム設計・実装5 出てきた改善案等を実行できる
15週 最終発表会 実装したシステムのデモンストレーションとプレゼンテーションを実行できる
16週 期末試験実施せず
レポート提出に代える

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4前9
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4前9
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4前9
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4前16
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4前16
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4前16
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4前16
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4前11,前12,前13,前14
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4前11,前12,前13,前14
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4前11,前12,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4前16
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4前1,前9
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4前9
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。4前2,前3,前4,前5,前10
合意形成のために会話を成立させることができる。4前2,前3,前4,前5,前10
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4前2,前3,前4,前5,前10
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。4前2,前6,前7,前15
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4前2,前3,前4
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前10
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4前7,前15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4前7,前15
事実をもとに論理や考察を展開できる。4前15,前16
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4前15,前16
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4前11,前12,前13,前14
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。4前11,前12,前13,前14
目標の実現に向けて計画ができる。4前5,前8
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。4前8
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。4前8
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4前5,前10,前11,前12,前13,前14
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4前5,前10,前11,前12,前13,前14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4前5,前10,前11,前12,前13,前14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4前5,前10,前11,前12,前13,前14
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。4前5,前10
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。4前2,前3,前4,前10,前11,前12,前13,前14
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている4前5,前10
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4前4,前11
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。4前4,前11
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。4前4,前11
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。4前2,前3,前4
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。4前2,前3,前4
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。4前2,前3,前4

評価割合

仕様報告会のプレゼン最終発表会のプレゼン報告書合計
総合評価割合303535100
基礎的能力0000
専門的能力303535100
分野横断的能力0000