到達目標
(1) マイクロコントローラの特徴、構成、機能を説明できる。
(2) 割り込み処理系を中心とした組込みアプリケーションを開発できる。
(3) 種々の通信機能を活用してマスタ・スレーブシステムを構築できる。
(4) マイコンシステムの開発において運用時の保守性を考慮できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 組込み用マイコンの構造を熟知し、種々の機能とその限界を説明できる。 | 組込み用マイコンの構造と種々の機能を説明できる。 | 組込み用マイコンの構造や主要機能を説明できない。 |
評価項目2 | 様々な多重化レベル、マイクロ秒から数分に渉る割り込み間隔に応じて適切な組込みシステムを設計できる。 | タイマ割込みおよびハードウエア割込みを使った組込みアプリケーションを構築できる。 | 組込みアプリケーションにおいてタイマ割込み・ハードウエア割込みを使いこなせない。 |
評価項目3 | 組込み用マイコンの種々の通信機能の特性を理解して、問題状況に応じた解決策を示すことができる。 | ホストPC・マイコン間、マイコン・マイコン間の送受信機能を使いこなせる。 | 組込みアプリケーション開発においてシリアル通信機能を使いこなせない。 |
評価項目4 | 保守性を考慮したソースコードが書け、実運用時の障害を予想したアルゴリズムを設計できる。 | 保守性を考慮したソースコードが書ける。 | 本人以外には理解できないソースコードしか書けない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
組込みシステムに使われるマイクロコントローラ(以下、「制御用マイコン」という)の構成と機能、タイマ割り込みを基本としたリアルタイム処理プログラムおよび制御用マイコンによるハードウエア制御を学ぶ。体験的な学習を通じ、組込みシステム開発能力の修得およびエンジニアリング分野における問題解決能力の向上を目指す。
授業の進め方・方法:
スライドを使った講義と組込みシステム用マイクロコントローラの開発環境を使ったプログラム開発実践を並行して進める。
注意点:
試験の成績を60%、平素の学習状況等(課題提出状況を含む)を40%の割合で総合的に評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として、上記到達目標に対する達成度を試験等によって評価する。事前学習として、教科書の対応頁を瞥見して未知の用語を書き出しておくこと。事後学習として、教科書の精読、さらに授業中に示された課題を行うこと。本科目は科目横断的な実践科目として電気電子工学、情報工学、制御工学等の知見を実践によって確認するものである。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
組込みシステムおよび組込み用マイコンの概要と開発環境 |
組込みシステムの概念を理解し、 Arduino IDEの最初のアプリケーションを実行できる。
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2週 |
AVRマイコンATmega328Pの概要(1) |
マイコン構成図、入出力多重化、入出力ポートの構造を理解する。
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3週 |
AVRマイコンATmega328Pの概要(2) |
AVR CPUのコア、システムクロックとメモリ、リセット過程を理解する。
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4週 |
AVRマイコンATmega328Pの概要(3) |
割り込み関連レジスタ、ハードウエア割り込みおよびタイマ割り込みを理解する。
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5週 |
リアルタイム処理の実際(1) |
タイマ割り込みを用いたリアルタイム処理系を構成できる。
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6週 |
リアルタイム処理の実際(2) |
タイマ割り込みを用いた多重リアルタイム処理系を構成できる。
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7週 |
リアルタイム処理の実際(3) |
レジスタ操作を伴うAD変換の多重リアルタイム処理を実装できる。
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8週 |
総合学習(1) |
制御用マイコンにハードウエアキットを結合して、様々な状況を想定した複雑な動作を実現できる。
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2ndQ |
9週 |
シリアル通信の実際(1) |
簡単なSPI通信ができる。
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10週 |
シリアル通信の実際(2) |
簡単なUSART通信ができる。
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11週 |
シリアル通信の実際(3) |
簡単なTWI通信ができる。
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12週 |
多機能カウンタの応用(1) |
多機能カウンタのPWM機能を使いこなせる。
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13週 |
多機能カウンタの応用(2) |
多機能カウンタのPWM機能を使いこなせる。
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14週 |
総合学習(2) |
制御用マイコンにハードウエアキットを結合して、様々な状況を想定した複雑な動作を実現できる。
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15週 |
総合学習(3) |
制御用マイコンにハードウエアキットを結合して、様々な状況を想定した複雑な動作を実現できる。
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16週 |
期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 3 | |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 3 | |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 0 | 100 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 0 | 0 |
基礎的能力 | 40 | 20 | 0 | 60 |
専門的能力 | 10 | 20 | 0 | 30 |
分野横断的能力 | 10 | 0 | 0 | 10 |