基礎通信工学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 基礎通信工学
科目番号 5522 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(電気電子工学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:植松友彦、松本隆太郎「基本を学ぶ通信工学」オーム社
担当教員 河合 正

到達目標

以下の能力を修得することを目標とする.
1) 通信システムを理解するために必要な数学的準備や基礎的な信号処理論について理解し,解析できる.
2) 通信システムにおける簡単な信号処理システムを設計できる.
3) 課題報告作成による自主的・継続的学習能力を得る.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1通信システムを理解するために必要な数学的準備や基礎的な信号処理論について正確に理解し,解析できる.通信システムを理解するために必要な数学的準備や基礎的な信号処理論について理解し,解析できる.通信システムを理解するために必要な数学的準備や基礎的な信号処理論について理解できない.
評価項目2通信システムにおける信号処理方式を理解し,正確に説明できる. 通信システムにおける信号処理方式を理解し,説明できる.通信システムにおける信号処理方式を理解し,説明できない.
評価項目3必要数の課題レポートを正確に作成できる.必要数の課題レポートを作成できる.必要数の課題レポートを作成できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では通信システムを理解するために必要な基礎項目および簡単なアナログ通信システムについて解説する.科目の構成としては,後期開講科目である「通信方式」と組となる科目であるため,本科目と「通信方式」の両科目の受講を薦めたい.
授業の進め方・方法:
通信システムの基礎とアナログ変復調方式に重点を置いて、教科書・スライドを用いながら解説していく。各回で簡単な課題を出す。自己学習が重要な科目であるので、予習復習をしっかりやりながら取り組むこと。
連絡員:大向雅人
注意点:
本科目は,授業で保証する学習時間と,予習・復習および課題に必要な標準的な自己学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である.
評価の対象としない欠席条件(割合)>1/3以上

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入
通信システムの基本構成と本授業の位置付けを行う。
通信システムについて説明できる。変調の役割について説明できる。
2週 アナログ信号処理のための数学①
通信システムを学ぶための数学的基礎として欠かせないフーリエ変換等を解説する。
フーリエ級数展開の定義を理解し、実際にフーリエ級数展開できるようになる。
3週 アナログ信号処理のための数学②
通信システムを学ぶための数学的基礎として欠かせないフーリエ変換等を解説する.
フーリエ変換・フーリエ逆変換の定義や性質を理解し、実際にフーリエ変換できるようになる。
4週 通信システムのモデルとフィルタ
本講義で扱う通信システムのモデルを解説する。システムの一つとしてフィルタを説明する。
システムのモデルを理解して説明できる。フィルタの役割を理解する。
5週 振幅変調方式(1)
変調の役割や意義について説明する。振幅変調方式の概要を説明する。
各変調方式の役割について説明できる。振幅変調方式の概要を説明できる。
6週 振幅変調方式(2)
振幅変調とその復調について説明する。
振幅変調方式の変調方法と復調方法を説明できる。
7週 角度変調方式(1)
位相変調と周波数変調の概略を説明し、周波数変調の占有帯域幅について説明する。
位相変調と周波数変調の性質を説明できる。
8週 角度変調方式(2)
周波数変調とその復調について説明する。
周波数変調方式の変調方法と復調方法を説明できる。
2ndQ
9週 復習・小テスト(1)
アナログ変調について振り返る。簡単なプログラムを利用して、各変調方式のふるまいを確認する。小テストを実施する。
小テストで60%以上を取得する。
10週 パルス変調とパルス符号変調(1)
アナログ信号処理とディジタル信号処理の違いについて説明する。
パルス振幅変調と標本化定理について解説する
標本化定理とパルス変調について説明できる。
11週 パルス変調とパルス符号変調(2)
パルス符号変調(PCM)とPCMにおける雑音について解説する。
パルス符号変調と雑音について説明できる。
12週 発展的話題(1)
通信における誤り制御技術(誤り訂正符号)について解説する。
通信における誤り訂正符号の役割を説明できる。
13週 発展的話題(2)
通信における秘匿通信技術(公開鍵暗号)について解説する。
通信における公開鍵暗号の役割を説明できる。
14週 発展的話題(3)
通信における秘匿通信技術(共通鍵暗号)について解説する。
通信における公開鍵暗号の役割を説明できる。
15週 復習・小テスト(2)
移動通信システムの発展の歴史を題材に、本講義で扱った変調方式を振り返るとともに、後期の通信方式で扱うディジタル変調技術を紹介する。小テストを実施する。
小テストで60%以上を取得する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。4前9,前10,前11,前12
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前1
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4前1
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4前1

評価割合

小テスト(2回)課題合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000