電子物性工学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子物性工学
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科(電気電子工学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (荻野俊郎「エッセンシャル応用物性論」朝倉書店)
担当教員 大向 雅人

到達目標

(1)固体内の電子の挙動について理解する。
(2)電子を支配する各種法則について導出できる。
(3)固体内の電子の性質について図を用いて概念的に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1固体内の電子の挙動について深く理解する。固体内の電子の挙動について理解する。固体内の電子の挙動について理解しない。
評価項目2電子を支配する各種法則について詳細に導出できる。電子を支配する各種法則について導出できる。電子を支配する各種法則について導出できない。
評価項目3固体内の電子の性質について図を用いて詳細に説明できる。固体内の電子の性質について図を用いて概念的に説明できる。固体内の電子の性質について図を用いて概念的に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (D) 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
電子物性工学は、新しい電子デバイスや新機能性デバイスを開発するのにきわめて重要な分野である。本科目では、第4学年の固体物性、電気電子材料に引き続いて、電気伝導理論、フェルミディラック統計、エネルギーバンドについて復習した後、半導体物性と半導体を中心とした電子デバイスの動作原理と応用について学ぶ。
授業の進め方・方法:
最初に講義ノートに基づいて概略を説明したあと、各自が自主学習を行う。最後に小テストを行う。
注意点:
第4学年で履修した「固体物性」「電気電子材料」の基礎知識を前提として授業を進めるので、必ず復習しておくこと。色々な現象を定量的に扱うため、数学的基礎が不可欠である。小テストが満点でない場合は課題レポートが課される。合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子の基礎的性質
電子を支配するシュレーディンガー方程式を光の場合と比較しながら考察でき、さらに詳しく知る。
2週 束縛電子の状態
原子の周りにある電子が満たす条件を復習し、更に詳しく理解を深める。
3週 固体内の電子状態
半導体の理論の基礎となるバンド理論を復習し、さらに詳しく理解を深める。
4週 固体内の電子の運動
金属や半導体中での電子の振る舞いについて復習し、さらに詳しく理解を深める。
5週 固体内の電子の分散関係
固体中における電子の分散関係を光と比較しながら理解する。
6週 固体内の電子の運動量の量子化
固体内において電子の運動量が量子化されることを詳しく知り、定量的な状態密度の計算ができる。
7週 固体に磁場が印加された場合の電子の挙動
磁場中での電子の運動を利用して移動度を求める方法を知る。
8週 中間試験
60点を取得する。
2ndQ
9週 半導体内での電子の状態
半導体の価電子帯と伝導帯における電子の状態を定量的に議論できる。
10週 不純物半導体の特性
不純物を添加した半導体であるP型とN型についてさらに詳しく知り、その温度特性を定量的に議論できる。
11週 半導体と金属の接合面における特性
半導体と金属の接合面の状態についてエネルギーバンドの概念を用いて説明できる。
12週 半導体内の少数キャリヤの挙動
半導体デバイスのもっとも基礎となる、半導体内に少数キャリヤが外部から入ってきたときの挙動を定量的に詳しく説明できる。
13週 ダイオードの電気的特性
半導体を用いたダイオードの電気的特性について式を導出できる。
14週 可変容量ダイオード
ダイオードの一つの代表的なデバイスとして可変容量ダイオードの動作特性を数式を用いて解析できる。
15週 復習
これまでの内容を整理する。余裕があればトランジスタの基礎特性について知る。
16週 期末試験
60点以上を取得する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000