固体物性A

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 固体物性A
科目番号 0021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(電気電子工学コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考図書:萩野俊郎「エッセンシャル応用物性論」朝倉書店
担当教員 大向 雅人

到達目標

1)シュレーディンガー方程式を理解し、これを利用して原子内の電子状態を定量的に理解する。
2)原子の化学結合について理解し、個体のバンド理論についてに知る。
3)ホール効果について定量的に説明できる。
4)pn接合の電流電圧特性を定量的に理解する
5)空乏層容量を導出できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1シュレーディンガー方程式を深く理解し、これを利用して原子内の電子状態を定量的に十分理解する。シュレーディンガー方程式を理解し、これを利用して原子内の電子状態を定量的に理解する。シュレーディンガー方程式を理解し、これを利用して原子内の電子状態を定量的に理解しない。
評価項目2原子の化学結合について深く理解し、個体のバンド理論についてに詳細に知る。原子の化学結合について理解し、個体のバンド理論についてに知る。原子の化学結合について理解し、個体のバンド理論についてに知らない。
評価項目3ホール効果について定量的に詳しく説明できる。ホール効果について定量的に説明できる。ホール効果について定量的に説明できない。
評価項目4pn接合の電流電圧特性を定量的に深く理解するpn接合の電流電圧特性を定量的に理解する。pn接合の電流電圧特性を定量的に理解しない。
評価項目5空乏層容量を詳細に導出できる。空乏層容量を導出できる。空乏層容量を導出できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子デバイスの中で固体の役割は極めて大きい。本講義では電子の基礎となる前期量子論から固体中の電子状態について学び、金属および半導体内での電子の挙動を基本的な観点から定量的に学ぶ。
授業の進め方・方法:
最初に講義ノートに基づいて概略を説明したあと、各自が自主学習を行う。最後に小テストを行う。
注意点:
色々な現象を定量的に扱うため、3年までの数学的基礎が不可欠である。また、新しい内容が次々と出てくるため、毎回復習を欠かさないようにすること。本科目は授業で保証する学習時間と、予習、復習および課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である。小テストが満点でない場合は課題レポートがさらに追加される。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 量子論、シュレーディンガー方程式
光および電子の波動性と粒子性について理解しシュレーディンガー方程式を導出できる。
2週 ボーアの理論と原子軌道
ボーアの理論を導出して軌道半径と軌道のエネルギーを算出できる。原子軌道の種類を知る。
3週 共有結合とエネルギーバンド
共有結合の起源および混成軌道について知り、多数の原子が集まるとエネルギー準位がバンドになることを知る。
4週 電気伝導、位相速度と群速度
電気伝導を示すドゥルーデの理論を導き出せ、位相速度と群速度の定義を知る。
5週 分散関係と有効質量とブリルアンゾーン
光と電子の分散関係を導出し、有効質量を導出できる。正孔の概念を理解する。ブリルアンゾーンについて知る。
6週 自由電子論、状態密度
シュレーディンガー方程式を解いて運動量の量子化を導ける。また電子の状態密度の計算を行える。
7週 ホール効果と移動度
ホール効果を定量的に知り、ホール効果の実験結果と導電率から移動度を算出できる。
8週 中間試験 60点以上を取得する。
2ndQ
9週 半導体内のキャリヤ統計I
半導体内のキャリヤ密度を定量的に導出できる。有効状態密度の概念を理解する。
10週 半導体内のキャリヤ統計II
NP積の性質を理解する。キャリヤ密度の温度依存性に3種類の領域があることを知る。
11週 半導体と金属の接触
半導体と金属が接触したとき、2種類の状態が実現されることを定性的に理解する。
12週 アインシュタインの関係式
拡散係数と移動度の関係を示すアインシュタインの関係式を導出できる。さらに少数キャリヤ注入の式を導出できる。
13週 PN接合のI-V特性
PN接合のI-V特性を定量的に導出できる。
14週 空乏層の容量
PN接合における空乏層の容量を定量的に導出でき、拡散電位を実験で求める方法を知る。
15週 復習
これまでの内容を復習し頭を整理する。余裕があればドリフトトランジスタについて知る。
16週 期末試験
60点以上を取得する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000