電気磁気学Ⅱ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気磁気学Ⅱ
科目番号 0027 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科(情報工学コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 参考図書:小塚 洋司著、「電気磁気学」、森北出版社
担当教員 大向 雅人

到達目標

(1)磁気に関する諸法則を理解し、説明することができる。
(2)Maxwell 方程式から導かれる諸性質について説明できる。
(3)自立した学習態度と具体的な問題解決能力を獲得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目[1]磁気に関する諸法則を理解し、詳しく説明することができる。磁気に関する諸法則を理解し、説明することができる。磁気に関する諸法則を理解し、説明することができない。
評価項目[2]Maxwell 方程式から導かれる諸性質について詳しく説明できる。Maxwell 方程式から導かれる諸性質について説明できる。Maxwell 方程式から導かれる諸性質について説明できない。
評価項目[3]自立した学習態度と具体的な問題解決能力を大いに獲得する。自立した学習態度と具体的な問題解決能力を獲得する。自立した学習態度と具体的な問題解決能力を獲得しない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気磁気学Iで学んだ静電界の知識を基礎として、主として磁界について学習する。その後Maxwell方程式として電気磁気学の体系全体を身につけ、電磁波についても学ぶ。理解度確認のための小テストを実施する。
授業の進め方・方法:
講義により内容を説明し、自分のペースで学習する。最後に小テストを行う。小テストの結果が芳しくない場合は課題が与えられる。課題が未提出の場合は評価を減点することがある。
注意点:
本講義は能動的な姿勢が欠かせない。わからないところは授業中に質問することが不可欠である。課題が出された場合は必ず期限までに提出しなければならない。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ビオ・サバールの法則
電流によってできる磁束密度の計算法を身につける。
2週 アンペアの周回積分の法則とヘルムホルツコイル
アンペアの周回積分の法則を学び、この法則を用いた磁束密度の計算法を身につける。また、ヘルムホルツについて定量的に理解する。
3週 ベクトルの回転(rot の導入)、ストークスの定理
ベクトルの回転の概念を学び、ストークスの定理について学ぶ。またこれを用いてアンペアの周回積分の法則の微分形を導くことができる。
4週 ベクトルポテンシャルとゲージ問題
電場のスカラーポテンシャルと対応させながら磁束密度に対するポテンシャルであるベクトルポテンシャルについて理解する。またゲージ問題についても知る。
5週 電流密度とベクトルポテンシャルの関係、ベクトルポテンシャルの求め方 ベクトルポテンシャルの概念を把握するために、具体的な事例を知る。
6週 ローレンツ力
磁場中を運動する荷電粒子にかかる力であるローレンツ力について学び、磁場内に置かれた電線にかかる力を計算できる。この応用としてモータの基礎を知る。
7週 電流ループのトルク、ホール効果
電流ループのトルクについて定式化する。またホール効果について知る。
8週 中間試験
60点を取得する。
2ndQ
9週 磁束密度と磁化と磁界
磁化の概念を導入し磁界の定義を身に着ける。
10週 境界条件、磁性体
磁束密度と磁界の境界条件を学ぶ。また磁界と磁束密度と磁化の関係について、誘電体と対比させながらその概念をしる。
11週 磁性体の分類
5種類の磁性体についてその性質を知る。
12週 反磁性の起源、磁化曲線とヒステリシス損
反磁性の起源を定量的に学ぶ。また磁化曲線の性質を学びヒステリシスについて知る。
13週 磁極に対するクーロンの法則、永久磁石と磁気回路
磁極に対して電荷と同様なクーロンの法則が成り立つことを知る。
14週 電磁石が鉄を吸引する力
永久磁石の特性と磁気回路の理論について学ぶ。また電磁石が鉄片を吸引する力を計算する方法を身につける。
15週 各座標系におけるdiv、rot、grad及びラプラシアン
円筒座標、極座標におけるdiv、rot、grad及びラプラシアンを導出できる。
16週 期末試験
60点を取得する。
後期
3rdQ
1週 ファラデーの電磁誘導の法則
ファラデーの電磁誘導の法則について積分形と微分形について知る。
2週 自己インダクタンスとその算出法
磁束、磁界エネルギーについて学ぶ。自己インダクタンスの定義を理解し、その算出法を身につける。
3週 内部インダクタンスとエネルギー
内部インダクタンスの計算を行う。また磁場のエネルギーについて理解する。
4週 相互インダクタンス、ノイマンの式
相互インダクタンスの概念について学び、結合係数の定義を知る。
5週 ノイマンの式の具体例、エネルギーの一般論

ノイマンの式を用いた計算の具体例をしり、磁気エネルギーの一般論についてしる。
6週 単極誘導、ベータトロン、導体内の電流
単極誘導における発生電圧の計算法を学ぶ。またベータトロンの原理について知る。また導体内の電流についてしる。
7週 導体内の電流分布と表皮効果
導体内の交流に対する電流分布について学び、表皮効果について定量的に解析できる。
8週 中間テスト 60点を取得する。
4thQ
9週 Maxwell 方程式の積分形と微分形、変位電流、電荷保存則
マックスウエルの考えた変位電流の概念について学び、4つの方程式の積分形から微分形を導き出せる。
10週 Maxwell 方程式のポテンシャル表現、遅延ポテンシャルとヘルツベクトル
時間に依存する場合のポテンシャルを考え、このポテンシャルを用いてマックスウエルの方程式を表せる。
11週 Maxwell 電磁方程式と電磁波
マックスウエルの方程式から電磁波の満たす波動方程式を導出できる。
12週 電磁波の性質
マックスウエルの方程式から電磁波の持つべき性質を導出できる。
13週 ポインティングベクトル
ポインティングベクトルの定義とその物理的意味を知る。
14週 誘電損失と電磁波の偏波面
誘電損失について定量的に学ぶ。また電磁波の偏波面についてしり、平面波と円偏波について知る。
15週 媒質中の電磁波
有限の抵抗を持つ媒質中での電磁波の伝播について、定量的にしる。
16週 期末試験
60点を取得する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4
ローレンツ力を説明できる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明できる。4
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000