本科目は入門的な科目に位置づけられるため、法学の予備知識は不要である。ただし、法学が実社会と密接な関連をもつ学問であることから、日頃から時事問題には常に注意を向ける姿勢が求められる。また、講師はインタラクティブな授業を想定しているので、受講者に積極的な発言を求めることもある。受講生の主体的な学習態度をもとに以下を達成したい。
本科目では、最初に法学の対象、目的、方法論等、法学に関する基本的な知識の習得を目指す。その後、実定法の体系を確認し、憲法、刑法、及び民法の基礎知識を、具体的な事例や重要判例の分析等を通じて習得する。また、国家間の権利義務関係を規律する国際公法についても理解を深める。そして最終的に、現代社会で生じている様々な事件や事象を、法的に考察する能力を身につけることを目標とする。
概要:
本科目では、法律学の基本概念及び法的思考を理解し、社会生活における重要なテーマを通じて、社会と法の在り方や問題について考えていくことを目的とする。また、日本における様々な法律について、基本的人権といった重要事項と関連づけて学習を行う。
授業の進め方・方法:
配布資料や板書を用いた講義を中心とするが、インタラクティブな授業にするために受講者には積極的な発言を求める。
注意点:
本科目では法律学の基本概念を体系的に解説するが、受講者の理解度を見て各授業のテーマ、取り上げる順番を変更することがある。
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス・法とは何か 法の概念や分類について学習する。 |
私達の世界が複数の種類の法によって重畳的に構成されていることを理解する。
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2週 |
法の歴史 法の歴史的な発展過程について学習する。 |
私達の周囲の法はどのように生まれたのかについて理解する。
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3週 |
法の適用 法源や法の構造について学習する。 |
法には、文で示されるものでなく、不文の形式もある。様々な形式の法があることを理解する。
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4週 |
法の解釈 法の解釈方法について学習する。 |
法の文言の意味は必ずしも一つではない。解釈の方法によって異なる意味合いを持つことを理解する。
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5週 |
法と裁判(民事裁判制度) 民事裁判制度について学習する。 |
私達が裁判の当事者になった場合に、どのように進行していくのかを理解する。
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6週 |
法と裁判(刑事裁判制度) 刑事裁判制度について学習する。 |
前回に引き続き、私達が裁判の当事者になった場合に、どのように進行していくのかを理解する。
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7週 |
憲法入門(憲法の基本原理) 日本国憲法の基本原理(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義)について学習する。 |
憲法は国家の基本法であり、日本のあらゆる法の最上位にある憲法の根幹理念を理解する。
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8週 |
レポート作成
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レポート課題を課す。
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2ndQ |
9週 |
憲法における諸権利 憲法には様々な人権規定があり、人権規定の全体的構造を学ぶ。 |
憲法の重要概念である基本的人権について、憲法がどのように保障しているのかを理解する。
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10週 |
憲法における人権:自由権 憲法が保障する自由権について学習する。 |
自由権について、その基礎概念を理解する。
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11週 |
憲法における人権:社会権 憲法が保障する社会権について学習する。 |
社会権について、その基礎概念を理解する。
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12週 |
刑法の基本原則 刑法の機能や犯罪の成立要件について学習する。 |
ある行為がいかにして刑法上の犯罪として法的に構成されるのかを理解する。
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13週 |
民法の基本原則 財産法や家族法の基本原則について学習する。 |
日常生活における私人間の約束は、民法上の契約を構成しうることを理解する。
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14週 |
国際社会と法(国際法の基礎) 国家間関係を規律する国際法の基礎的事項について学習する。 |
法は個人だけに適用されるのではなく、国家にも適用される。国際法の基礎について理解する。
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15週 |
国際社会と法(武力紛争法) 武力紛争時における適用規範である武力紛争法の基本原則について学習する。 |
武力紛争(戦争)時には、平時とは異なる法が適用される。武力紛争法の基本について理解する。
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16週 |
期末試験
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期末試験(筆記)を行う。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 英語 | 英語運用の基礎となる知識 | 聞き手に伝わるよう、句・文における基本的なリズムやイントネーション、音のつながりに配慮して、音読あるいは発話できる。 | 3 | |
明瞭で聞き手に伝わるような発話ができるよう、英語の発音・アクセントの規則を習得して適切に運用できる。 | 3 | |
中学で既習の語彙の定着を図り、高等学校学習指導要領に準じた新出語彙、及び専門教育に必要となる英語専門用語を習得して適切な運用ができる。 | 3 | |
中学で既習の文法や文構造に加え、高等学校学習指導要領に準じた文法や文構造を習得して適切に運用できる。 | 3 | |
英語運用能力の基礎固め | 日常生活や身近な話題に関して、毎分100語程度の速度ではっきりとした発音で話された内容から必要な情報を聞きとることができる。 | 3 | |
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を基本的な表現を用いて英語で話すことができる。 | 3 | |
説明や物語などの文章を毎分100語程度の速度で聞き手に伝わるように音読ができる。 | 3 | |
平易な英語で書かれた文章を読み、その概要を把握し必要な情報を読み取ることができる。 | 3 | |
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を整理し、100語程度のまとまりのある文章を英語で書くことができる。 | 3 | |
英語運用能力向上のための学習 | 英文資料を、自分の専門分野に関する論文の英文アブストラクトや口頭発表用の資料等の作成にもつながるよう、英文テクニカルライティングにおける基礎的な語彙や表現を使って書くことができる。 | 1 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |