情報工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 情報工学実験Ⅰ
科目番号 4422 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気情報工学科(情報工学コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 必要に応じてプリントを配布したり参考文献を紹介する。
担当教員 中井 優一,寺澤 真一,井上 一成,平野 雅嗣,野村 隼人,榎本 隆二

到達目標

1.班毎の実験に積極的に参加し,班員と協力しながら実験を遂行できる
2.基礎的な実験遂行能力を基に,計画的に実験を行い,実験結果を解析できる
3.実験結果を正しい文章表現で報告書に纏めることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1班毎の実験に積極的に参加し,班員と協力しながら実験を遂行できる班員と協力しながら実験を遂行できる実験を遂行できない
評価項目2計画的に実験を行い,実験結果を解析できる実験結果を解析できる実験結果を解析できない
評価項目3実験結果を正しい文章表現で報告書に纏め,提出期限を守って提出することができる実験結果を正しい文章表現で報告書に纏めることができる実験結果を報告書に纏めることができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では、これまで習得した電気情報の知識や技術を、実験テーマを通じて理解・確認しながら、新たな問題にも実践的に解決できる能力の習得を目標とする。また各テーマごとに報告書の提出を求め、科学的報告書に必要な文章表現の習得も目標とする。班単位で実験を進めていくことで、自主性や協調性、計画性、指導性などの涵養にも配慮する。情報関係は井上、中井が、計測関係は平野が、FPGA関係は野村、寺澤が、マイコン関係は寺澤が担当する。ネットワークに係る実験では、ルータほかネットワーク機器開発の実務経験を有する者が、機器の設定とLAN構築の実験を進める。前期第9週~12週の実験は、企業で組込みシステムに関する設計開発に従事していた者が、前期第9週~12週、および、後期第9、10、11週の実験は、企業で電子機器開発業務等に従事していた者が担当する。
授業の進め方・方法:
情報技術,FPGA,マイコンなど,情報工学分野に関連が深いテーマについて,4,5名からなる班単位で実験を行い,報告書を提出する.
実験を行うにあたり,必要な各自の準備・予習,および,その場での実験担当者からの説明内容をもとに,自主的に与えられた実験を進めていく.
情報工学実験においてネットワークに係る実験では、ルータほかネットワーク機器の実務開発経験を有する者が、機器の設定とLAN構築の実験を進める
注意点:
期限内に報告書の受け取り完了をされないと合格にならない。実験室の清掃と器具、用具の片付けまで行うこと。実験についての諸注意は前期後期の第1週に指示する。全ての実験に参加すること
合格の対象としない欠席条件(割合) :すべての実験に参加していないと合格の対象としない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験のガイダンス
工学実験に関する諸注意と、各実験テーマの概要を理解できる
2週 LANケーブルの製作
LANケーブルの仕組み、及びフォワーディングなどTCP/IP レイヤ2を理解できる。
3週 ネットワークの基礎とIPアドレス L2スイッチ、及びL3スイッチの操作により、レイヤ2、3を理解できる。
4週 ルータの各種設定とネットワークセキュリティ ルータの各種設定、WAN/LAN分離、セキュリティ制御を理解できる。
5週 マイコンを用いたIoTの実験1
マイコンを用いた通信デバイスの制御を理解できる。
6週 マイコンを用いたIoTの実験2 LPWA通信とサーバへのデータ転送に、IoTについて理解できる。
7週
レポート整理
実験を行ったテーマについて、結果を検討し、報告書にまとめることができる
8週 中間試験実施せず
2ndQ
9週 FPGA1(回路設計) IDE(統合開発環境)を用いた論理回路入力を理解できる。
10週 FPGA2(エミュレータによるデバッグ)
IDE(統合開発環境)を用いた論理回路のシミュレーション及びデバッグを理解できる。
11週 FPGA3(実装と動作)
FPGA(Field Programmable Logic Array)への回路実装を理解できる。
12週 FPGA4(評価) FPGAによる実装回路の動作、及びデバッグ、評価を理解できる。
13週 コンピュータ計測I コンピュータと計測用インターフェースを用いて、物理量測定と処理を行うことができる
14週 コンピュータ計測II
コンピュータと計測用インターフェースを用いて、IoT装置の作製を行うことができる
15週 レポート整理
実験を行ったテーマについて、結果を検討し、報告書にまとめることができる
16週 期末試験実施せず
後期
3rdQ
1週 実験のガイダンス
工学実験に関する諸注意と、各実験テーマの概要を理解できる
2週 Pythonによるドローン制御(1)
Pythonを用いてドローンを制御するための基礎知識を理解できる
3週 Pythonによるドローン制御(2)
Pythonを用いて簡単なドローン制御ができる
4週 Pythonによるドローン制御(3)
与えられたタスクを実行するPythonプログラムを作成できる
5週 Pythonによるドローン制御(4)
与えられたタスクを実行するPythonプログラムを作成できる
6週 Pythonによるドローン制御(5)
与えられたタスクを実行するPythonプログラムを作成できる
7週 Pythonによるドローン制御(6)
完成したプログラムでタスクを実行できる
8週 中間試験実施せず
4thQ
9週 マイコン演習Ⅰ
組込み用マイコンの構造を理解し、組込みプログラムの作成と実装ができる。
10週 マイコン演習Ⅱ 組込み用マイコンを用いた周辺回路の制御システムを構築できる。
11週 マイコン演習Ⅲ
組込み用マイコンの内蔵回路を理解し、外部割込み処理やタイマ機能などを制御できる。
12週 レポート整理 実験を行ったテーマについて、結果を検討し、報告書にまとめることができる
13週 特異値分解による画像圧縮
Gnu Scientific Library など特異値分解パッケージを使って画像圧縮することができる
14週 サイバーセキュリティ対策技術 (講義・実演・実習) サイバーセキュリティ対策技術を理解できる。
15週 まとめと整理
実験のまとめと整理を行うことができる
16週 期末試験実施せず

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後11,後13
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後11,後13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後11,後13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4前7,前12,前15,後8,後10,後12,後13,後14,後15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4前7,前12,前15,後8,後10,後12,後14,後15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4前7,前12,前15,後8,後10,後12,後14,後15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4前7,前12,前15,後8,後10,後12,後14,後15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後11,後13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後11,後13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後11,後13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4前7,前12,前15,後8,後10,後12,後14,後15
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3前13,前14
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。2前9,前10,前11,前12
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。1後2,後3,後4,後5,後6,後7
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。1後2,後3,後4,後5,後6,後7
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。1後2,後3,後4,後5,後6,後7
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。3前4
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。3前4
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している3前4
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。3前4
専門的能力分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。4前9,前10,前11,前12
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。4前9,前10,前11,前12
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。4前13,前14
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。1後2,後3,後4,後5,後6,後7
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前1,前7
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前7,前15
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前7,前15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前7,前15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前7,前15
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前7,前15
複数の情報を整理・構造化できる。3前7,前15
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前7,前15
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前7,前15
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前7,前15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前7,前15

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80002000100
基礎的能力0000000
専門的能力80002000100
分野横断的能力0000000