データベース

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 データベース
科目番号 4522 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科(情報工学コース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)白鳥則郎監修、三石大・吉廣卓哉編著:「データベース−ビッグデータ時代の基礎−」、共立出版
担当教員 土田 隼之

到達目標

本科目では、データベースの実現および運用のための基礎的な手法について講義を行う。具体的には、現実のデータを計算機に格納するためのデータのモデル化、大量データを計算機に効率よく格納・取得するための方法、データを定義し問合せを行うための言語および多くの利用者間でデータの同時使用を可能とするための制御についてである。データベースの概念を理解し、データ管理のための設計、データベース言語SQLによるプログラミングなど、主専門分野の知識と技術を学習する。そして、データ管理に関する問題に柔軟に対処でき、専門分野の知識や技術を用いて、課題に適応する具体的なシステムを設計できることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1データのモデル化、大量データを計算機に効率よく格納し取り出すための方法を理解し、システムを設計できる。データのモデル化、大量データを計算機に効率よく格納し取り出すための方法を理解できる。データのモデル化、大量データを計算機に効率よく格納し取り出すための方法を理解できない。
評価項目2データベース言語SQLによるプログラミング、システム運用できる。データベース言語SQLによるプログラミング、システムを理解できるデータベース言語SQLによるプログラミング、システムを理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
プログラムとデータを分離して管理することは重要である。データを独立して管理する方法として広く利用されているデータベースシステムを理解することで、長期間にわたって安定的にデータを使用可能とする技術について学ぶ。本科目では、データとは何か、データベースでは何を管理していくのか、その実装方法はどのようになっているのかを学習していく。
本講義は、5年間日立製作所研究開発本部にてミドルウェア(データベース)の研究開発に従事した経験を持つ教員が担当する。
授業の進め方・方法:
授業と演習
注意点:
少なくとも1つ以上のプログラミング言語を習得しておくことを履修条件とする。 データ構造とアルゴリズム関連の知識を有していることが望ましい。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 データベースの概要 データベースの役割、データベースの学術利用、業務利用、その意義と用途を理解できる。
2週 データベースのための基礎理論 集合とその演算、組(タプル)、組の集合としてのリレーションなど、データベースのための基礎理論を理解できる
3週 リレーショナルデータモデルとリレーショナル代数 RDBMSで利用されるデータモデルであるリレーショナルデータモデルとデータ操作のためのリレーショナル代数を理解できる。
4週 SQL(1) RDBMSの利用全般に用いられる言語SQLの基本を理解できる。リレーションへのデータ登録・削除・更新、簡単な問合せなど、基本的なSQLの使い方を理解できる。
5週 SQL(2) RDBMSの利用全般に用いられる言語SQLを作成できる。SQLにおける問合せを行うselect文を理解できる。
6週 RDBMSの内部構成 RDBMSの内部構成、および大量のデータの中から目的とするデータに素早くアクセスする仕組みであるインデックスを理解できる。
7週 問合せ最適化 RDBMSで、SQL問合せを実行するための実行プランを生成するための問合せ最適化が理解できる。
8週 中間試験 中間試験
4thQ
9週 プログラムからのRDBMSの利用 汎用プログラミング言語で書かれたプログラムからRDBMSを利用する方法が理解できる。
10週 正規化 リレーションの更新時に発生しうるデータの不整合、およびその解決策であるリレーションの正規化が理解できる。
11週 データモデリング 実社会の中でデータベース化したい範囲を決定し、データ項目を抽出・整理して適切なデータ構造を決定する作業であるデータモデリングが理解できる。
12週 SQL(3) RDBMSの利用全般に用いられる言語SQLを作成できる。SQLにおける問合せを行う高度なselect文を理解できる。
13週 トランザクションと同時実行制御 アプリケーションがデータベースにアクセスする単位であるトランザクションの概念、および複数のトランザクションを正常に実行するための基礎理論を理解できる。
14週 NoSQLデータベースとビッグデータ(1) ビッグデータを扱うため開発された新しいデータベースであるNoSQLの基礎を理解できる。主にNoSQLの概観と、ビッグデータを扱うためのデータモデルや実行制御理論を理解できる。
15週 NoSQLデータベースとビッグデータ(2) ビッグデータを扱うために開発された新しいデータベースであるNoSQLの基礎について学ぶ。主に大規模データの並列分散管理技術やNoSQL上での分散処理手法を理解できる。
16週 期末試験
期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。4後11
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。4後4,後5,後12
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能事実をもとに論理や考察を展開できる。2後11
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。2後4,後5
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。2後4,後5
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2後4,後5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力60000400100
分野横断的能力0000000