情報ネットワーク応用

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 情報ネットワーク応用
科目番号 5521 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科(情報工学コース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 指定しない。
担当教員 井上 一成

到達目標

高速化、省電力化、セキュリティほかネットワークにおける課題と解決に向けた各種技術について理解する。講義形式と演習形式によって、機器の設定方法や制御技術を理解する。TCP/IPのほか、仮想化や省電力広域通信(LPWA)など近年のネットワークにおける高度な応用技術を理解することを目標とする。
1)L2/L3/L4/L7各層の役割と機能を正しく理解できる。
2) ルータなどネットワーク機器の役割を正しく理解できる。
3) 仮想化、省電力広域通信など先端ネットワークの技術を正しく理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1L2/L3/L4/L7各層の役割と機能を十分に理解できる。L2/L3/L4/L7各層の役割と機能を理解できる。L2/L3/L4/L7各層の役割と機能を理解できない。
評価項目2ルータなどネットワーク機器の役割を十分に理解できる。ルータなどネットワーク機器の役割を理解できる。ルータなどネットワーク機器の役割を理解できない。
評価項目3仮想化、省電力広域通信など先端ネットワークの技術を十分に理解できる。仮想化、省電力広域通信など先端ネットワークの技術を理解できる。仮想化、省電力広域通信など先端ネットワークの技術を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
ネットワークの構築・運用には、通信プロコトルの理解に加えて、ルータやファイアウォールなど機器の設定、制御処理を理解することが極めて重要である。本科目では、講義形式とネットワークに関する処理やサービスをシングルボードコンピュータ(Raspberry pi)に実装評価する演習形式とを併用する。
高速化や省電力化、セキュリティほかネットワークにおける課題、仮想化など昨今の新しい技術について解説する。本講義はネットワークルータ開発の実務経験を有する教員が、講義形式と演習形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
第1週から第15週まで講義形式と演習形式で授業を行う。
注意点:
3年授業「情報工学概論」と 5年授業「情報ネットワーク」での知識を前提とする。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 講義の概要説明。TCP/IPプロトコルと各層の技術。
TCP/IPの登場とネットワークの諸技術について解説する。
講義の概要説明。TCP/IPプロトコルと各層の技術。
TCP/IPの登場とネットワークの諸技術について理解できる。
2週 シングルボードコンピュータRaspberry piの初期設定。
OSインストールと各種設定ファイルについて解説する。
シングルボードコンピュータRaspberry piの初期設定。
OSインストールと各種設定ファイルについて理解できる。
3週 リモート制御SSH, VNCについて解説する。
WindowsPC, LinuxPCからの接続とGPIOによる通信について解説する。
リモート制御SSH, VNCについて解説する。
WindowsPC, LinuxPCからの接続とGPIOによる通信について理解できる。
4週 シリアル通信。SPI, I2Cについて解説する。
GPIOにセンサーを接続し代表的なシリアル通信について解説する。
シリアル通信。SPI, I2Cについて理解できる。
GPIOにセンサーを接続し代表的なシリアル通信について理解できる。
5週 下位通信(GPIOセンサー接続)と上位通信(IP網)、及びゲートウェイを含む
IoT LAN構築について解説する。
下位通信(GPIOセンサー接続)と上位通信(IP網)、及びゲートウェイを含む
IoT LAN構築について理解できる。
6週 時刻同期プロトコルNTPについて解説する。
時刻同期プロトコルのデーモン設定、実行について解説する。
時刻同期プロトコルNTPについて理解できる。
時刻同期プロトコルのデーモン設定、実行について理解できる。
7週 DHCPサーバー機能について解説する。
無線LANルータの諸機能(ポートフォワーディング、MACアドレスフィルタリングなど)について解説する。
DHCPサーバー機能について理解できる。
無線LANルータの諸機能(ポートフォワーディング、MACアドレスフィルタリングなど)について理解できる。
8週 中間試験 中間試験
4thQ
9週 ネットワークストレージ。NASとファイルサーバについて解説する。
ファイルシステムと外部ストレージのマウントについて解説する。
ネットワークストレージ。NASとファイルサーバについて理解できる。
ファイルシステムと外部ストレージのマウントについて理解できる。
10週 Sambaの設定方法について解説する。
クライアントーサーバー間の接続、ファイル共有について解説する。
Sambaの設定方法について解説する。
クライアントーサーバー間の接続、ファイル共有について理解できる。
11週 Web.サーバーの構築。
Apache2の設定について解説する。
Web.サーバーの構築。
Apache2の設定について理解できる。
12週 ネットワークセキュリティ -1
DHCPと自動/固定設定、ACL(アクセス制御リスト)について解説する。
ネットワークセキュリティ -1
DHCPと自動/固定設定、ACL(アクセス制御リスト)について理解できる。
13週 ネットワークセキュリティ -2
ファイアウォール ufw の設定について解説する。認証サーバーRADIUS/LDAPについて解説する。
ネットワークセキュリティ -2
ファイアウォール ufw の設定について解説する。認証サーバーRADIUS/LDAPについて理解できる。
14週 近距離無線通信。
Bluetooth(4.0 BLE)について解説する。
近距離無線通信。
Bluetooth(4.0 BLE)について理解できる。
15週 無線ネットワークとIoT
無線LAN, Bluetooth(LE)から LPWA(Low Power Wide Area)を用いたクラウドへのデータ転送について解説する。
無線ネットワークとIoT
無線LAN, Bluetooth(LE)から LPWA(Low Power Wide Area)を用いたクラウドへのデータ転送について理解できる。
16週 期末試験 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。4後1
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。4後1
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。4後1
インターネットの概念を説明できる。4後1,後13
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。4後1,後4,後5,後6
主要なサーバの構築方法を説明できる。4後9
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。4後6,後7
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。4後9
無線通信の仕組みと規格について説明できる。4後4,後15
有線通信の仕組みと規格について説明できる。4後4
SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。4後4,後11
基本的なルーティング技術について説明できる。4後10,後11
基本的なフィルタリング技術について説明できる。4後10,後11
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後1
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後1
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後1,後12,後13
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後1,後12,後13
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後1,後12,後13
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後1
複数の情報を整理・構造化できる。3後1
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3後1

評価割合

試験提出課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000