到達目標
(1)静磁界として、ビオ・サバールの法則、アンペアの周回積分の法則を学ぶ。
(2)磁性体について応用を含めて学ぶ。
(3)自己インダクタンスの計算ができるようになる。
(4)ファラデーの電磁誘導の法則とローレンツ力を理解する。
(5)Maxwellの電磁方程式として電気磁気学の体系を身につけ、物理現象と方程式の対応を理解すると共に波動方程式を導出出来るようになる。
(6)電気磁気学Iで学んだ内容も含めて演習問題として宿題を行なうことにより、自立した学習態度と具体的な問題解決の能力を身につける。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 磁気に関する諸法則を理解し、詳しく説明することができる。 | 磁気に関する諸法則を理解し、説明することができる。 | 磁気に関する諸法則を理解し、説明することができない。 |
評価項目2 | Maxwell 方程式から導かれる諸性質について詳しく説明できる。 | Maxwell 方程式から導かれる諸性質について説明できる。 | Maxwell 方程式から導かれる諸性質について説明できない。 |
評価項目3 | 自立した学習態度と具体的な問題解決能力を大いに獲得する。 | 自立した学習態度と具体的な問題解決能力を獲得する。 | 自立した学習態度と具体的な問題解決能力を獲得しない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育目標 (D)
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学習・教育目標 (F)
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学習・教育目標 (H)
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教育方法等
概要:
電気磁気学Iで学んだ静電界の知識を基礎として、主として磁界について学習する。その後Maxwell方程式として電気磁気学の体系全体を身につけ、電磁波についても学ぶ。宿題により、電気磁気学全般の演習を行い、実践的な問題解決能力を身につける。また理解度確認のための小テストを実施する。宿題(400題程度)だけでは物足りない学生への参考文献(1000題程度):後藤憲一、山崎修一郎共著「詳解 電磁気学演習」共立出版
授業の進め方・方法:
講義により内容を説明し、最後に小テストを行う。毎回、自宅学習課題が与えられ、1年間で3年、4年すべてを含めた電気磁気学の演習をやり遂げる。また小テストの結果が芳しくない場合は別途課題が与えられる。
注意点:
本講義は能動的な姿勢が欠かせない。わからないところは授業中に質問することが不可欠である。毎回出される課題は必ず期限までに提出しなければならない。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ビオ・サバールの法則
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電流によってできる磁束密度の計算法を身につける。
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2週 |
アンペアの周回積分の法則とヘルムホルツコイル
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アンペアの周回積分の法則を学び、この法則を用いた磁束密度の計算法を身につける。また、ヘルムホルツについて定量的に理解する。
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3週 |
ベクトルの回転(rot の導入)、ストークスの定理
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ベクトルの回転の概念を学び、ストークスの定理について学ぶ。またこれを用いてアンペアの周回積分の法則の微分形を導く。
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4週 |
ベクトルポテンシャルとゲージ問題
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電場のスカラーポテンシャルと対応させながら磁束密度に対するポテンシャルであるベクトルポテンシャルについて学ぶ。またゲージ問題についても学ぶ。
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5週 |
電流密度とベクトルポテンシャルの関係、ベクトルポテンシャルの求め方 |
ベクトルポテンシャルの概念を把握するために、具体的な事例を学ぶ。
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6週 |
ローレンツ力
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磁場中を運動する荷電粒子にかかる力であるローレンツ力について学び、磁場内に置かれた電線にかかる力を計算できる。この応用としてモータの基礎を学ぶ。
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7週 |
電流ループのトルク、ホール効果
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電流ループのトルクについて定式化する。またホール効果について学ぶ。
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8週 |
中間試験
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60点を取得する。
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2ndQ |
9週 |
磁束密度と磁化と磁界
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磁化の概念を導入し磁界を定義する。
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10週 |
境界条件、磁性体
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磁束密度と磁界の境界条件を学ぶ。また磁界と磁束密度と磁化の関係について、誘電体と対比させながらその概念を再確認する。
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11週 |
磁性体の分類
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5種類の磁性体についてその性質を学ぶ。
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12週 |
反磁性の起源、磁化曲線とヒステリシス損
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反磁性の起源を定量的に学ぶ。また磁化曲線の性質を学びヒステリシスについて知る。
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13週 |
磁極に対するクーロンの法則、永久磁石と磁気回路
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磁極に対して電荷と同様なクーロンの法則が成り立つことを学ぶ。
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14週 |
電磁石が鉄を吸引する力
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永久磁石の特性と磁気回路の理論について学ぶ。また電磁石が鉄片を吸引する力を計算する方法を身につける。
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15週 |
各座標系におけるdiv、rot、grad及びラプラシアン
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円筒座標、極座標におけるdiv、rot、grad及びラプラシアンを導出する。
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16週 |
期末試験
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60点を取得する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
自己インダクタンスとその算出法
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磁束、磁界エネルギーについて学ぶ。自己インダクタンスの定義を理解し、その算出法を身につける。
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2週 |
内部インダクタンスとエネルギー
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内部インダクタンスの計算を行う。また磁場のエネルギーについて学ぶ。
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3週 |
相互インダクタンス、ノイマンの式
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相互インダクタンスの概念について学び、結合係数の定義を知る。また、具体的な計算例について学ぶ。さらにノイマンの式について知る。
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4週 |
ノイマンの式の具体例、エネルギーの一般論
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ノイマンの式を用いた計算の具体例を学び、磁気エネルギーの一般論について学ぶ。
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5週 |
ファラデーの電磁誘導の法則
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ファラデーの電磁誘導の法則について積分形と微分形について学ぶ。また、コイルに蓄えられるエネルギーについて計算する。
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6週 |
単極誘導、ベータトロン、導体内の電流
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単極誘導における発生電圧の計算法を学ぶ。またベータトロンの原理について知る。また導体内の電流について学ぶ。
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7週 |
導体内の電流分布と表皮効果
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導体内の交流に対する電流分布について学び、表皮効果について定量的に学ぶ。
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8週 |
中間試験
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60点を取得する。
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4thQ |
9週 |
Maxwell 方程式の積分形と微分形、変位電流、電荷保存則
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マックスウエルの考えた変位電流の概念について学び、4つの方程式の積分形から微分形を導き出す。また、これらから電荷保存則を導く。またプラズマ振動について学ぶ。
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10週 |
Maxwell 方程式のポテンシャル表現、遅延ポテンシャルとヘルツベクトル
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時間に依存する場合のポテンシャルを考え、このポテンシャルを用いてマックスウエルの方程式を表す。同時にローレンツゲージについて学ぶ。遅延ポテンシャルとヘルツベクトルについて知る。
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11週 |
Maxwell 電磁方程式と電磁波
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マックスウエルの方程式から電磁波の満たす波動方程式を導出する。その解を求めるのに、平面波と球面波について学ぶ。
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12週 |
電磁波の性質
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マックスウエルの方程式から電磁波の持つべき性質を導出する。電界と磁界のエネルギー密度が等しいこと、輻射インピーダンスについて学ぶ。
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13週 |
ポインティングベクトル
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ポインティングベクトルの定義とその物理的意味を学ぶ。
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14週 |
誘電損失と電磁波の偏波面
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誘電損失について定量的に学ぶ。また電磁波の偏波面について学び、平面波と円偏波について知る。
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15週 |
媒質中の電磁波
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有限の抵抗を持つ媒質中での電磁波の伝播について、定量的に学ぶ。
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16週 |
期末試験
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60点を取得する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |