アクティブラーニング入門

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 アクティブラーニング入門
科目番号 0010 科目区分 一般 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 都市システム工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 『学習設計マニュアル』(北大路書房)
担当教員 竹岡 篤永

到達目標

1)高専(高等教育機関)で必要とされる自律的な学び方を実践することができる。
2)協同学習の基本技法を学び、それをいくつか実践することができる。
3)授業時間外に自主的な学習することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自分自身の学習スタイル・特徴に基づいて、自分にふさわしい自律的な学び方がどういうものであるかを説明できる。自分自身の学習スタイル・特徴を判定でき、学んだ範囲の自律的な学び方について説明できる。学習スタイル・特徴、自律的な学び方を説明できない。
評価項目2自分自身の学習スタイル・特徴に基づいて、自分にふさわしい学び方を実践できる。自分にふさわしい学び方を実践できる。自分にふさわしい学び方を実践できない。
評価項目3学んだ範囲の協同学習の基本技法について、それぞれの特徴を挙げながら説明ができる。いくつかの協同学習の基本技法の説明ができる。協同学習の基本技法の説明できない。
評価項目4学んだ範囲の協同学習の基本技法をすべて実践できる。学んだ範囲の協同学習の基本技法をいくつか実践できる。協同学習の基本技法を実践できない。
評価項目5副学習教材について、授業時間外に自主的な学習を進めることができ、合格基準に達することができた。副学習教材について、促しに応じて学習を進めることができ、合格基準に達することができた。副学習教材について、学習を進めることができず、合格基準に達することができなかった。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (E) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
高等教育機関(高専)で身につけるべき力の一つに、自ら課題を設定し、それにふさわしい解を見つけ出すというものがあります。これは21世紀を生きるすべての人に必要な力です。高専に入学されたみなさんは、なるべく早いうちからこのような力をつけるための学び方を身につけていくことが求められています。この科目では、これまでに身に付けてきた「勉強」ではなく、自ら主体的、自律的に「学ぶ」方法を学びます。また、仲間と協力しながら、課題発見・解決のプロセスを学びます。
授業の進め方・方法:
テキストに基づいて、さまざまな学び方の技法を学びます。ほんとうに学べているのか、クイズや練習問題で確かめ、それらの学びを自分でどう実践していくのかを整理して書いてもらいます。また、グループワークによって、学びを確かめる機会も設けています。
注意点:
1)ほぼ毎回、パソコンなどのICT機器を使います。キーボード操作に慣れていない人は、早めにキーボード操作に慣れる練習を自主的に行う必要があります。(毎回の学びを確認・整理するために、ポートフォリオを、また、理解度を確認するためにクイズフォームを使用します。)
2)授業の他に、学び方を学ぶ副教材学習があります。試験の振り返り方、ノートの取り方、時事問題を読み方、実用文の書き方などをホームルームの時間や、eラーニングで実施する予定です。これらの活動への取り組みも評価の対象とします。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 この科目で何を学ぶか?
自分を取り巻く学習環境を知る
『学習設計マニュアル』
科目の目標を説明できる。
学びをデザインすることの必要性を説明できる。
2週 合宿研修 これからともに学ぶ仲間と知り合い、高専生活の目標を立てることができる。
3週 学習スタイルを把握する
『学習設計マニュアル』
学習スタイルの違いについて説明できる。自分にあった学習スタイルを説明できる。
4週 学び方を振り返る
『学習設計マニュアル』
メタ認知について説明できる。自分の学び方の特徴に基づいて振り返りを実践できる。
5週 失敗に強くなる
『学習設計マニュアル』
失敗から学ぶ方法を説明できる。自律的援助を活用した学びが実践できる。
6週 時間を管理する
『学習設計マニュアル』
タイムマネジメントの方法を例示できる。締め切りとできばえを意識した時間管理ができる。
7週 学習意欲を高める
『学習設計マニュアル』
自らが抱えている学習意欲の問題について説明できる。学習意欲を高めることができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 学び合う下地を作る
『学習設計マニュアル』
学びの場で予測される多様性について説明できる。傾聴・アサーティブが実践できる。
10週 意見を出し合い整理する
『学習設計マニュアル』
協同学習の技法を実践し、説明できる。ブレーンストーミング、KJ法の練習が実践できる。
11週 仲間と力を合わせる
『学習設計マニュアル』
協同学習の重要性を説明できる。協同学習のグランドルールを提案できる。
12週 協同学習の実践練習①
実践に役立つ学びにする
『学習設計マニュアル』
実践に役立つ学びの原則が説明できる。学びと関連したテーマのアイデアを挙げることができる。
13週 協同学習の実践練習②
テーマを決める
テーマを決め、調査すべき事柄を明確にすることができる。
14週 協同学習の実践練習③
テーマに沿って調べ、考えたことを発表する
決めたテーマに沿って調べたこと、考えたことを発表し、意見を述べたり、意見を聞いたりできる。
15週 これからの学びを想像する
『学習設計マニュアル』
21世紀型スキルについて説明できる。これからの自分の学びを設計できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。1
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。2
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ副学習合計
総合評価割合6001002010100
基礎的能力000001010
専門的能力0000000
分野横断的能力60010020090