到達目標
1.幕末維新期以降の近代日本の歴史の基本的な事柄を、世界史的背景と関連付けて総合的に理解し、その知識を身に付ける。
2.単なる暗記として歴史を理解するのではなく、歴史的事実や現象を史料にもとづいて考え、過去の人々が直面した様々な選択肢の中から特定の道が選ばれた原因を考え、個々の歴史的事実のつながりを捉える思考力を身に付ける。
3.公共圏に溢れかえっている歴史表象の内容の真偽を冷静に判断する能力を養う。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 世界史的背景を踏まえて、近代日本の歴史における政治・経済の基本的事柄を把握している。 | 世界史的背景をある程度踏まえて、近代日本の歴史における政治・経済の基本的事柄を把握している。 | 世界史的背景への目配りが不十分な上に、近代日本の歴史における政治・経済の基本的事柄を把握できていない。 |
評価項目2 | ある歴史的事象について、その形成・展開のプロセスやメカニズムを史料に基づいて考察できる。 | ある歴史的事象について、その形成・展開のプロセスやメカニズムを不完全ながらも史料に基づいて考察できる。 | 史料から歴史的事象を考察することについての理解ができていない。 |
評価項目3 | 身の回りの歴史に関する言説について、発信者の見解を批判的に検討・分析できる。 | 身の回りの歴史に関する言説について、発信者の見解を不十分ながらも批判的に検討・分析する。 | 身の回りの歴史に関する言説について、発信者の見解を無批判に受け入れてしまう。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 (C)
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学習・教育到達度目標 (H)
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教育方法等
概要:
本科目では、幕末維新期以降の日本近代史の流れについて、政治・経済を中心に学習します。また、近年の歴史認識をめぐる問題についても理解を深めるため、史料を使って歴史的事象を捉え直すことも学習します。
授業の進め方・方法:
板書・教科書・図録・配布資料などを用いて講義を中心に授業を進めます。
注意点:
暗記物というイメージのつきまとう歴史学習ですが、授業では様々な出来事の因果関係を理解することに重点を置きます。授業計画は下記の通りですが、若干の前後や変更もあります。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス・序論(1)-「近代主義」を捉えなおす- |
そもそも「近代」とは何か。「前近代」との違いも含めて、その特徴を理解する。
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2週 |
序論(2)-ポスト3.11社会を考える- |
未曾有の大災害となった東日本大震災。その直後から声高に叫ばれた政界や知識人の言説の問題点を理解する。
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3週 |
日本の近世社会とその動揺 |
近世社会の構造を理解するとともに、その構造の「揺らぎ」が何に起因したのかを理解する。
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4週 |
開国と明治維新(1) |
開国が日本社会にもたらした影響を踏まえ、江戸幕府滅亡から明治政府成立までの流れを理解する。
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5週 |
開国と明治維新(2) |
同上。
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6週 |
開国と明治維新(3) |
同上。
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7週 |
地租改正と明治初期の外交 |
急激な中央集権化に伴う税制改革としての地租改正の意味を理解する。また、明治初期の外交政策の目的を国内の状況と合わせて理解する。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
自由民権運動の展開 |
自由民権運動が目指したものは何か。政府と民権派を軸に19世紀後半の国内政治の課題を理解する。
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10週 |
松方財政と立憲制への動き |
インフレ・デフレ発生のメカニズムと、立憲制というシステムの特徴を理解する。
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11週 |
憲法制定と立憲政治の展開 |
大日本帝国憲法の内容を理解し、立憲政治が目指したものを考える。
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12週 |
条約改正と日清戦争 |
明治政府における条約改正交渉の意義と、開国後30年もたたずに対外戦争が起きた理由を考える。
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13週 |
立憲政友会の成立と日露戦争 |
日露戦争発生の原因を理解する。同時に当該期の明治政府と政党の関係について理解する。
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14週 |
近代産業の発達と社会運動 |
技術の発達がもたらした産業構造の変化と、それがもたらした社会問題、さらにその克服を目指した社会運動の連鎖的関係を理解する。
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15週 |
日露戦後社会と第一次世界大戦 |
日露戦後の国際社会において日本がどのように認知されたかを理解する。また、第一次世界大戦の特徴と日本への影響を理解する。
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16週 |
期末試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
政党政治の展開とワシントン体制 |
第一次世界大戦後の国際社会のあり方を踏まえて、当該期の日本の政治を理解する。
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2週 |
災害の歴史(関東大震災) |
現在も頻発する災害が人間や社会にもたらすものは何かを考える。
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3週 |
恐慌の時代と第二次護憲運動 |
日本をおそった相次ぐ恐慌の原因をおさえた上で、その対応策と国民の反応を理解する。
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4週 |
世界恐慌と満州事変 |
世界恐慌の原因と諸外国への影響、満州に対する日本国内の考え方を総合的に理解する。
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5週 |
政党政治の終焉と日中戦争 |
国民に望まれたはずの政党政治が終焉した理由を考えるとともに、日中戦争へ向かう流れを理解する。
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6週 |
第二次世界大戦と太平洋戦争(1) |
資本主義・社会主義・ファシズムというイデオロギーの対立を踏まえた上で、人類史上最大の戦争となった第二次世界大戦の流れを理解する。
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7週 |
第二次世界大戦と太平洋戦争(2) |
同上。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
戦後の世界秩序と占領下の日本 |
戦後の世界秩序を理解するとともに、米軍統治下にあった沖縄の問題を考える。
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10週 |
冷戦の開始と講和 |
資本主義陣営と社会主義陣営の対立構造と、その中における日本の立ち位置を理解する。
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11週 |
55年体制と安保法制 |
冷戦構造の日本型縮図である「55年体制」を理解するとともに、現在も議論が続く日本の安全保障の問題について考える。
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12週 |
高度経済成長期の経済と社会 |
敗戦後の日本の経済的成功の裏側にも焦点をあて、当該期の光と影を理解する。
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13週 |
冷戦の終結と日本 |
資本主義陣営勝利の理由をおさえた上で、1980年代~90年代の日本社会を考える。
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14週 |
現代の日本を考える(1) |
これまでの授業を振り返りながら、われわれが生きている時代や社会とは何かを考える。
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15週 |
現代の日本を考える(2) |
同上。
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16週 |
期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。 | 2 | |
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。 | 3 | |
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。 | 3 | |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 3 | |
公民的分野 | 自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。 | 2 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 1 | |
評価割合
| 筆記試験 | 提出課題 | 相互評価 | 授業態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 20 | 0 | 10 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 70 | 20 | 0 | 10 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |