概要:
簡単な構造物の設計計算と,CAD,ワープロソフトによる製図方法を学び,その図面や設計計算書を作成することによって,土木構造物の設計および製図の能力を養う.本科目は,橋梁メーカーで鋼橋,鋼構造物の設計に従事していた教員が,その経験を活かし,簡単な構造物の設計計算やCADソフトを用いた図面の作画方法について演習形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
講義形式で簡単な構造物の設計計算方法,CADソフトの使用方法とワープロソフトを用いた図の書き方,計算書のまとめ方について説明する.説明を受けた後に実習として各自が設計計算,設計計算書の取り纏めやCADによる製図を行う.
注意点:
身の回りの橋梁等の土木構造物の構造,形等を興味を持って観察すること.
本科目は,授業で保証する学習時間と,予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/4以上の欠課
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
鋼I形断面桁の設計1 |
与えられた計算式を用いて,集中荷重の作用する単純桁の支点反力と曲げモーメント,せん断力の最大値が計算できる.
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2週 |
鋼I形断面桁の設計2 |
与えられた計算式と計算方法に従って,I形断面桁の断面積や図心軸回りの断面二次モーメントが計算できる.
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3週 |
鋼I形断面桁の設計3 |
与えられた計算式を用いて,I形断面桁に集中荷重によって生ずる曲げ応力とせん断応力が計算できる.
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4週 |
鋼I形断面桁の設計4 |
与えられた条件に従って計算した結果を設計計算書に取りまとめることができる
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5週 |
鋼I形断面桁の設計5 |
与えられた条件に従って計算した結果を設計計算書に取りまとめることができる
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6週 |
製図の概要 |
線と文字の種類,手描き製図による場合の線分の等分法,投影法の分類や正投影法,図面の大きさと配置,寸法に関する規約とその記入法について理解できる.
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7週 |
鋼桁のたわみの照査1 |
与えられた計算式を用いて,集中荷重の作用する単純桁のたわみやたわみ角が計算できる. 与えられた計算式を用いて,たわみ制限を計算し,たわみの照査ができる.
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8週 |
鋼桁のたわみの照査2 |
与えられた条件に従って計算した結果を設計計算書に取りまとめることができる
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2ndQ |
9週 |
CADソフトの概要,引張力を受ける鋼板の断面計算 |
CADソフト作画機能,図形や線の削除,移動,複製方法,操作の取り消し,画面の操作,文字や寸法の記入方法のあらましが理解できる,与えられた設計条件に従って,引張力を受ける部材の板幅を計算できる.
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10週 |
CAD実習1(鋼桁のたわみ照査3) |
CADソフトの起動と終了,ファイルの保存とオープンができる.同ソフトを使用して,図面の用紙サイズ,縮尺の設定と輪郭線が作図できる.また,文字編集機能を使用して,図面のタイトルを記入できる.
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11週 |
CAD実習2(鋼桁のたわみ照査4) |
CADソフトを使用して,下書き画層上の下書線を使用して,作画層に構造体の外形を描くことができる.
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12週 |
CAD実習3(鋼桁のたわみ照査5) |
CADソフトを使用して,寸法線を記入と作図した図面を印刷することができる.
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13週 |
鋼桁のたわみ照査3(CAD実習1) |
Excel等の表計算ソフトを使用して,与えられた条件に従って,集中荷重を受ける単純桁のたわみ曲線とたわみ角分布式を求めることができる.
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14週 |
鋼桁のたわみ照査4(CAD実習2) |
Excel等の表計算ソフトを使用して,集中荷重を受ける単純桁のたわみ曲線やたわみ角分布を図化することができる.また,与えられた式を用いて,指定された点のたわみやたわみ角を計算することができる.
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15週 |
鋼桁のたわみ照査5(CAD実習3) |
与えられた式を用いてたわみ照査ができる.また,既存のファイルを再編集して,設計計算結果を取りまとめた設計計算書を作成することができる.
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16週 |
期末試験実施せず |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 1 | 前2 |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 1 | 前2,前3 |
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 3 | 前1 |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 2 | 前3 |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 2 | 前3 |
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。 | 1 | 前7 |
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。 | 1 | 前1 |
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。 | 1 | 前3 |
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。 | 1 | 前4,前5 |
製図 | 線と文字の種類を説明できる。 | 3 | 前6 |
平面図形と投影図の描き方について、説明できる。 | 4 | 前6 |
CADソフトウェアの機能を説明できる。 | 4 | 前9,前10,前11,前12 |
図形要素の作成と修正について、説明できる。 | 4 | 前9,前10,前11,前12 |
画層の管理を説明できる。 | 4 | 前10,前11 |
図の配置、尺度、表題欄、寸法と寸法線の規約について、説明できる。 | 4 | 前6 |
与えられた条件を基に設計計算ができる。 | 3 | 前2,前4,前5,前8,前9,前13,前14,前15 |
設計した物をCADソフトで描くことができる。 | 4 | 前10,前12 |