概要:
構造力学は、構造物が受ける力を知ることは安全に設計するための基礎となる重要な学問である。構造力学Ⅰではつり合い式から支点反力、断面力等を求めたが、ここでは、つり合い式以外の方法(たわみ角法やエネルギー法等)を用い、はりのたわみや不静定構造の断面力等を求める。日頃より計算力を高めておくこと。黒板に重要なことを書くので、しっかり板書すること、わからないところはあきらてすぐに聞くのではなく、自ら考え、調べた結果をそろえてから、聞きに来ること。
授業の進め方・方法:
教科書,板書を中心に講義を行う。
注意点:
数学を理解していること。授業ではしっかり板書し、演習中にわからないところは、その時間内に理解できるよう質問をすること。自宅での復習を行い、試験直前に覚えるような勉強をしないこと。 なお、本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習および課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
静定ラーメンの断面力,不静定ラーメンの断面力を求めるため、たわみ角法の理論を理解する |
静定ラーメンの断面力を求めるとともに,たわみ角法の理論を理解する.
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2週 |
不静定ラーメンの断面力を求めるため、たわみ角法の理論を理解し、それを用い、部材回転が発生しない場合のラーメン構造の断面力を求め方を学ぶ。 |
たわみ角法を用い,部材回転角を有しない不静定ラーメンの断面力を求めることができる.
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3週 |
部材回転角を有するラーメンの断面力を求めるために層方程式を用いた解法を学ぶとともに、そのラーメン構造の断面力を求める |
たわみ角法を用い,部材回転角を有する不静定ラーメンの断面力を求めることができる.
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4週 |
弾性体内の応力状態をモール円で表し、部材に作用する主応力の求め方を学ぶ |
弾性体内の応力状態を求めることができる.
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5週 |
外力によって構造物に与えられるエネルギーに着目し、つり合い条件と適合条件より求める構造物の解析方法を学ぶ |
エネルギーに着目し,つり合い条件と適合条件より解析できる.
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6週 |
相反作用の定理を学ぶ。また、単位荷重法を理解し、はりのたわみ、たわみ角を求める方法を学ぶ |
単位荷重法を理解し、はりのたわみ、たわみ角を計算することができる.
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7週 |
カスティリアーノの第2定理を理解し、たわみ、たわみ角を求める |
カスティリアーノの第2定理を理解し、たわみ、たわみ角を計算することができる.
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8週 |
中間試験 中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
最小仕事の原理を理解し、1次不静定構造の断面力を求める方法を学ぶ |
最小仕事の原理を理解し、1次不静定構造の断面力を計算できる.
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10週 |
1次不静定構造の計算ができ、次に2次不静定構造の断面力を求める方法を学ぶ |
2次不静定構造の断面力を計算することができる.
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11週 |
弾性方程式を理解し、不静定構造の断面力を求める方法を学ぶ |
弾性方程式を理解し、不静定構造の断面力を計算することができる.
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12週 |
単純・片持ばりの断面力、たわみおよびたわみ角を求める際の最適な解法を演習問題を通じ学ぶ |
はりの断面力、たわみおよびたわみ角を求める際の最適な解法を選び,計算することができる.
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13週 |
ゲルバーばりの断面力、たわみおよびたわみ角を求める際の最適な解法を演習問題を通じ学ぶ |
ゲルバーばりの断面力、たわみおよびたわみ角を求める際の最適な解法を選び,計算することができる.
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14週 |
ゲルバーばりの影響線を求める方法を理解する |
ゲルバーばりの影響線を描くことができる.
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15週 |
様々なゲルバーばりの影響線を求める |
ゲルバーばりの影響線を描くことができる.
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16週 |
期末試験
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 4 | 前1 |
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。 | 4 | 前1 |
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。 | 4 | 前1 |
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。 | 4 | 前1,前14,前15 |
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。 | 4 | 前1,前14,前15 |
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。 | 4 | 前1 |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 4 | 前4 |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 4 | 前4 |
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。 | 4 | 前12,前13 |
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。 | 4 | 前5,前6,前7 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 4 | 前2,前3,前9,前10,前11 |
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。 | 4 | 前2,前9,前10,前11 |
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前9,前10,前11 |