概要:
構造力学,構造物の設計,衛生工学,環境工学などに関する実験実習を行う.実験はクラスをA,Bの2班に分けて実施する.前半はA班が環境衛生実験,B班が構造実験を実施し,後半はA班が構造実験,B班が環境衛生実験を実施する.
授業の進め方・方法:
A,B班をさらにグループに分けて実験を行う.実験終了後は実験方法,結果や考察を取り纏めたレポートを提出させる.実験以外にも溶接実習や土木関係の施設,工場や現場見学を行い,社会基盤に関連する事業やものつくりを体験学習させる
注意点:
実験課題に対して自ら目標を設定し,資料収集,実験実習等を通して実験手法を学び,自主的に問題を解決する姿勢が重要である.実験の様子や計測結果はすぐに記録し,実験レポートは指定する期限までに提出すること.実験に適した服装(実習服など)・靴(運動靴)で臨むこと.
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/5以上の欠課
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
実験の概要説明
|
衛生実験と構造実験の進め方,実験内容および実験レポートの提出方法等について説明する.
|
2週 |
(A班)水質基本項目の測定,(B班)単純ばりの移動荷重による支点反力の計測
|
基本項目の測定を行う。
|
3週 |
(A班)BOD・COD試験準備(B班) 3点曲げ試験による型紙等の弾性係数の推定とI形断面ばり製作
|
基本項目の測定を行うともにBOD・COD試験のための試薬の準備を行う.
|
4週 |
(A班)BOD試験,(B班)I形断面ばりの4点曲げ試験
|
境水中の有機物の指標であるBODを測定を測定する.
|
5週 |
(A班)COD試験,(B班)I形断面ばりの4点曲げ試験
|
境水中の有機物の指標であるCODを測定を測定する.
|
6週 |
(A班)ガラス体積計による定量採取と精度測定,(B班)曲げを受けるH形鋼ばりのひずみ計測
|
メスピペット,ビュレット,ビーカーなどのガラス体積計の精度を測定し,JIS規格の要求を満たしているかを確かめる.
|
7週 |
溶接実験実習
|
アーク溶接についての基本的事項について学習し、軟鋼を使用して運棒、余盛りなどの実習実験を行う。
|
8週 |
|
.
|
4thQ |
9週 |
(A班)単純ばりの移動荷重による支点反力の計測,(B班)水質基本項目の測定
|
単純ばり試験体の軸方向に,集中荷重を一定間隔で移動載荷し,支点反力の変化を計測する.試験結果を理論的に得られる影響線と比較し,考察する.
|
10週 |
(A班) 3点曲げ試験による型紙等の弾性係数の推定とI形断面ばり製作,(B班)BOD・COD試験準備
|
型紙やアクリル板から切り出した短冊状試験片を用いた3点曲げ試験により,各々の弾性係数を推定する.また,それらを用いてI形断面ばり試験体を製作する.
|
11週 |
(A班)I形断面ばりの4点曲げ試験,(B班)BOD試験
|
型紙やアクリル板を用いて製作したI形断面ばり試験体を使用した4点曲げ載荷試験を実施し,たわみを計測する.理論的に得られるたわみ曲線と計測結果を比較,考察する.
|
12週 |
(A班)I形断面ばりの4点曲げ試験,(B班)COD試験
|
型紙やアクリル板を用いて製作したI形断面ばり試験体を使用した4点曲げ載荷試験を実施し,たわみを計測する.理論的に得られるたわみ曲線と計測結果を比較,考察する.
|
13週 |
(A班)曲げを受けるH形鋼ばりのひずみ計測,(B班)ガラス体積計による定量採取と精度測定
|
H形鋼からなる単純ばりに4点曲げ載荷試験を実施し,等曲げ区間のひずみを計測することにより曲げモーメントを推定する.同推定値と理論的に得られる曲げモーメントを比較,考察する.
|
14週 |
実験結果・考察の補足説明
|
実験結果や考察の補足説明とふりかえりを行う.
|
15週 |
工事現場や施設等の見学
|
近隣の土木構造物の建設,補修・補強工事現場,製鉄所,土木構造物関連の製作工場または上下水道施設の見学を行う.
|
16週 |
期末試験実施せず
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 4 | |
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。 | 4 | |
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 4 | |
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。 | 4 | |
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。 | 2 | |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 4 | |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 4 | |
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。 | 4 | |
環境 | 水の物性、水の循環を説明できる。 | 3 | |
水質指標を説明できる。 | 4 | |
水質汚濁の現状を説明できる。 | 3 | |
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。 | 3 | |
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。 | 4 | |
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。 | 3 | |
物質循環と微生物の関係を説明できる。 | 4 | |
浄水の単位操作(凝集、沈澱凝集、濾過、殺菌等)を説明できる。 | 2 | |
汚泥処理・処分について、説明できる。 | 2 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野【実験・実習能力】 | 建設系【実験実習】 | DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。 | 4 | |
pHに関する実験について理解し、実験ができる。 | 4 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |