1) 社会資本が社会や自然に及ぼす影響・責任を理解するとともに、人々の幸福で快適な生活を保障し、かつ良好な都市環境を整備・保全するために何が必要かを考えることができる。
2) システムズアプローチを援用した循環的手順により計画を検討する基本的な方法を会得し、社会資本の色々な分野の計画設計に応用できる。
3) 費用便益分析を理解し、説明することができる。
4) 各種の最適化手法を理解し、説明することができる。
概要:
この科目は、民間シンクタンクに在籍し、都市・地域計画および経済分析を担当していた教員が、社会資本を計画設計する上での目標・目的・主体・対象・手段・環境条件などを解説するとともに、システムズアプローチによる循環手順を援用した計画の基本的な考え方を理解させる。
また、費用便益分析や産業連関分析を解説し、社会資本整備が地域経済に及ぼす影響評価を理解させる。
授業の進め方・方法:
教科書に基づいた講義を行う。
成績評価は、学習成果の達成度を、2回の定期試験(70%)、演習レポート課題(20%)、質疑応答などの授業への取り組み状況(10%)から総合して行い、60%以上達成したものを合格とする。
注意点:
計画学の基本的な考え方を理解し、演習を通して確実に自分のものとしていく。演習などを通して、社会現象のモデル化の基本的な考え方や結果の解釈法を修得する。合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
講義の全体概要の説明、社会資本とその特質 都市システム工学が作用する自然空間と人間社会の相互依存関係を解説し、公共財としての社会資本の特質を列挙説明する。 |
都市システム工学が作用する自然空間と人間社会の相互依存関係を解説し、公共財としての社会資本の特質を列挙説明することができる。
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2週 |
市場メカニズムと社会資本の必要性 市場メカニズムの機能とその成立条件を確認し、公共事業による社会資本整備の妥当性を検討する。 |
市場メカニズムの機能とその成立条件を確認し、公共事業による社会資本整備の妥当性を検討することができる。
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3週 |
計画のシステムズアプローチ 計画の動機から計画決定に至るまでのシステムズアプローチの考え方と方法を講義する。 |
計画の動機から計画決定に至るまでのシステムズアプローチの考え方と方法を説明することができる。
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4週 |
インパクトスタディー 社会資本が都市空間に波及する効果を分類整理し、効果計測の考え方と方法を講義する。 |
社会資本が都市空間に波及する効果を分類整理し、効果計測の考え方と方法を説明することができる。
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5週 |
費用便益分析 費用便益分析の考え方と、費用・便益・割引率などについて講義する。特に、価格と時間との関係から、ものの価値に対する概念を解説する。 |
費用便益分析の考え方と、費用・便益・割引率などについて説明することができる。
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6週 |
産業連関分析 I 社会資本整備が地域経済に循環波及する効果を産業連関分析で計測するために、投入係数・付加価値と雇用・中間需要・最終需要・公共投資などについて解説する。 |
産業連関分析で計測するために、投入係数・付加価値と雇用・中間需要・最終需要・公共投資などについて説明することができる。
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7週 |
産業連関分析 II 産業連関分析の方法を説明し、分析式の誘導と公共投資効果の算定の演習を行う。 |
産業連関分析の方法および分析式の誘導と公共投資効果の算定することができる。
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8週 |
中間試験
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験の返却、社会資本の整備 前期中間試験の返却と答え合わせ。最適な社会資本整備手法の考え方を講義する。 |
最適な社会資本整備手法の考え方を説明することができる。
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10週 |
待ち行列理論 I 客の到着とサービスからなる待ち行列システムを解説する。 |
待ち行列理論における客の到着とサービスからなる待ち行列システムを説明することができる。
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11週 |
待ち行列理論 II ランダムな現象がポアソン分布に従うことを理論的に誘導し、客の到着とサービスを同時に考えた待ち行列システムを定量化する。 |
待ち行列理論における客の到着とサービスを同時に考えた待ち行列システムを定量化することができる。
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12週 |
社会資本の最適整備 確率的に変動する需要に対して、最適なサービス手法の考え方を講義する。 |
確率的に変動する需要に対して、最適なサービス手法の考え方を説明することができる。
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13週 |
数理計画法 I 都市システムの目的関数と制約条件を解説し、線形計画問題の定式化・最適化・結果の解釈などについて講義する。ここでは、3年のシステム工学のシステム最適化をよく復習しておくこと。 |
目的関数と制約条件を理解し、線形計画問題の定式化・最適化・結果の解釈について説明することができる。
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14週 |
数理計画法 II 線形計画問題のシンプレックス解法を拡張し、さまざまなケースに適用する。演習問題を交えながら解説する。 |
線形計画問題のシンプレックス解法を拡張し、さまざまなケースに適用することができる。
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15週 |
総合演習 計画学の基本的な考え方の確認と、これまでに紹介した計画手法の復習。 |
これまで学んだ計画学の基本的な考え方や影響評価、最適化手法について総合的に説明することができる。
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16週 |
期末試験
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 計画 | 都市計画法と都市計画関連法の概要について、説明できる。 | 4 | 前1,前2,前5,前6,前7,前8,前9,前15,前16 |
都市計画区域の区域区分と用途地域について、説明できる。 | 4 | 前1,前2,前6,前7,前8,前9,前15,前16 |
土地区画整理事業を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前5,前8,前9,前15,前16 |
市街地開発・再開発事業を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前5,前8,前9,前15,前16 |
計画の意義と計画学の考え方を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16 |
線形計画法(図解法、シンプレックス法)を説明できる。 | 4 | 前3,前8,前9,前12,前13,前14,前15,前16 |
費用便益分析について考え方を説明でき、これに関する計算ができる。 | 4 | 前5,前6,前7,前8,前9,前15,前16 |