構造設計学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 構造設計学
科目番号 0098 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 長井正嗣:橋梁工学【第2版】,共立出版(テキスト),舘石和雄:土木・環境系コアテキストシリーズ B-4 鋼構造学,コロナ社(参考文献), 必要に応じてプリントを配布する.
担当教員 三好 崇夫

到達目標

(1) 鋼とコンクリートの特徴,土木分野における構造物について理解し,説明できる(D).
(2) 鋼橋の構成,部材名称や荷重伝達経路について理解し,説明できる(D).
(3) 構造物の主な設計法と設計基準類について理解し,説明できる(D).
(4) 道路橋の設計に用いる荷重について理解し,主桁の設計に用いる荷重とそれによる断面力の計算方法について,設計例を参照しながら計算を行うことができる.(D,F)
(5) コンクリート部材の設計手順を理解し,同部材について,設計例を参照しながら設計計算を行うことができる.(D,F)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鋼材とコンクリートそれぞれの特徴と土木分野の鋼構造物について十分に理解し,説明できる.鋼材とコンクリートそれぞれの特徴と土木分野の鋼構造物について理解し,説明できる.鋼材とコンクリートそれぞれの特徴と土木分野の鋼構造物についての理解や説明ができない.
評価項目2鋼橋の構成,部材名称や荷重伝達経路について十分に理解し,説明できる.鋼橋の構成,部材名称や荷重伝達経路について理解し,説明できる.鋼橋の構成,部材名称や荷重伝達経路についての理解や説明ができない.
評価項目3構造物の主な設計法と設計基準類について十分に理解し,説明できる.構造物の主な設計法と設計基準類について理解し,説明できる.構造物の主な設計法と設計基準類について理解や説明ができない.
評価項目4道路橋の設計に用いる荷重や,主桁の設計に用いる荷重とそれによる断面力の計算方法について十分に理解し,設計計算例を見なくとも設計できる.道路橋の設計に用いる荷重や,主桁の設計に用いる荷重とそれによる断面力の計算方法について理解し,設計計算例を見ながら設計できる.道路橋の設計に用いる荷重や,主桁の設計に用いる荷重とそれによる断面力の計算方法が理解できず,設計計算もできない.
評価項目5コンクリート部材の設計手順を十分に理解し,設計計算例を見なくとも設計できる.コンクリート部材の設計手順を理解し,設計計算例を見ながら設計できる.コンクリート部材の設計手順の理解や設計計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では,構造物の設計に必要な知識を習得するため,鋼構造物やコンクリート構造物の概要とともに,それらの設計法の概要を説明する.また,具体的な構造物の設計手順について理解するため,設計荷重の載荷方法と設計断面力の計算方法,RC床板の設計方法について説明するとともに設計計算を行う.
授業の進め方・方法:
本科目では講義形式により,構造物の概要,その主な設計法や設計基準類,代表的な土木構造物として鋼橋を取り上げ,その分類,構造形式やメカニズムについても説明する.荷重は構造物の設計に不可欠であるため,橋梁を対象として,設計に用いられる荷重や,影響線を用いたその載荷方法とそれを利用した設計断面力の計算方法について説明する.それらの理解度は,単純プレートガーダー橋の設計断面力の計算に関する設計課題と中間試験で確認する.また,代表的なコンクリート構造部として橋梁の床版を取り上げ,床版の構造や種類とともに具体的なその設計の流れについて順を追って説明する.その理解度を確認するため,RC床板の設計課題を課す.
注意点:
本講義では,構造力学,建設材料,コンクリート構造の授業で教授された内容が習得できていることを前提として授業を進める.設計計算に関するレポートや設計課題は,かなりの量があること,学習内容の理解度を深める効果が期待できるため,授業の進行に合わせて取り組んでいくこと.
本科目は,授業で保証する学習時間と,予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である.
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/4以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 構造物の概要
鋼材とコンクリートの素材として,構造物としての特徴,鋼構造物を中心として,その計画,設計,製作から架設,維持管理までの一連の流れについて学ぶ.
鋼とコンクリートの素材として,構造物としての長所と短所,鋼構造物の計画から維持管理にわたるまでの一連の流れについて理解できる.
2週 鋼橋の概要
構造物の代表として鋼橋を取り上げ,その分類と構造形式,そのメカニズムついて学ぶ.
鋼橋の様々な尺度による分類,構造形式とそのメカニズムについて理解できる.
3週 構造物の設計法
構造物の主な設計法と設計基準類について学ぶ.
構造物の設計に関する用語や各種設計法の特徴,我が国の土木分野における設計基準類について理解できる.
4週 設計荷重(1)
構造物として橋梁を対象に,設計に用いる荷重の種類,死荷重と活荷重,衝撃の影響について学ぶ.
動荷重と静荷重の差異,橋梁の設計に用いる死荷重と活荷重の特徴とその考え方,動的な効果の取り扱いについて理解できる.
5週 設計荷重(2)
 単純プレートガーダー橋を対象として,死荷重の計算方法,活荷重の影響線載荷方法について学ぶ.
影響線を用いた,等分布荷重や集中単純プレートガーダー橋を構成する部材の死荷重の計算方法,荷重による断面力や支点反力の計算方法について理解できる.
6週 設計荷重(3)
単純プレートガーダー橋を対象として,死荷重と活荷重による設計断面力の計算方法について学ぶ.
単純プレートガーダー橋の主桁の設計断面力を計算する場合について,影響線を使用した活荷重の載荷範囲の決定や,それによる具体的な断面力の計算方法について理解できる.
7週 設計荷重(4)
橋梁の設計における地震,風,温度変化の影響の考慮方法について学ぶ.
死荷重,活荷重以外に,橋梁を設計する場合に考慮しなければならない荷重として,地震力,風荷重や温度変化の取り扱いについて理解できる.
8週 中間試験
2ndQ
9週 RC床版の設計(1)
床版の構造,種類と基本的な設計の考え方について学ぶ.
各種床版の構造、種類と基本的な設計の考え方について理解できる.
10週 RC床版の設計(2)
床版支間の定義,床版厚の決定とコンクリートの曲げ圧縮応力度の制限値と鉄筋の引張応力度の制限値について学ぶ.
床版支間の定義、床版厚の決定とコンクリートの曲げ圧縮応力,鉄筋の引張応力の制限値について説明できる.
11週 RC床版の設計(3)
設計曲げモーメントと床板の配筋方法について学ぶ.
設計曲げモーメントと,支間部,支点部片持ち部における配筋方法について理解できる.
12週 RC床版の設計(4)
配筋の決定方法と床版の構造細目と限界状態について学ぶ.
鉄筋の曲げあげ,曲げ下げ,ハンチや桁端部の構造,照査時に考慮すべき限界状態について理解する.
13週 RC床版の設計(5)
床版の限界状態と配筋方法について学ぶ.
限界状態を満たさない場合の配筋修正方法,限界状態の照査方法について理解する.
14週 RC床板の設計(6)
各限界状態に対する照査方法について学ぶ.
各限界状態に対する照査方法について理解する.
15週 RC床版の設計(7)
RC床板の設計計算例を通じて,その設計方法について復習するとともに,具体的な設計計算方法について学ぶ.
RC床板の設計計算例を見ながら,設計方法や具体的な設計計算方法について説明できる.
16週 期末試験実施せず

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。4
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。4
構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。4
橋の構成、分類について、説明できる。4
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4
製図線と文字の種類を説明できる。4
与えられた条件を基に設計計算ができる。4

評価割合

定期試験設計課題授業中の質疑応答合計
総合評価割合404020100
専門的能力404020100