公共経済学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 公共経済学
科目番号 0101 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は使いませんが、講義の理解には以下の文献が参考になります。 上村敏之(2011)『公共経済学入門』、新世社。 中川雅之(2008)『公共経済学と都市政策』、日本評論社。 伊藤隆敏(2017)『公共政策入門』、日本評論社。
担当教員 酒井 裕規

到達目標

第1に、経済学的なものの考え方を理解する。第2に、経済学の基礎的なモデル(市場メカニズム)について理解する。第3に、市場の失敗のケースと政府の役割について理解する。第4に、公共投資の経済効果や問題点、今後の課題について理解する。 

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1公共経済学の社会経済における応用可能性について理解する。公共経済学の基礎を理解する。公共経済学が何かを理解できない。
評価項目2簡単な経済学モデルと使って、現実の経済の問題を論じることができる。簡単な経済モデルの意味が理解できる。簡単な経済モデルの意味が理解できない。
評価項目3日本の公共政策について理解し、その問題点、将来的な解決策について論じることができる。日本の公共政策についてその問題点や課題が理解できる。日本の公共政策の意味が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
近年、公共部門の運営方法に対し批判が多い。しかしながら、経済社会において、消費者や企業といった民間部門に加えて、政府などの公共部門の存在意義は大きい。とりわけ、都市計画や社会資本整備などの分野においては、公共部門は重要な役割を果たしている。本講義では、公共部門の役割や行動についてミクロ経済学的な視点から講義を行う。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で行う。講義期間中に数回のレポートを課す。
注意点:
公共経済学は公共セクターを主な分析対象とするので、都市システム工学を専攻する学生にとっては重要な科目である。経済学の基礎知識を学習したうえで公共政策について講義するので、積極的に講義に参加してもらいたい。本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。 
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション
 
よりよい社会を考えるための経済学的アプローチについて理解する。 
2週 経済主体の合理的行動 消費者および企業の合理的な行動について理解する。 
3週 市場経済Ⅰ:需要曲線と供給曲線 需要曲線と消費者余剰および供給曲線と生産者余剰の特徴について理解する。 
4週 市場経済Ⅱ:市場均衡と価格メカニズム
市場の価格メカニズムにより均衡が達成される様子を確認し、政府による価格政策が市場に与える影響を理解する。
5週 市場の失敗Ⅰ:外部性
市場の失敗のケースとして外部性を取り上げ、社会的に望ましい外部性の内部化について理解する。
6週 市場の失敗Ⅱ:公共財(1) 公共財ではなぜ市場が失敗するかを確認し、社会的に望ましい供給水準の求め方について理解する。
7週 市場の失敗Ⅲ:公共財(2)
地方政府が主な供給主体となる地方公共財および集団の意思決定について学ぶ
8週 中間試験 
第1週から第7週の内容について試験する. 
4thQ
9週 市場の失敗Ⅳ:自然独占
巨額の固定費用が必要となる公益事業においてなぜ市場が失敗するかを理解する。
10週 市場の失敗Ⅴ:不確実性 情報の非対称性がもたらす市場のゆがみについて理解する。
11週 公平性 経済学が格差や不平等の問題をどのように扱っているかを理解する。
12週 費用便益分析(1) 
道路や公共施設を整備するか否かを評価するための費用便益分析の方法について理解する。
13週 費用便益分析(2) 費用便益分析の実践および非市場財の便益計測手法について理解する。
14週 税と公債
公共施設整備の財源となる税および公債について理解する。
15週 公共投資と社会資本  社会資本の種類や社会資本整備の近年の動向について理解する。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理層流と乱流について、説明できる。4
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。4
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。4
各種の管路の流れが計算できる。4

評価割合

試験演習課題・小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力0000000
専門的能力90100000100
分野横断的能力0000000