水工水理学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 水工水理学
科目番号 0107 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 河川工学(川合・和田・神田・鈴木 共著:コロナ社)。参考資料をスライドで示すとともに、統計資料に関するプリントを配布する。
担当教員 神田 佳一

到達目標

 (1)技術が社会や河川や海岸、周辺流域に及ぼす影響・責任を理解するとともに、人々の幸福で快適な生活を保障し、かつ良好な河川環境を創造するために何が必要かを考え、説明することができる。
 (2)地形学、測量学、水文学、水理学、計画学等の関連科目の基礎知識を修得するとともに、それらを活用して河川・海岸の治水や利水計画について説明することができる。
 (3)参考資料の収集や演習問題を通して資料の収集法や工学的な問題発見の方法を学び、その解決法を見出すことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術が社会や河川や海岸、周辺流域に及ぼす影響・責任を理解するとともに、人々の幸福で快適な生活を保障し、かつ良好な河川環境を創造するために何が必要かを考え、丁寧に説明することができる。技術が社会や河川や海岸、周辺流域に及ぼす影響・責任を理解するとともに、人々の幸福で快適な生活を保障し、かつ良好な河川環境を創造するために何が必要かを考え、説明することができる。技術が社会や河川や海岸、周辺流域に及ぼす影響・責任を理解するとともに、人々の幸福で快適な生活を保障し、かつ良好な河川環境を創造するために何が必要かを考え、説明することができない。
評価項目2地形学、測量学、水文学、水理学、計画学等の関連科目の基礎知識を修得するとともに、それらを活用して河川・海岸の治水や利水計画の立案に応用することができる。地形学、測量学、水文学、水理学、計画学等の関連科目の基礎知識を修得するとともに、それらを活用して河川・海岸の治水や利水計画について説明することができる。地形学、測量学、水文学、水理学、計画学等の関連科目の基礎知識を修得するとともに、それらを活用して河川・海岸の治水や利水計画について説明することができない。
評価項目3参考資料の収集や演習問題を通して資料の収集法や工学的な問題発見の方法を学び、その解決法を見出すことが十分にできる参考資料の収集や演習問題を通して資料の収集法や工学的な問題発見の方法を学び、その解決法を見出すことができる。参考資料の収集や演習問題を通して資料の収集法や工学的な問題発見の方法を学び、その解決法を見出すことができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
地形的・気象学的に洪水災害が頻発する条件にある我が国では、遠く古来より人命や財産、農作物などを水害から守るために堤防や護岸工事など様々な治水事業を行ない、河川と向き合ってきた。本講義では、我々の生活に身近な河川の地形学的、歴史学的側面を含め、流域における水循環と河川流に対する水理学的アプローチの手法及び河川計画の進め方について考察する。
授業の進め方・方法:
主として教科書及びスライド等の補助教材を用いて、出来るだけ平易に解説する。位数理論及び流出解析法について、演習課題を課す。
注意点:
教科書、事前に配布する資料をよく読み、要点及び疑問点をまとめておくこと。日頃から河川を取巻く諸問題に関心を持って様々な情報を収集するよう心掛けること。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
連絡先:kanda@akashi.ac.jp

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水工水理学総論(川と海岸)
人々の生活と川や海岸とのかかわりや、これまでに行われてきた河川・海岸への働きかけとのその背景となる工学的考え方を理解し、水工水理工学の社会的・技術的意味を考察することができる。
2週 河川と流域の特性
河川と流域の定義を述べ、我が国における河川の地形学的特性を分類・考察するとともに、その歴史的背景を説明することができる。
3週 位数理論
流域の地形や水文量の解析に用いられる位数理論の基礎と考え方について理解し、実河川をモデルとして河川数則、河道長則を適用することができる。
4週 河川の作用と地形
河川の侵食・運搬・堆積作用について理解し、それらの作用によって形成される代表的な河川地形の分類とその特性について説明することができる。
5週 水文循環
地球上の水の存在形態と循環、流域内での降水と流出現象について理解するとともに、洪水流出のメカニズムを説明することができる。
6週 降水の特性と流出現象
我が国における降水量の分布と要因、その統計的解析手法を説明できる。また、与えられた気象データから樹木による降水の遮断及び浸透量を評価することができる。
7週 流出解析
合理式、単位図法などの線形モデルや非線形モデル(貯留関数法及びタンクモデル)の基本的な考え方を理解するとともに、降雨データから河川計画に用いられる計画流量ハイドリグラフを求めることができる。。
8週 中間試験
2ndQ
9週 河川流の分類とその特性
一次元開水路流れとして河川流を分類し、等流及び不等流の水理学的解析手法について説明することができる。
10週 洪水流解析
洪水波形が洪水伝播速度で下流へ移動する運動波の基礎理論とその応用について理解し、洪水伝播速度を求める演習問題を解くことができる。
11週 河口及び貯水池の水理
河口における潮汐の基本的特性と流れについて理解し、貯水池等の閉鎖性水域でみられる密度流現象の実体と水質管理上の問題点について説明できる。
12週 河川計画
洪水防御計画の基本的考え方を理解し、河道計画の策定手順、構造物による洪水制御法、治水技術の社会や河川に及ぼす影響について説明することができる。
13週 水の波の基本特性
波高・波長・伝播速度・波のエネルギーなど水の波の基本特性について説明できる。
14週 海岸・港湾施設
港湾・海岸施設の目的・機能について説明することができる。
15週 海岸・港湾計画
海岸・港湾の基本的考え方を理解するとともに、計画の策定手順、港湾構造物による波浪制御法について説明できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理河川の分類と流域について、説明できる。4
河川の管理と整備について、説明できる。4
水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について、説明できる。4
水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を計算できる。4
河道およびダムによる洪水対策を説明できる。4
都市型水害と内水処理の対策について、説明できる。4
日本の水資源の現況について、説明できる。4
河川堤防・護岸・水制の役割について、説明できる。4
津波と高潮の特徴を説明できる。4
波の基本的性質を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ演習課題合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000