水理学Ⅲ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 水理学Ⅲ
科目番号 4418 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 神田佳一他「水理学」、実教出版。参考図書:日下部重幸他:「水理学」、コロナ社。参考資料をスライドで適宜示し、プリントも配布する。
担当教員 神田 佳一

到達目標

1)開水路流れの分類、基本的特性を説明できる。
2)常流と射流、限界水深及び跳水等の流れの遷移を説明できる。
3)等流、不等流について理解し、各種の水面計計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1開水路流れの分類、基本的特性を確実に説明できる。開水路流れの分類、基本的特性を説明できる。開水路流れの分類、基本的特性を説明できない。
評価項目2常流と射流、限界水深及び跳水等の流れの遷移を確実に説明できる。常流と射流、限界水深及び跳水等の流れの遷移を説明できる。常流と射流、限界水深及び跳水等の流れの遷移を説明できない。
評価項目3等流、不等流について十分理解し、各種の水面計計算が確実にできる。等流、不等流について理解し、各種の水面計計算ができる。等流、不等流について理解できない。各種の水面計計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 水の流れの性質を知り、それを制御し利用することは、文明の発生とともに始まった技術である。水の大切さ、流れの重要さは今日においても少しも変わることはない。こうした水の流れについての知識と技術を体系化したのが水理学である。水理学は河川工学、水文学、海岸工学、港湾工学、地下水工学、水資源工学などを学ぶ際の基礎となり、さらに近年重要視されている水環境に関する基礎科目でもある。本科目は、水理学I及び水理学IIに続く科目であって、開水路等の授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
 講義を中心に授業を進めるが,必要に応じて資料の配付,プロジェクターでの説明を行う。また,授業中には復習も兼ねて基礎的事項に関する質問を随時行い,知識の定着を図る。なお,適時リポート課題を与える。
注意点:
 演習問題等を数多く解いて内容を十分に理解すること。ノートをしっかりととること。電卓を持参すること。身近な水の流れに興味をいだき、流れの不思議さを発見するよう心掛けてほしい。
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習および課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
連絡先:kanda@akashi.ac.jp

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 開水路の流れの分類と比エネルギー(1)
開水路の流れの分類、比エネルギー、常流と射流、限界水深の定義などについて学習する。
開水路の流れの分類が理解できる
比エネルギーと限界水深の定義及びその計算が理解できる
2週 開水路の流れの分類と比エネルギー(2)
開水路の流れの分類、比エネルギー、常流と射流、限界水深の定義などについて学習する。
比力と限界水深・交代水深の関係が理解できる
3週 常流と射流(1)
フルード数、常流と射流、限界水深の定義などについて学習する。
フルード数、常流と射流が理解できる。
4週 常流と射流(2)
フルード数、常流と射流、限界水深の定義などについて学習する。
種々の断面における限界水深が計算できる
5週 流れの遷移(1)(常流から射流、支配断面)
常流から射流に変化する流れについて、ダムを越流する流れを例に学習する。
比エネルギーを小丘を越える流れに適用して水面形の変化を説明できる
6週 流れの遷移(2)(常流から射流、支配断面)
常流から射流に変化する流れについて、ダムを越流する流れを例に学習する。
常流から射流に変化する流れの遷移が説明できる
7週 流れの遷移(3)(常流から射流、支配断面)
常流から射流に変化する流れについて、ダムを越流する流れを例に学習する。
射流から常流に変化する流れの遷移(跳水)が説明できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 開水路の等流(1)
等流について学習する。平均流速公式、粗度係数、等流水深について学習する。
等流とはどのような流れかを説明できる
10週 開水路の等流(2)
等流について学習する。平均流速公式、粗度係数、等流水深について学習する。
平均流速公式を適用して等流水深や粗度係数の計算が解ける
11週 開水路の等流(3)
水理特性曲線について学習する。合成粗度係数、水理学的に有利な断面について学習する。
水理特性曲線、合成粗度係数、水理学的に有利な断面について説明できる
12週 開水路の不等流(1)(基礎式と水面形の分類1)
広幅長方形断面水路の場合の不等流の基礎式から、緩勾配と急勾配に分けて水面形を分類する。
不等流とはどのような流れかを説明できる
不等流の基礎式から水面形の分類ができる
13週 開水路の不等流(2)(水面形の分類2と水面形計算)
分類された水面形が実際の開水路のどのような場所で見られるかについて学習する。
分類された不等流の水面形が実際どのような場所で見られるかを説明できる
14週 開水路の不等流(3)(水面形計算)
種々の条件に対して水面形計算を行う。
不等流の水面形を逐次近似計算で求められる
15週 開水路の不定流
ゲートの急開閉の際に、ゲート前後に発生する段波や洪水波などの不定流について学習する。
段波と洪水波について説明できる
伝播速度が求められる
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。4前9,前10,前11
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。4前12,前13,前14,前15
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3前1,前2,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前1,前2,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前1,前2,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験レポ-ト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力300000030
専門的能力6010000070
分野横断的能力0000000