概要:
地盤の上や地中に建物、道路、鉄道などを建設するためには、地盤やそれを構成している土の性質に関する知識や技術について学習し、それらを修得しておく必要がある。これらの知識や技術は古くから発達しており、「土質力学」や「土質工学」として、土の強さ、変形、透水、地盤の安定、支持力、沈下などを取り扱っている。最近では大深度地下開発などのために岩盤との境界地盤や地球環境問題にかかわる地盤環境工学なども取り扱うようになり、広く「地盤工学」と言われるようになってきた。
授業の進め方・方法:
主に講義形式で授業を行うが、演習問題を用いて計算を行う。
注意点:
第3学年に学習した内容を理解しておくこと。また、力学や数学の基礎知識を整理しておくこと。さらに、日頃から土や地盤の問題に関心を持って様々な情報を収集するよう心掛けること。また、本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習および課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
土圧1 ランキン土圧の概念について学習する。 |
ランキン土圧の概念について理解し、ランキン土圧を計算できる。
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2週 |
土圧2 クーロン土圧の概念について学習する。 |
クーロン土圧の概念について理解し、クーロン土圧を計算できる。
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3週 |
土圧3 擁壁の安定解析の概念について学習する。 |
擁壁の安定解析の概念を理解し、安全率を計算できる。
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4週 |
地盤内応力1 集中荷重等が作用した場合の地盤内応力の変化について学習する。 |
集中荷重等が作用した場合、地盤内の応力が変化することを理解し、どの様に伝播するか計算できる。
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5週 |
地盤内応力2 盛土荷重等が作用した場合の地盤内応力の変化について学習する。 |
盛土荷重等が作用した場合、地盤内の応力が変化することを理解し、どの様に伝播するか計算できる。
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6週 |
地盤内応力3 長方形荷重が作用した場合の地盤内応力の変化について学習する。 |
長方形荷重等が作用した場合、地盤内の応力が変化することを理解し、どの様に伝播するか計算できる。
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7週 |
土圧・地盤内応力に係わる演習問題 |
第1週から第7週までの演習問題について解答できる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
地盤の支持力1 基礎構造物の種類について学び、浅い基礎の代表である連続フーチングの支持力について学習する。 |
基礎構造物の種類について説明でき、浅い基礎の代表である連続フーチングの支持力について計算できる。
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10週 |
地盤の支持力2 深い基礎の代表である杭の支持力について学習し、静力学的な支持力公式や群杭の支持力について学習する。 |
深い基礎の代表である杭の支持力について静力学的な支持力公式や群杭の支持力に基づいて計算できる。
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11週 |
斜面安定1 斜面災害について学習するとともに、斜面安定解析の概念を学習する。 |
斜面災害について学習するとともに、斜面安定解析の概念を理解できる。
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12週 |
斜面安定2 直線状のすべりを仮定した安定解析について学習する。 |
直線状のすべりを仮定した安定解析について計算できる。
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13週 |
斜面安定3 円形すべりを仮定した安定解析について学習する。 |
円形すべりを仮定した安定解析について計算できる。
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14週 |
トンネルの種類,地盤調査やトンネルの施工法について学習する。 |
トンネルの種類,地盤調査やトンネルの施工法について理解できる。
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15週 |
地盤の支持力・斜面安定に係わる演習問題 |
第8週から第15週までの演習問題について解答できる。
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16週 |
期末試験
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 地盤 | 地盤内応力を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
ランキン土圧やクーロン土圧を説明でき、土圧算定に適用できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前7 |
基礎の種類とそれらの支持力公式を説明でき、土の構造物の支持力算定に適用できる。 | 4 | 前9,前10,前15 |
斜面の安定計算手法を説明でき、安全率等の算定に適用できる。 | 4 | 前11,前12,前13,前15 |
地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。 | 4 | 前15 |
地盤調査の分類と内容について、説明できる。 | 4 | 前9,前15 |
施工・法規 | 基礎工の種類別に目的と施工法について、説明できる。 | 4 | 前9,前15 |
トンネル工の目的と施工法について、説明できる。 | 4 | 前14,前15 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 3 | |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 3 | |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 2 | |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 2 | |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 1 | |