工学実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 工学実験Ⅲ
科目番号 4425 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 都市システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 環境衛生実験指導書(明石高専都市システム工学科編)適宜プリントを配布する.参考文献:土木学会:構造実験のてびき(2009年版)
担当教員 三好 崇夫,渡部 守義

到達目標

(1) 水温、pH、DO、EC、濁度、透視度に関する実験について理解し、その実験ができる。
(2) BOD・CODに関する実験について理解し、その実験ができる。
(3) 単純ばり上の集中荷重の作用位置と支点反力に関する実験について理解し,実験ができるとともに,理論的な影響線と比較することができる.
(4) 3点曲げ試験による弾性係数の推定方法を理解し,実験と弾性係数の推定ができる.
(5) I形断面ばりの4点曲げ試験によるたわみの計測実験を理解し,実験ができるとともに,理論的なたわみ曲線と比較し,両者間に生じた差異の原因について考察できる.
(6) H形鋼の4点曲げ載荷試験によるひずみの計測実験と曲げモーメントの推定方法を理解し,実験ができるとともに曲げモーメントを推定できる.また,曲げモーメントの理論値と比較し,両者間に差異を生じた原因について考察できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水温、pH、DO、EC、濁度、透視度に関する実験について理解し、その実験ができ、レポートとしてまとめることがきる。水温、pH、DO、EC、濁度、透視度に関する実験について理解し、その実験ができる。水温、pH、DO、EC、濁度、透視度に関する実験について理解できない。
評価項目2 BOD・CODに関する実験について理解し、その実験ができ、レポートとしてまとめることがきる。 BOD・CODに関する実験について理解し、その実験ができる。 BOD・CODに関する実験について理解しできない。
評価項目3単純ばり上の集中荷重の作用位置と支点反力に関する実験について理解し,実験ができるとともに,理論的な影響線と比較することができ,レポートとして纏めることができる.単純ばり上の集中荷重の作用位置と支点反力に関する実験について理解し,実験ができるとともに,理論的な影響線と比較することができる.単純ばり上の集中荷重の作用位置と支点反力に関する実験について理解できず,実験もできるとともに,理論的な影響線と比較することもできない.
評価項目43点曲げ試験による弾性係数の推定方法を理解するとともに,実験と弾性係数の推定を実施し,レポートとしてまとめることができる.3点曲げ試験による弾性係数の推定方法を理解するとともに,実験と弾性係数の推定を実施できる.3点曲げ試験による弾性係数の推定方法が理解できず,実験と弾性係数の推定が実施できない.
評価項目5I形断面ばりの4点曲げ試験によるたわみの計測実験を理解し,実験ができるとともに,理論的なたわみ曲線と比較して,両者間に生じた差異の原因について考察し,レポートとして取りまとめることができる.I形断面ばりの4点曲げ試験によるたわみの計測実験を理解し,実験ができるとともに,理論的なたわみ曲線と比較し,両者間に生じた差異の原因について考察できる.I形断面ばりの4点曲げ試験によるたわみの計測実験が理解できず,実験もできず,さらに理論的なたわみ曲線と比較して,両者間に生じた差異の原因についても考察できない.
評価項目6H形鋼の4点曲げ載荷試験によるひずみの計測実験と曲げモーメントの推定方法を理解し,実験ができるとともに曲げモーメントを推定できる.また,曲げモーメントの理論値と比較し,両者間に差異を生じた原因について考察し,レポートとして取りまとめることができる.H形鋼の4点曲げ載荷試験によるひずみの計測実験と曲げモーメントの推定方法を理解し,実験ができるとともに曲げモーメントを推定できる.また,曲げモーメントの理論値と比較し,両者間に差異を生じた原因について考察できる.H形鋼の4点曲げ載荷試験によるひずみの計測実験と曲げモーメントの推定方法が理解できず,実験と曲げモーメントの推定が実施できない.また,曲げモーメントの理論値と比較して,両者間に差異を生じた原因について考察ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
構造力学,構造物の設計,衛生工学,環境工学などに関する実験実習を複数担当で行う.実験はクラスをA,Bの2班に分けて実施する.前半はA班が環境衛生実験,B班が構造実験を実施し,後半はA班が構造実験,B班が環境衛生実験を実施する.
 本科目は企業で鋼橋や鋼構造物の設計に従事していた教員が、その経験を活かし、影響線の意義、4点曲げを受けるI形断面桁の変形や耐荷性状、H形鋼の特徴や弾性範囲におけるひずみと曲げモーメントの関係等について実験形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
A,B班をさらにグループに分けて実験を複数担当で行う.実験終了後は実験方法,結果や考察を取り纏めたレポートを提出させる.実験以外にも土木関係の施設,工場や現場見学を行い,社会基盤に関連する事業やものつくりを体験学習させる
注意点:
実験課題に対して自ら目標を設定し,資料収集,実験実習等を通して実験手法を学び,自主的に問題を解決する姿勢が重要である.実験の様子や計測結果はすぐに記録し,実験レポートは指定する期限までに提出すること.実験に適した服装(実習服など)・靴(運動靴)で臨むこと.
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/5以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 実験の概要説明
衛生実験と構造実験の進め方,実験内容および実験レポートの提出方法等について説明する.
2週 (A班)水質基本項目の測定,(B班)単純ばりの移動荷重による支点反力の計測
基本項目の測定を行う。
3週 (A班)BOD・COD試験準備(B班) 3点曲げ試験による型紙等の弾性係数の推定とI形断面ばり製作
基本項目の測定を行うともにBOD・COD試験のための試薬の準備を行う.
4週 (A班)BOD試験,(B班)I形断面ばりの4点曲げ試験
境水中の有機物の指標であるBODを測定を測定する.
5週 (A班)COD試験,(B班)I形断面ばりの4点曲げ試験
境水中の有機物の指標であるCODを測定を測定する.
6週 (A班)ガラス体積計による定量採取と精度測定,(B班)曲げを受けるH形鋼ばりのひずみ計測
メスピペット,ビュレット,ビーカーなどのガラス体積計の精度を測定し,JIS規格の要求を満たしているかを確かめる.
7週 実験の補足説明 (1)
実験結果のデータ整理に必要な事項について補足説明する.
8週 実験の補足説明 (2) 実験結果のデータ整理に必要な事項について補足説明する.
4thQ
9週 (A班)単純ばりの移動荷重による支点反力の計測,(B班)水質基本項目の測定
単純ばり試験体の軸方向に,集中荷重を一定間隔で移動載荷し,支点反力の変化を計測する.試験結果を理論的に得られる影響線と比較し,考察する.
10週 (A班) 3点曲げ試験による型紙等の弾性係数の推定とI形断面ばり製作,(B班)BOD・COD試験準備
型紙やアクリル板から切り出した短冊状試験片を用いた3点曲げ試験により,各々の弾性係数を推定する.また,それらを用いてI形断面ばり試験体を製作する.
11週 (A班)I形断面ばりの4点曲げ試験,(B班)BOD試験
型紙やアクリル板を用いて製作したI形断面ばり試験体を使用した4点曲げ載荷試験を実施し,たわみを計測する.理論的に得られるたわみ曲線と計測結果を比較,考察する.
12週 (A班)I形断面ばりの4点曲げ試験,(B班)COD試験
型紙やアクリル板を用いて製作したI形断面ばり試験体を使用した4点曲げ載荷試験を実施し,たわみを計測する.理論的に得られるたわみ曲線と計測結果を比較,考察する.
13週 (A班)曲げを受けるH形鋼ばりのひずみ計測,(B班)ガラス体積計による定量採取と精度測定
H形鋼からなる単純ばりに4点曲げ載荷試験を実施し,等曲げ区間のひずみを計測することにより曲げモーメントを推定する.同推定値と理論的に得られる曲げモーメントを比較,考察する.
14週 実験結果・考察の補足説明
実験結果や考察の補足説明とふりかえりを行う.
15週 工事現場や施設等の見学
近隣の土木構造物の建設,補修・補強工事現場,製鉄所,土木構造物関連の製作工場または上下水道施設の見学を行う.
16週 期末試験実施せず

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後14
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4後3,後4,後5,後6,後10,後11,後12,後13
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4後3,後4,後5,後6,後10,後11,後12,後13
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4後3,後4,後5,後6,後10,後11,後12,後13
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4後2,後9
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。2後2,後9
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4後6,後13
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4後6,後13
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4後3,後4,後5,後10,後11,後12
環境水の物性、水の循環を説明できる。3後2,後9
水質指標を説明できる。4後2,後9
水質汚濁の現状を説明できる。3後2,後9
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。3後2,後9
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。4後2,後9
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。3後2,後9
物質循環と微生物の関係を説明できる。4後2,後9
浄水の単位操作(凝集、沈澱凝集、濾過、殺菌等)を説明できる。2後9,後15
汚泥処理・処分について、説明できる。2後9,後15
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。4後2,後3,後4,後5,後9,後10,後11,後12,後13
pHに関する実験について理解し、実験ができる。4後2,後3,後4,後5,後9,後10,後11,後12,後13
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3後3,後4,後5,後10,後11,後12
合意形成のために会話を成立させることができる。3後3,後4,後5,後10,後11,後12
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後9,後10,後11,後12,後13

評価割合

レポート取組合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000