概要:
力学は、以下の4分野で考える。1年生の後期では力学3と4を学習する。
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力学1:ベクトル概念を「位置・速度・加速度」を題材として学ぶ。二次元座標を扱うため三角関数の学習は必須である。また、有効数字・単位の取扱いをはじめ、工学を学ぶための心構えについての修得も目指す。
力学2:因果関係の存在を物理現象を題材として意識する。具体的には、力学1で学習した加速度はあくまでも「結果」であり、「原因」が力やトルク、そして質量などの属性が結果に影響を及ぼすことを理解する。そして、つり合いや運動方程式の立式について習熟する。
力学3:物理の時制(過去→現在→未来)について理解し、スカラー量とベクトル量に関する2つの保存則(エネルギーと運動量)として書き下せる。
力学4:力学1,2,3で培った基礎を元に、応用として、等速円運動を扱う。次に、物理現象を観測する立場の違いの考察から、3つの慣性力と万有引力について気づく。そして、あらゆる力学現象は運動方程式で表現されること(立式さえできれば後は解くだけ)を理解する。
授業の進め方・方法:
授業: 90分を次の6つに分けて進行する。①本読み、②前時の復習、③本時の講義、④班別協議、⑤模擬授業、⑥振り返り。④以降の活発な議論のため、学習支援サイトの解説動画の事前視聴を義務付けている。近い将来、①②③を廃して反転授業に移行する可能性があるため、学習の軸足を予習に置いておきたい。
課題: まとめ能力の涵養のため、単元ごとに「メモリーツリー」の作成を課す。
試験: 授業者と評価者は異なるべき、という考え方がある。この考え方に則り、定期試験の問題は教員オリジナル作成問題を排除し、市販の高校用問題集からのみ出題する。ただし、数値や問い掛け文章および回答様式は変更されている。
予習教材(動画)・授業・課題・試験、の全ては「問題集」を軸としている。教員解説や教科書は参考程度に扱ってよいが、問題集については第三者的外部評価システムと捉え、隅から隅まで完全理解するよう取り組んでほしい。市井の問題集が解ける!という事実と実感は、学習者が学外活動を行う上で大いなる自信となるであろう。
注意点:
評価: 評価点はどの時点でも学生自身で計算できる。具体的な計算式は物理の学習支援サイトに記載しているので、イベント毎に計算しておくこと。https://sites.google.com/s.akashi.ac.jp/physics/
再試験: 試験ごとの成績不良者に対する再試験は、行わない。
追試験: コロナ・インフル・公欠による試験欠席者に対する追加の試験は、行う。
欠席: 評価の対象としない欠席条件(割合) は 1/3以上の欠課。
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何かを一から考えていいのは中学生までである。巨人の肩の上に立たない学習者は、効率が悪いだけでなく、先達を冒涜しているとも言える。物理学習ではマンガやアニメから受けた誤概念(素朴概念)が正しい理解を妨げることがある。先達によって培われた思考の『型』を身につけることで、誤概念や疑似科学に惑わされない、骨太な技術者になろう!
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
仕事とエネルギー(p116-p128) |
「時の流れ」を意識し「時制」を表現できる。 問題集の108,115,116,125を解説できる。
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2週 |
エネルギー保存の法則(p129-p137) |
スカラー量における保存則について解説できる。 問題集の118,122,123,130を解説できる。
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3週 |
◆単元テスト(6.仕事と力学的エネルギー)。 運動量と力積(p140-p143) |
運動方程式(ma=F)の弱点について解説できる。 問題集の131,132,133,135を解説できる。
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4週 |
運動量保存則(p144-p150) |
ベクトル量における保存則について解説できる。 問題集の136,138,139,147を解説できる。
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5週 |
反発とエネルギー(p151-159) |
ふたつの保存則の違いについて解説できる。 問題集の141,143,145,150を解説できる。
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6週 |
◆単元テスト(7.運動量の保存)。 等速円運動(p162-p168) |
等速円運動の6つの公式を解説できる。 問題集の152,156,169,170を解説できる。
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7週 |
慣性力(p170-p176) |
3つの慣性力について解説できる。 問題集の158,160,166,168を解説できる。
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8週 |
問題演習 |
「フーコーの振り子」と「台風の渦」を解説できる。 問題集の161,175を解説できる。
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4thQ |
9週 |
◆単元テスト(8.等速円運動・慣性力)。 単振動(p177-p180) |
単振動の6つの公式を解説できる。 問題集の176,177,179,189を解説できる。
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10週 |
ばね振り子と単振り子(p181-p186) |
「オフセット」と「近似公式」を解説できる。 問題集の181,182,186,187を解説できる。
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11週 |
問題演習
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問題集の188,192,193,195を解説できる。
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12週 |
◆単元テスト(9.単振動)。 万有引力と重力(p188-p194) |
「調査→解析→考察」の5つのお話ができる。 問題集の198,199,202,206を解説できる。
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13週 |
万有引力による位置エネルギー(p195-p200) |
「積分」と「極限」のお話しができる。 問題集の203,204,205,208を解説できる。
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14週 |
問題演習 |
問題集の209,210を解説できる。
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15週 |
◆単元テスト(10.万有引力)。 |
1年生で学習する「力学」と2年生で学習する「統計力学」の違いについて解説できる。
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16週 |
期末試験は実施しない |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | 後3,後7 |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 後3,後5,後7,後11 |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 後4,後5,後7 |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 後4,後5,後7 |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 後4,後6,後7 |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | 後5,後9,後10,後11 |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | 後5,後7,後9,後10,後11 |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 後5,後7,後9,後10,後11 |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | 後9,後15 |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | 後11,後15 |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | 後12,後15 |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | 後13,後15 |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 後14,後15 |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | 後1 |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | 後2,後3 |
重心に関する計算ができる。 | 3 | 後2 |
物理実験 | 物理実験 | 力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | 後8,後11,後15 |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |