構造力学Ⅲ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 構造力学Ⅲ
科目番号 5426 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市システム工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 崎元達郎:構造力学(上)【第2版新装版】,森北出版 および 崎元達郎:構造力学(下)【第2版新装版】,森北出版
担当教員 大城 雄希

到達目標

(1)柱(短柱,長柱)の特性を理解し,説明できる.
(2)ラーメンの支点反力,断面力(軸力,せん断力,曲げモーメント)を計算し,その断面力図(軸力図,せん断力図,曲げモーメント図)を描くことができる.
(3)仮想仕事の原理を用いた静定構造物の解法を説明できる.
(4)重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる.
(5)応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1柱(短柱,長柱)の特性を理解し,具体的に説明できる.柱(短柱,長柱)の特性を理解し,説明できる.柱(短柱,長柱)の特性を理解し,説明できない.
評価項目2ラーメンの支点反力,断面力(軸力,せん断力,曲げモーメント)を計算し,その断面力図(軸力図,せん断力図,曲げモーメント図)の描き方について具体的に説明できる.ラーメンの支点反力,断面力(軸力,せん断力,曲げモーメント)を計算し,その断面力図(軸力図,せん断力図,曲げモーメント図)を描くことができる.ラーメンの支点反力,断面力(軸力,せん断力,曲げモーメント)を計算し,その断面力図(軸力図,せん断力図,曲げモーメント図)を描くことができない.
評価項目3仮想仕事の原理を用いた静定の解法を具体的に説明できる.仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる.仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できない.
評価項目4重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を具体的に説明できる.重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる.重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できない.
評価項目5応力法と変位法による不静定構造物の解法を具体的に説明できる.応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる.応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
構造力学は,構造物に発生する力や変形を把握して,構造物の安全性や使用性を定量的かつ客観的に評価するための基礎的な学問である.構造力学に関する知識は,土木分野では,橋梁のみならず,トンネルや基礎,ダムや上下水道管などの地盤,水理分野にも関連する構造物の設計,施工から維持管理といった広い範囲で求められる.よって,構造力学に関する基礎知識は,全ての土木技術者に必須である.本科目では,柱の座屈,ラーメン構造物の支点反力や断面力の求め方,組み合わせ応力,不静定構造物の解析方法,エネルギー原理に基づく不静定構造物の解析方法や種々の骨組構造物の変形の計算方法を習得させるため,講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
教科書を使用してスライドおよび板書を中心に説明する.
注意点:
数学の基礎知識および構造力学Ⅰ,Ⅱの知識が習得できていることを前提に進める.授業ではしっかり板書し,授業中に学んだ内容に関する不明点は,その時間内に理解できるよう質問をすること.講義内容の復習は欠かさないこと.
評価の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 柱の座屈 長柱の弾性座屈荷重が計算できる.
2週 静定ラーメン構造物の支点反力と断面力の解法 静定ラーメン構造物の支点反力と断面力を求めることができる.断面力図を描くことができる.
3週 静定ラーメン構造物の断面力図 静定ラーメン構造物の断面力図を描くことができる.
4週 組み合わせ応力 (1)
平面応力状態において構造物の任意の面に生ずる応力,主応力と主軸の求め方について学ぶ.
平面応力状態において構造物の任意の面に生ずる応力,主応力や主軸を求めることができる.
5週 組み合わせ応力 (2)
平面応力状態におけるMohrの応力円とその描き方,それを用いた主応力と主軸の図解法について学ぶ.
平面応力状態におけるMohrの応力円を描くことができる.また,それを用いて主応力と主軸を求めることができる.
6週 エネルギー法 (1)
弾性体に蓄えられる内部仕事とひずみエネルギー,外力が構造物になす外部仕事,エネルギー保存則について学ぶ.
弾性状態にある構造物に蓄えられるひずみエネルギー,外力が構造物に対してなす外部仕事を求めることができる.
7週 エネルギー法 (2)
仮想変位や仮想力による仮想仕事について学ぶ.また,仮想力の原理に基づく単位荷重法について学ぶ.
仮想変位や仮想力による仮想仕事とひずみエネルギーの違いが理解できる.仮想力の原理に基づいて単位荷重法の基礎式が導かれることが理解できる.
8週 エネルギー法 (3)
単位荷重法による静定骨組構造物の変位やたわみ角の計算方法を学ぶ
単位荷重法を用いて,静定ばり,トラスやラーメンの変位やたわみ角を求めることができる.
2ndQ
9週 中間試験 中間試験
10週 エネルギー法 (4)
Castiglianoの第2定理と,それを用いた静定骨組構造物の変位やたわみ角の計算方法を学ぶ
Castiglianoの第2定理を用いて,静定ばり,トラスやラーメンの変位やたわみ角を求めることができる.
11週 重ね合わせの原理による不静定構造物の解法 重ね合わせの原理を用いて不静定構造物の支点反力や断面力が計算できる.
12週 不静定構造物の解法 応力法と変位法,たわみ角法の概要について説明できる.
13週 エネルギー法 (5)
最小仕事の原理について学ぶ
最小仕事の原理について説明できる.
14週 エネルギー法 (6)
最小仕事の原理を用いた不静定骨組構造物の支点反力や断面力を求める方法について学ぶ
最小仕事の原理を用いて,不静定ばりやトラスなどの支点反力や断面力を求めることができる.
15週 平面骨組構造物の変形の解法種々の荷重条件にあるはりやラーメン,トラス構造物に関する最適な変形の解法について学ぶ 種々の荷重条件,境界条件にあるはり,ラーメンやトラスなどについて,たわみの微分方程式,弾性荷重法,単位荷重法などから最適な解法を選んで変形を計算できる.
16週 期末試験
期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。4前2,前3
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4前4,前5
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4前1
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。4前6,前7,前10,前13,前14,前15
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4前8,前11,前15
応力法と変位法による不静定構造物の解法を説明できる。4前12,前15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000