計画学Ⅱ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 計画学Ⅱ
科目番号 5432 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 都市システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 担当教員が作成したオリジナル資料を使うが,講義の理解には以下の文献が参考になる.1) 小島寛之『完全独 統計学入門』ダイヤモンド社,2) 山田剛史・杉澤武俊・村井潤一郎『Rによるやさしい統計学』オーム社,3) 栗原伸一『入門統計学 検定から多変量解析・実験計画法・ベイズ統計学まで』オーム社
担当教員 石松 一仁

到達目標

1)基礎統計,確率分布について理解し,社会現象に適用することができる.
2)各種分析手法などを用いて現象を数式化するための統計的処理を行うことができる.
3)各種分析手法などを用いて社会現象のモデルを構築することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1十分に,基礎統計,確率分布について理解し,社会現象に適用することができる.基礎統計,確率分布について理解し,社会現象に適用することができる.基礎統計,確率分布について理解しておらず,社会現象に適用することができない.
評価項目2十分に,各種分析手法などを用いて現象を数式化するための統計的処理を行うことができる.各種分析手法などを用いて現象を数式化するための統計的処理を行うことができる.各種分析手法などを用いて現象を数式化するための統計的処理を行うことができない.
評価項目3十分に,各種分析手法などを用いて社会現象のモデルを構築することができる.各種分析手法などを用いて社会現象のモデルを構築することができる.各種分析手法などを用いて社会現象のモデルを構築することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 この科目は,民間シンクタンクに在籍し,都市・地域計画および経済分析を担当していた教員が,社会資本を計画設計する上で必要とされる,確率統計や統計的処理手法の基本的な考え方を,R言語を基盤とした統計解析のためのフリーソフトウェアを用いて理解させる.さらに,社会現象の数理化やシステムの最適化の手法についても修得させる.
授業の進め方・方法:
 配布資料に基づいた講義を行う.
成績評価は1回の筆記試験(40%),演習課題とレポート(50%),質疑応答など授業への取り組み姿勢(10%)から総合して行い,60%以上達成したものを合格とする.
注意点:
 土木計画学の基本的な考え方を理解し,演習を通して確実に自分のものとしていく.演習課題などを通して,社会現象のモデル化の基本的な考え方や結果の解釈法を修得する.
評価の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 統計学基礎Ⅰ
データの種類,代表値(平均,中央値,最大値,最小値),四分位と箱ひげ図,散布度(分散,標準偏差),不偏統計量について学ぶ.
データの種類,代表値,四分位と箱ひげ図,散布度,不偏統計量について説明することができる.
2週 統計学基礎Ⅱ
様々な平均(移動平均,幾何平均,調和平均),カテゴリカルデータの要約(クロス集計とtable関数),複数の統計量の同時算出(apply関数・tapply関数),標準化について学ぶ.
様々な平均,カテゴリカルデータの要約,複数の統計量の同時算出,標準化について説明することができる.
3週 統計学基礎Ⅲ
離散確率分布(ベルヌーイ分布,二項分布,ポアソン分布),連続確率分布(正規分布,t分布,カイ二乗分布,F分布),相関(積率相関,順位相関),偏相関について学ぶ.
離散確率分布,連続確率分布,相関,偏相関について説明することができる.
4週 統計的検定の基礎
検定の考え方,有意確率(P値)の性質,効果量の考え方,検定力の考え方について学ぶ.
検定の考え方,有意確率(P値)の性質,効果量の考え方,検定力の考え方について説明することができる.
5週 パラメトリック検定
1標本t検定,対応のない2標本t検定,対応のある2標本t検定について学ぶ.
Rで1標本t検定,対応のない2標本t検定,対応のある2標本t検定を実施することができる.
6週 1要因の分散分析
1要因の分散分析(対応なし)と1要因の分散分析(対応あり)について学ぶ.
Rで1要因の分散分析(対応なし)と1要因の分散分析(対応あり)を実施することができる.
7週 2要因の分散分析
2要因の分散分析(対応なし×対応なし)と2要因の分散分析(対応あり×対応あり)について学ぶ.
Rで2要因の分散分析(対応なし×対応なし)と2要因の分散分析(対応あり×対応あり)を実施することができる.
8週 ノンパラメトリック検定Ⅰ
カイ二乗検定,フィッシャーの正確確率検定,ウィルコクソンの順位和検定について学ぶ.
Rでカイ二乗検定,フィッシャーの正確確率検定,ウィルコクソンの順位和検定を実施することができる.
4thQ
9週 ノンパラメトリック検定Ⅱ
ウィルコクソンの符号順位和検定,クラスカルウォリス検定,フリードマン検定について学ぶ.
ウィルコクソンの符号順位和検定,クラスカルウォリス検定,フリードマン検定を実施することができる.
10週 線形回帰分析
単回帰分析,重回帰分析,標準化回帰,回帰モデルの評価(赤池情報量基準:AIC)について学ぶ.
Rで単回帰分析,重回帰分析,標準化回帰,回帰モデルの評価(赤池情報量基準:AIC)を実施することができる.
11週 ロジスティック回帰
ロジスティック回帰分析について学ぶ.
Rでロジスティック回帰分析を実施することができる.
12週 主成分分析
主成分分析について学ぶ.
Rで主成分分析を実施することができる.
13週 因子分析
因子分析について学ぶ.
Rで因子分析を実施することができる.
14週 階層クラスター分析
階層クラスター分析について学ぶ.
Rで階層クラスター分析を実施することができる.
15週 総合演習
計画学Ⅱで紹介した統計分析手法の復習.
計画学Ⅱで学んだ統計分析手法について総合的に説明することができる.
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野計画計画の意義と計画学の考え方を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
二項分布、ポアソン分布、正規分布(和・差の分布)、ガンベル分布、同時確率密度関数を説明できる。4後2,後3,後4,後11,後14
重回帰分析を説明できる。4後11,後12,後13,後14,後15,後16
線形計画法(図解法、シンプレックス法)を説明できる。4後5,後6,後7,後8,後9,後10,後16
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3後1,後8,後9,後14
合意形成のために会話を成立させることができる。3後1,後8,後9,後14
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後1,後3,後8,後14
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後1,後3,後8
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後3,後8,後14
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後1,後2,後8,後9
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後2,後8,後9,後14
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後2,後8,後9,後14
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後2,後8,後11
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後2,後8
複数の情報を整理・構造化できる。3後2,後8,後13
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3後2,後8,後11,後14
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後1,後8,後13,後14
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後1,後7,後8,後11,後13,後14
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後1,後7,後9,後13
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3後1,後9,後13
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後1,後7,後9
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後1,後7,後9
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3後1,後7,後8
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3後1,後7,後8
目標の実現に向けて計画ができる。3後8,後11
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3後7,後11,後13
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3後9,後11,後14
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3後9,後11,後14,後15
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後9,後11,後13,後15
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後9,後11,後13,後15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後7,後9
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後7,後11
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3後6,後9,後11,後12
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後6,後9,後11,後12
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3後6,後11
法令やルールを遵守した行動をとれる。3後9,後11,後12,後15
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3後9,後11,後12,後15
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3後9,後11,後12
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3後3,後9,後10,後11,後13
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3後3,後9,後10,後11,後13,後15
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3後3,後9,後10,後11,後13
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3後3,後10,後11,後13
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3後10,後11,後13,後15
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3後10,後11,後13,後15
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3後10,後11,後13,後15
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3後10,後11,後15
企業には社会的責任があることを認識している。3後10,後11
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3後10,後11,後15
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3後10,後11
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3後10,後15
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3後10,後15
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3後5,後6,後10
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3後5,後6,後10,後15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3後4,後5,後6
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3後4,後5,後6,後11
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3後4,後5,後6
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3後4,後5,後6
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3後4,後5,後6,後15
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3後4,後5,後6
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3後4,後5,後15,後16
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3後4,後5,後15,後16
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3後4,後5,後16

評価割合

試験演習課題レポート相互評価授業への取り組み状況ポートフォリオその他合計
総合評価割合405001000100
基礎的能力0000000
専門的能力405001000100
分野横断的能力0000000