交通工学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 交通工学
科目番号 5527 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 都市システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 主教材としてプリントを配布する。
担当教員 大畑 典久

到達目標

(1)鉄道の設計や施工に関する基本的な考え方を習得する。 
(2)道路や鉄道に関する技術用語を理解し、説明できる。
(3)道路構造令や鉄道営業法を通じて平面構造、横断構造、縦断構造の規格の考え方を理解し、道路や鉄道構造の基本を習得する。
(4)アスファルト舗装要綱、セメントコンクリート舗装要綱に基づき、道路舗装の材料・設計方法・施工方法を学び、舗装の設計や施工に関する基本的な考え方を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(1)鉄道の設計や施工に関する基本的な考え方を詳細に説明できる。鉄道の設計や施工に関する基本的な考え方を説明できる。鉄道の設計や施工に関する基本的な考え方を説明できない。
評価項目(2)道路や鉄道に関する技術用語を理解し、詳細に説明できる。道路や鉄道に関する技術用語を理解し、説明できる。道路や鉄道に関する技術用語を説明できない。
評価項目(3)道路や鉄道構造の基本的な構造や規格について詳細に説明できる。道路や鉄道構造の基本的な構造や規格について説明できる。道路や鉄道構造の基本的な構造や規格を説明できない。
評価項目(4)舗装の設計や施工について詳細に説明できる。舗装の設計や施工に関する基本的な考え方を説明できる。舗装の設計や施工に関する基本的な考え方を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
各種交通手段には陸運・海運・空路があり、いずれも人々の社会生活に欠かせない。これらの交通手段の内、陸運の道路と鉄道を取り上げ、それらの現状と問題点および将来性を解説する。最近では、交通施設がもたらすプラス面だけではなく、公害、環境、自然破壊などのマイナス面が社会問題になっている。交通施設にかかわる技術者として広い視野を持ち、計画・設計・施工・維持管理する立場からそれらの基礎知識を学習する。
この科目では明石市で交通政策等の業務を担当していた教員が,その経験を活かして交通施設について講義形式で授業を行う。
連絡員:武田字浦
授業の進め方・方法:
主に講義形式で行うが,交通工学に関する演習課題を交えて行う。
この科目では道路行政において,計画から施工に至るまで一連の業務を担当してきた教員が,その経験を活かし実務上で遭遇した問題点・注意点について課題提起し,その解決策を受講学生自ら考察する機会を設けることで,理解が深まるよう授業を行う。
注意点:
日頃から交通手段・施設に関する話題に関心を持って、新聞などを通じて様々な情報を収集するよう心掛けること。前半の定期試験は自筆のノートを参考にして解答できるので、授業中は必ずノートを取ること。また、本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習および課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が90時間に相当する学習内容である。
評価の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 交通工学概論【大畑】
交通工学の体系,各種交通の特徴および役割などを学習し,各種交通を組み合わせた総合交通体系について考察する。
交通工学の体系,各種交通の特徴および役割,総合交通体系について説明できる。
2週 鉄道概論【大畑】
土木工学体系における鉄道工学の位置づけを踏まえ,鉄道の歴史,法制上の区分などを学習する。
土木工学体系における鉄道工学の位置づけについて説明でき,鉄道の歴史,法制上の区分について説明できる。
3週 鉄道施設(1)【大畑】
鉄道計画に必要な知識として,鉄道線路の構造および規格,軌道材料など,鉄道施設の基本事項を学習する。
鉄道計画に必要な鉄道線路の構造および規格,軌道材料といった鉄道施設の基本事項を説明できる。
4週 鉄道施設(2)【大畑】
鉄道線路の保守と環境対策、停車場(旅客駅、貨物駅)など,鉄道施設の基本事項を学習する。
鉄道線路の保守と環境対策、停車場といった鉄道施設の基本事項を説明できる。
5週 新幹線鉄道 新幹線鉄道施設と超高速鉄道【大畑】
新幹線鉄道施設について、線路規格、停車場、列車運転システムなどの基本事項を学習する。磁気浮上鉄道について、開発意義、概要を学習する。
新幹線鉄道施設について基本事項を説明できる。また,磁気浮上鉄道についても概要を説明できる。
6週 都市鉄道(1)【大畑】
都市内の鉄道の現状を分析し、都市整備計画における都市高速鉄道の役割、機能、特性などを学習し、輸送需要に応じた交通手段を考察する。
都市高速鉄道の役割、機能、特性などを説明でき,輸送需要に応じた交通手段を説明できる。
7週 都市鉄道(2)【大畑】
新しい都市鉄道システムを期待する社会的ニーズおよび導入事例を分析し、各種新交通システムについての技術的特性、輸送特性などを学習する。
各種新交通システムについての技術的特性、輸送特性などについて説明できる。
8週 良い道路とは【大畑】
道路の役割・機能から良い道路の条件が何かを考え、それらを分類しまとめることにより、これからの学習の方向を理解する。
良い道路の条件について説明でき,それらを分類することができる。
2ndQ
9週 道路概論・道路の計画と調査【大畑】
土木工学体系における道路工学の位置づけを踏まえ,道路の歴史,法制上の区分などを学習するとともに,道路の調査と計画にかかる基礎的事項を学習する。
土木工学体系における道路工学の位置づけ,道路の歴史,法制上の区分について説明でき,道路の調査と計画にかかる基礎的事項について説明できる。
10週 幾何構造1(横断面・平面線形)【大畑】
道路の車線・車道・路肩・中央帯などの幅員の基準と考え方を学ぶ。平面線形を構成する直線・円曲線・緩和曲線・視距についてその基準を理解する。
平面線形を構成する直線・円曲線・緩和曲線・視距について説明できる。
11週 幾何構造2(縦断線形・線形の調和・交差部)【大畑】
道路の縦断線形要素のうち、勾配・縦断曲線の考え方を学習し,平面線形と縦断線形の調和の必要性を理解する。さらに、平面交差と立体交差の形態について学習する。
平面線形と縦断線形の調和について説明でき,平面交差と立体交差の形態について説明できる。
12週 都市計画事業について【大畑】
道路に関する都市計画事業の事例を基に学習する。
道路に関する都市計画事業の事例について説明できる。
13週 アスファルト舗装【大畑】
アスファルト舗装の材料と構造を学習し,舗装厚さ及び配合の決め方,施工法の問題点などを理解する。
アスファルト舗装の材料と構造,舗装厚さ及び配合について説明できる。
14週 セメントコンクリート舗装【大畑】
セメントコンクリート舗装の変遷を学ぶ。舗装厚さの決め方や配合設計のポイントを学習し,施工法の問題点いついても理解する。
セメント舗装の材料と構造を学習し,舗装厚さ及び配合について説明できる。
15週 道路の維持・修繕【大畑】
道路とくに舗装の破壊形態を学び,破壊・破損部分の補修方法や,破壊が生じないようにするための対策について学習する。
舗装の維持管理・修繕方法について説明できる。
16週 期末試験
第1週から第15週までの内容について試験を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野測量等高線の性質とその利用について、説明できる。4前11,前12
単心曲線、緩和曲線、縦断曲線が説明できる。4前11,前12
地盤土の締固め特性を説明できる。4前10,前13
計画交通流調査(交通量調査、速度調査)、交通流動調査(パーソントリップ調査、自動車OD調査)について、説明できる。4前10
交通需要予測(4段階推定)について、説明できる。4前10
都市の防災構造化を説明できる。4前1,前9
交通流、交通量の特性、交通容量について、説明できる。4前10
性能指標に関する道路構造令の概要を説明できる。4前9,前10
費用便益分析について考え方を説明でき、これに関する計算ができる。4前15
施工・法規建設機械の概要を説明できる。4前10
土工の目的と施工法について、説明できる。4前10
掘削と運搬および盛土と締固めの方法について、説明できる。4前10
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験演習態度合計
総合評価割合603010100
基礎的能力0000
専門的能力603010100
分野横断的能力0000