サイエンスⅡA-1

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 サイエンスⅡA-1
科目番号 6209 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 都市システム工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 総合物理 1 -力と運動・熱-(数研出版)
新課程リードα 物理基礎・物理(数研出版)
学習支援サイトhttps://sites.google.com/s.akashi.ac.jp/physics/(学内限定)
担当教員 武内 將洋

到達目標

1.温度と熱:熱の本質を理解し、熱平衡における熱量保存則の説明ができる。
2.仕事と熱:理想気体の状態方程式を理解し、熱力学第一法則とエネルギー変換についての説明ができる。
3.波の伝わり方:波の要素(A, λ, T, f, v)に関する計算ができ、正弦波の式が立式できる。
4.重ね合わせの原理:波の独立性と定在波について説明できる。
5.波の性質:ホイヘンスの原理を理解し、屈折と反射の法則を説明できる。
6.音と発音体:管弦楽器の本質を理解し、固有振動数を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
温度と熱熱の本質を理解し、熱平衡における熱量保存則の説明が十分にできる。熱の本質を理解し、熱平衡における熱量保存則の説明ができる。熱の本質を理解し、熱平衡における熱量保存則の説明ができない。
仕事と熱理想気体の状態方程式を理解し、熱力学第一法則とエネルギー変換についての説明が十分にできる。理想気体の状態方程式を理解し、熱力学第一法則とエネルギー変換についての説明ができる。理想気体の状態方程式を理解し、熱力学第一法則とエネルギー変換についての説明ができない。
波の伝わり方波の要素(A, λ, T, f, v)に関する計算ができ、正弦波の式が十分に立式できる。波の要素(A, λ, T, f, v)に関する計算ができ、正弦波の式が立式できる。波の要素(A, λ, T, f, v)に関する計算ができ、正弦波の式が立式できない。
重ね合わせの原理波の独立性と定在波について十分に説明できる。波の独立性と定在波について説明できる。波の独立性と定在波について説明できない。
波の性質ホイヘンスの原理を理解し、屈折と反射の法則を十分に説明できる。ホイヘンスの原理を理解し、屈折と反射の法則を説明できる。ホイヘンスの原理を理解し、屈折と反射の法則を説明できない。
音と発音体管弦楽器の本質を理解し、固有振動数を求めることが十分にできる。管弦楽器の本質を理解し、固有振動数を求めることができる。管弦楽器の本質を理解し、固有振動数を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第一学年で学んだ力学1,2,3,4をもとに、熱統計力学・波動力学の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業: 90分間を①本読み、②前時の復習、③一斉講義、④学び合い、⑤プレゼン、⑥振り返り、の6パートに分けて進行します。チームワークの活性化のため学習支援サイトの解説動画の事前視聴を義務付けています。近い将来、③一斉講義を撤廃して反転授業に移行する可能性があることから、学習の軸足を予習に置いておきましょう。
授業者と評価者は異なるべき、という考え方があります。この考え方に則り、定期試験の問題は教員オリジナル作成問題を排除し、市販の高校用問題集からのみ出題します(ただし、数値や問い掛け文章および回答様式は変更されています)。予習動画・授業・課題・試験、の全ては「問題集」を軸としています。教員解説や教科書は参考程度に扱ってよいですが、問題集については第三者外部評価システムと捉え、隅から隅まで完全理解するよう取り組んで欲しいと思います。市井の問題集が解ける!という事実と実感は、学習者が学外活動を行う上で大いなる自信となるでしょう。
本科目に関する明石高専の連絡員(および非常勤講師が担当するクラス):武内。
注意点:
課題: まとめ能力の涵養のため、1または2単元ごとに「メモリーツリー」を作成して頂きます。
試験: 2023年度より中間と期末試験から撤退し授業内の単元テストに移行しました。単元テストはBYODを用いたオンライン上で実施しますが、デバイスは鉛筆や消しゴム等の文房具と考えられることから、接続や充電トラブルは自己責任となる場合があります。
再試: 再試験は行いません。
追試: 公欠学生に対する追加試験は、申請があれば、登校できるようになってから速やかな日程にて実施します。
評価: 評価点はどの時点でも学生自身で計算できます。具体的な計算式は学習支援サイトで説明しているのでイベント毎に計算しておきましょう。
評価の対象としない欠席条件(割合):1/3以上の欠課です。
P.S. 何かを一から考えていいのは中学生までです。巨人の肩の上に立たない学習者は、効率が悪いだけでなく、学問を冒涜しているとも言えます。物理学習ではコミックやCGから受けた誤概念(素朴概念)が正しい理解を妨げることがあります。先人によって培われた思考の『型』を身につけることで、誤概念や疑似科学に惑わされない『骨太な』技術者になりましょう!

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 温度と熱(p204-p215) 問題集の216,219,220,2123が解説できる。
[J/K] [J/g・K] [J/g]の違い、のお話ができる。
2週 比熱の実験 安全に実験し、時間内に報告書を提出できる。
3週 気体の法則(p216-p222) 237,238,239,240が解説できる。
「1013hPa」と「人生の831」のお話ができる。
4週 ◆単元テスト(第11・12章:熱とエネルギー・気体の法則)
気体分子運動論(p224-p229)
247が解説できる。
「温度計で分子速度が測れちゃう!!」のお話ができる。
5週 熱力学第一法則と4つの変化(p230-p236)
250,251,252,254が解説できる。
「8つの家電製品」のお話ができる。
6週 モル比熱と熱機関とp-Vグラフ(p240-p249) 255,256,257,258が解説できる。
7週 ◆単元テスト(第13章:気体分子の運動・気体の状態変化)
波の性質(p8-p19)
問題集267,268,269,270が解説できる。
「12の公式」のお話ができる。
8週 縦波と正弦波の式(p20-p29) 問題集282,283,284,285が解説できる。
「ファッションの流行と待ち時間」のお話ができる。
2ndQ
9週 ◆単元テスト(第14・15章:波の性質と正弦波の式)
重ね合わせの原理と反射(p30-p37)
問題集274,275,276,277が解説できる。
10週 ホイヘンスの原理と反射・屈折の法則(p38-p42) 問題集287,288,289,290が解説できる。
「かめはめ波」のお話ができる。
11週 ◆単元テスト(第16章:平面波を伝わる波)
音の伝わり方(p45-p51)
問題集297,298,299,300が解説できる。
「暴走族撃退装置」のお話ができる。
12週 発音体の振動(p52-p63) 問題集305,306,308,309が解説できる。
「3千円と3億円のバイオリンの違い」のお話ができる。
13週 ドップラー効果(p64-p71) 問題集318,319,320,321が解説できる。
14週 ◆単元テスト(第17・18章:発音体の振動とドップラー効果)
光の性質(p74-p85)
問題集327,328,332,333が解説できる。
「子供はなぜ溺れるか」のお話ができる。
15週 CBT(熱、波動、音) BYODでオンラインテストを受検することができる。
16週 期末試験は実施しない。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3前1
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前1
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前1
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前1
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3前1
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3前3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3前4
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前5
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3前6
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3前6
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3前6
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3前7,後1,後2
横波と縦波の違いについて説明できる。3前8,後1,後2
波の重ね合わせの原理について説明できる。3前9,後3
波の独立性について説明できる。3前9,後3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3前9,後3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3前9,後3
ホイヘンスの原理について説明できる。3前10,後4
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3前10,後4
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3前11,後5
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3前12,後6
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3前12,後6
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3前13,後7
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3前2
安全を確保して、実験を行うことができる。3前2
実験報告書を決められた形式で作成できる。3前2
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3前2
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前2
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前14,後5,後6,後7

評価割合

試験その他合計
総合評価割合4060100
基礎的能力4060100