鋼構造学Ⅰ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 鋼構造学Ⅰ
科目番号 0014 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 都市システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 長井正嗣:橋梁工学【第2版】,共立出版 (テキスト)このほかプリントを配布する.大倉一郎:鋼構造設計学の基礎,東洋書店(参考文献)
担当教員 三好 崇夫

到達目標

(1) 鋼構造物の分類,鋼橋の構成,部材名称や荷重伝達経路について理解し説明できる(D).
(2) 鋼橋の設計に用いる荷重について理解し説明できる(D).
(3) はりの支点反力や断面力に関する影響線を利用して設計断面力を求めることができる(F).
(4) 鋼材の製造方法や材料特性を理解し説明できる(D).
(5) 設計基準に基づいて鋼部材や鋼板の設計法の概要を理解し,安全率や許容応力度について説明できる(D).
(6) 軸力を受ける部材,圧縮力を受ける部材,曲げを受ける部材や曲げと軸力を受ける部材,それらを構成する板要素等について終局強度,許容応力度が計算できる(F).

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1様々な鋼構造物の部材の役目について説明できる鋼構造物の分類,鋼橋の構成,部材名称や荷重伝達経路について理解し説明できる鋼構造物の分類,鋼橋の構成,部材名称や荷重伝達経路について理解し説明できない
評価項目2種々の鋼橋やそれを構成する部材を設計するために,設計荷重を正しく適用できる鋼橋の設計に用いる荷重について理解し説明できる鋼橋の設計に用いる荷重について理解し説明できない
評価項目3様々な構造物を構造力学モデルに置き換え,その支点反力や断面力に関する影響線を利用して設計断面力を求めることができるはりの支点反力や断面力に関する影響線を利用して設計断面力を求めることができるはりの支点反力や断面力に関する影響線を利用して設計断面力を求めることができない
評価項目4鋼材の製造方法や材料特性を十分に理解し説明できる鋼材の製造方法や材料特性を理解し説明できる鋼材の製造方法や材料特性を理解し説明できない
評価項目5設計基準に基づく鋼部材や鋼板の設計法を理解し,安全率や許容応力度について十分に説明できる設計基準に基づく鋼部材や鋼板の設計法の概要を理解し,安全率や許容応力度について説明できる設計基準に基づく鋼部材や鋼板の設計法の概要を理解し,安全率や許容応力度について説明できない
評価項目6構造物中の様々な断面力を受ける部材についてや,それらを構成する板要素等について終局強度,許容応力度が計算できる軸力を受ける部材,圧縮力を受ける部材,曲げを受ける部材や曲げと軸力を受ける部材,それらを構成する板要素等について終局強度,許容応力度が計算できる軸力を受ける部材,圧縮力を受ける部材,曲げを受ける部材や曲げと軸力を受ける部材,それらを構成する板要素等について終局強度,許容応力度が計算できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育目標 (F) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
鋼材は土木構造物の構築に欠かせない材料であり,橋梁,水門,パイプラインや海上プラットフォーム等の多くの鋼構造物が存在する.したがって,鋼材やそれを用いた構造物に関する基礎知識を身につけることは,土木構造物の設計や建設,維持管理に携わる技術者にとっては必要不可欠である.本科目では鋼構造物として鋼橋を取り上げ,特にそれらの設計,製作,架設,維持・補修に必要となる基礎知識を修得する.
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を行い,設計方法や部材の強度評価方法について理解を深めるため,授業中に練習問題を解いて解説する.また,鋼部材や板要素の終局強度,許容応力度などに関するレポート課題を課す.その採点は教員側で行うが,返却後学生に板書させて解説させる.
注意点:
この講義を受ける前に,構造力学について十分理解しておくこと.講義では,構造物を構成する部材のメカニズムや強度特性を理解し,設計基準に従って簡単な構造物の設計計算ができるように努めること.
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鋼構造物と鋼橋の概要
 鋼構造物について分類し,その代表として鋼橋を取り上げる.そして,鋼橋の分類と構造形式,そのメカニズムついて学ぶ.
鋼構造物について分類,鋼橋の分類と構造形式,そのメカニズムが理解できる
2週 鋼橋の構成
鋼橋の構成,寸法を表す用語と部材の名称,荷重伝達経路について学ぶ.
鋼橋の構成,寸法を表す用語と部材の名称,荷重伝達経路が理解できる.
3週 設計荷重(1)
橋梁の設計に用いる荷重の種類,死荷重と活荷重,衝撃の影響について学ぶ.
橋梁の設計に用いる荷重の種類,死荷重と活荷重,衝撃の影響が理解できる
4週 設計荷重(2)
単純プレートガーダー橋を対象として,死荷重の計算方法,活荷重の影響線載荷方法,それによる設計断面力の計算方法について学ぶ.
単純プレートガーダー橋を対象として,死荷重の計算方法,活荷重の影響線載荷方法,それによる設計断面力の計算方法について理解できる
5週 設計荷重(3)
地震力,風荷重,温度変化の影響の設計における考慮方法について学ぶ.
地震力,風荷重,温度変化の影響の設計における考慮方法について理解できる
6週 鋼材(1)
鋼の製造方法,種類,材料特性について学ぶ.
鋼の製造方法,種類,材料特性について理解できる
7週 鋼材(2)
構造用鋼材,設計計算に用いる鋼材の物理定数について学ぶ.
構造用鋼材,設計計算に用いる鋼材の物理定数について理解できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 鋼部材の許容応力度(1)
各種設計基準における設計法,許容応力度設計法の基本的な考え方,許容軸方向引張応力度,局部座屈と全体座屈,柱部材の座屈現象について学ぶ.
各種設計基準における設計法,許容応力度設計法の基本的な考え方,許容軸方向引張応力度,局部座屈と全体座屈,柱部材の座屈現象について理解できる.
10週 鋼部材の許容応力度(2)
溶接部材の初期不整,柱部材の基準耐荷力曲線,許容軸方向圧縮応力度について学ぶ.また,それらを用いた柱部材の強度評価方法について学ぶ.
溶接部材の初期不整,柱部材の基準耐荷力曲線,許容軸方向圧縮応力度について学ぶ.また,それらを用いた柱部材の強度評価方法について理解できる.
11週 鋼部材の許容応力度(3)
桁の横ねじり座屈,耐荷力曲線と許容曲げ圧縮応力度,許容せん断応力度について学ぶ.I形断面桁を対象として,それらに基づいた強度評価法,抵抗モーメントの計算方法について学ぶ.
桁の横ねじり座屈,耐荷力曲線と許容曲げ圧縮応力度,許容せん断応力度について学ぶ.I形断面桁を対象として,それらに基づいた強度評価法,抵抗モーメントの計算方法について理解できる.
12週 鋼部材の許容応力度(4)
補剛板と無補剛板の相違,無補剛板の局部座屈,支持条件(自由突出板,両縁支持板)の相違,それによる強度の相違,座屈係数,弾性座屈応力について学ぶ.
補剛板と無補剛板の相違,無補剛板の局部座屈,支持条件(自由突出板,両縁支持板)の相違,それによる強度の相違,座屈係数,弾性座屈応力について理解できる.
13週 鋼部材の許容応力度(5)
無補剛板の初期不整,耐荷力曲線,局部座屈に対する許容応力度,最小板厚制限,それらを用いた強度評価方法について学ぶ.
無補剛板の初期不整,耐荷力曲線,局部座屈に対する許容応力度,最小板厚制限,それらを用いた強度評価方法について理解できる.
14週 鋼部材の許容応力度(6)
補剛板の意義,補剛板の局部座屈,耐荷力曲線,許容応力度と最小板厚制限,補剛材剛度について学ぶ.
補剛板の意義,補剛板の局部座屈,耐荷力曲線,許容応力度と最小板厚制限,補剛材剛度について理解できる
15週 鋼部材の許容応力度(7)
圧縮部材の連成座屈,連成座屈を考慮した許容応力度,簡単な溶接構造のS-N曲線と疲労限界,疲労強度評価法について学ぶ.
圧縮部材の連成座屈,連成座屈を考慮した許容応力度,簡単な溶接構造のS-N曲線と疲労限界,疲労強度評価法について理解できる
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート質疑応答合計
総合評価割合801010100
0000
専門的能力801010100