建築設計演習ⅣA

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 建築設計演習ⅣA
科目番号 0066 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 日本建築学会編『コンパクト建築設計資料集成』丸善、長沢悟・中村勉『スクール・リボリューション―個性を育む学校』 彰国社、その他、課題内容に応じた資料を適宜配布する
担当教員 工藤 和美,水島 あかね,小林 直紀

到達目標

1)複雑な与条件をもとにコンセプトをまとめ、動線・ゾーニングのエスキスができる
2)模型を製作し、ソフトウェアを活用して提案内容を図面やスケッチ、写真などを用いて分かりやすくプレゼンボードに表現することができる
3)プレゼンボードを用いて提案内容を簡潔に伝え、質疑意見に対して討論することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自分一人で複雑な与条件を整理し、エスキスを重ねて提案内容をまとめることができる教員のアドバイスを受けながら複雑な与条件を整理し、エスキスを重ねて提案内容をまとめることができる複雑な与条件を整理し、エスキスを踏まえて提案内容をまとめることができない
評価項目2自身で適切な表現を選択し、提案内容を分かりやすくプレゼンボードに表現することができる提案内容を分かりやすくプレゼンボードに表現することができる提案内容を分かりやすくプレゼンボードに表現することができない
評価項目3プレゼンボードを用いて提案内容を簡潔に伝え、質疑意見に対して討論することができるプレゼンボードを用いて提案内容を伝え、質疑意見に対して受け答えすることができるプレゼンボードを用いて提案内容を簡潔に伝え、質疑意見に対して討論することができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (E) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業では、これまでに学んできた設計の基礎的事項をさらに発展させ、複雑に絡み合った様々な条件のもとでの空間設計能力を身につけることを目的とする。課題は1)地域に密着した小学校の設計と2)全国高専デザインコンペティションである。
また、現在組織設計事務所に勤務し最新の建築設計に従事している教員(小林)が、その知識や経験を活かして活かした講評やミニレクチャーを実施する。
授業の進め方・方法:
本授業ではエスキスと講評を中心に進める。第1課題では、小学校に求められる諸条件を整理した上で、必要なプログラムと空間を構想し、設計する能力を養う。第2課題では課題を読み解き、グループで一つの形にまとめたアイディアをプレゼンボード一枚に表現する能力を養う。水島は全ての授業を担当する。工藤は1,3,4,8,11,12,15週
小林は4週と10週を担当する。
注意点:
積極的に敷地に足を運び、関連資料の収集に努めること。また日常から建築分野に関わる多様な情報に対する関心を高め、建築物の現地見学を自主的に実践し、独創的な発想を育成するとともに、建築設計に有効な手法や態度を学びとること。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/4以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション(水島・工藤)
本授業の進め方と課題の意義や内容に関する説明
今日の学校建築に求められていることが説明できる
2週 第1課題「小学校の設計」-敷地調査(水島)
対象敷地の調査を行い、見学レポートをまとめる
敷地や周辺環境を読み取りレポートにまとめることができる
3週 第1課題「小学校の設計」- 構想計画I(水島・工藤)
敷地調査レポートの共有とボリューム・ブロックプラン検討
与条件を整理し、全体構想をまとめることができる
4週 第1課題「小学校の設計」-構想計画II(水島・工藤・小林)
ミニレクチャー・構想計画の講評
構想計画を説明することができる
5週 第1課題「小学校の設計」-基本計画(水島)
ボリュームの検討・図面の作製
規模や機能を決定することができる
6週 第1課題「小学校の設計」-基本計画の見直し・詳細検討(水島) 基本計画をまとめることができる
7週 第1課題「小学校の設計」-最終設計I(水島)
第1課題「小学校の設計」-基本計画の見直し・詳細検討
平面図、断面図、立面図を完成させることができる
8週 第1課題「小学校の設計」-中間発表会(水島・工藤) 基本計画・コンセプトなどを発表することができる
2ndQ
9週 第1課題「小学校の設計」-最終図面の作成1(水島)
CADを用いて図面を作製し、プレゼンボードを完成させる
プレゼンボードを完成させることができる
10週 第1課題「小学校の設計」-最終図面の作成2(水島)
CADを用いて図面を作製し、プレゼンボードを完
プレゼンボードを完成させることができる
11週 第1課題「小学校の設計」-講評会(水島・工藤・小林)
完成した作品についての説明し、講評を受ける
講評会により明らかになった課題を修正し、プレゼンボードの完成度を高める
競技設計課題の内容を読みとる
プレゼンボードを用いて説明し、講評に対して自分の意見を述べることができる
12週 第2課題「全国高専デザインコンペティション競技設計課題」-草案作成(水島・工藤) 課題の趣旨を読み取り、一人で草案を作成することができる
13週 第2課題「全国高専デザインコンペティション競技設計課題」-草案発表・ブレインストーミング(水島)
持ち寄った草案をもとにグループでブレインストーミングを行う
グループでアイディアを固めることができる
14週 第2課題「全国高専デザインコンペティション競技設計課題」-グループ作業(水島)
プレゼンボードを作製する
エスキスチェックを踏まえ、プレゼンボードの作製を行う
提案をプレゼンボードをまとめることができる
15週 第2課題「全国高専デザインコンペティション競技設計課題」-発表会(水島・工藤)
講評を受け提出図面を完成させる
提案をスライドを用いて分かりやすくプレゼンテーションすることができる
16週 期末試験実施せず(講評を元にプレゼンボードの改善を行う)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野設計・製図製図用具の特性を理解し、使用できる。4前5,前7,前8,前12,前13,前14
線の描き分け(3種類程度)ができる。4前5,前7,前8,前12,前13,前14
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。4前5,前7,前8,前12,前13,前14
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。4前2,前5,前7,前8,前12,前13,前14
図面の種類別の各種図の配置を理解している。4前2,前5,前7,前8,前12,前13,前14
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。4前5,前7,前8,前12,前13,前14
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。4前2,前5,前7,前8,前12,前13,前14
ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。4前5,前7,前8,前12,前13,前14
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。4前2,前3,前5,前7,前8,前13,前14
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13,前14
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。4前3,前5,前6,前8,前12,前13,前14
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。4前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13,前14
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。4前5,前6,前7,前8,前13,前14
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。4前4,前5,前6,前8,前9,前10,前13,前15
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前13
建築の構成要素(形と空間の構成)について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前13,前14,前15
建築における形態(ものの形)について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前13,前14,前15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前1,前11,前12
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。4前4,前6,前8,前12,前14
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。4前4,前6,前8,前9,前10,前13,前14
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前2,前3,前5,前11,前12
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前2,前3,前5,前11,前12
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前2,前3,前5,前8,前11,前12
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前14,前15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前2,前3,前5,前12,前13
複数の情報を整理・構造化できる。3前2,前3,前5,前6,前12,前13,前15
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前1,前2,前5,前8,前11,前12,前13
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前2,前6,前12,前13,前15
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前2,前4,前8,前9,前10
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前2,前4,前6,前8,前10
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前2,前4,前6,前8,前10
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前2,前4,前6,前8,前9,前10,前15
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性目標の実現に向けて計画ができる。3前3,前6,前8,前9,前12,前15
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前2,前15
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前2,前15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前2,前15
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前2,前15
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。1前4
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。1前4
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。1前4
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。1前4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。2前4
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。2前4
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。2前4
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。2前4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2前4
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。2前4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前3,前4,前6,前8,前9,前10,前12,前13,前15
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前1,前3,前4,前6,前8,前10,前12,前15

評価割合

レポート・エスキス最終成果物発表合計
総合評価割合207010100
基礎的能力510015
専門的能力1560075
分野横断的能力001010