建築構造演習

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 建築構造演習
科目番号 0110 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 日本建築学会:「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」、日本建築学会
担当教員 田坂 誠一,角野 嘉則

到達目標

(1)小規模鉄筋コンクリート造建築物(純フレーム構造)の構造計画とCADによる軸組図などの作成ができる。
(2)準備計算、鉛直荷重時応力の算定、水平荷重時応力の算定、架構応力図の作成などができる。
(3)梁と柱の断面算定表の作成、層間変形角・偏心率・剛性率の計算、節点モーメント分割法による保有耐力の検定などができる。
(4)グループワークの成果として、班員と協力しながら設計対象建築物全体の構造計算書レポートが作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1小規模鉄筋コンクリート造建築物(純フレーム構造)の構造計画とCADによる軸組図などの作成が適切にできる。小規模鉄筋コンクリート造建築物(純フレーム構造)の構造計画とCADによる軸組図などの作成ができる。小規模鉄筋コンクリート造建築物(純フレーム構造)の構造計画とCADによる軸組図などの作成ができない。
評価項目2準備計算、鉛直荷重時応力の算定、水平荷重時応力の算定、架構応力図の作成などが適切にできる。準備計算、鉛直荷重時応力の算定、水平荷重時応力の算定、架構応力図の作成などができる。準備計算、鉛直荷重時応力の算定、水平荷重時応力の算定、架構応力図の作成などができない。
評価項目3梁と柱の断面算定表の作成、層間変形角・偏心率・剛性率の計算、節点モーメント分割法による保有耐力の検定などが適切にできる。梁と柱の断面算定表の作成、層間変形角・偏心率・剛性率の計算、節点モーメント分割法による保有耐力の検定などができる。梁と柱の断面算定表の作成、層間変形角・偏心率・剛性率の計算、節点モーメント分割法による保有耐力の検定などができない。
評価項目4グループワークの成果として、班員と協力しながら設計対象建築物全体の構造計算書レポートが適切に作成できる。グループワークの成果として、班員と協力しながら設計対象建築物全体の構造計算書レポートが作成できる。グループワークの成果として、班員と協力しながら設計対象建築物全体の構造計算書レポートが作成できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (F) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (H) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
小規模な鉄筋コンクリート造建築物(純フレーム構造)の構造計画・構造計算を行い、構造計算書を作成し、構造設計のプロセスを学ぶ。コンクリートや鉄筋の特性、許容応力度、部材断面設計などの知識を援用して、現行設計基準に基づく荷重の算定、構造計算、断面算定、保有耐力評価など、構造設計の一連の流れを修得する。また、グループワークを通して構造設計における共同作業のあり方を学ぶ。(オムニバス方式、複数教員担当方式、角野:36時間、田坂:36時間)
授業の進め方・方法:
講義および演習形式
注意点:
構造設計の一連のプロセスを理解することが主要目的である。途中で放棄せず最後まで自分の手で仕上げることが重要である。中間と期末の時点で課題のプレゼンテーションを行い、構造計算書レポートを提出する。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 課題説明
演習日程を説明する。グループ分けを行う。
小規模な鉄筋コンクリート造建築物を想定し、建物の概要・設計条件・構造計算の流れを説明。
小規模な鉄筋コンクリート造建築物を想定し、建物の概要・設計条件・構造計算の流れを説明できる。
2週 一般事項(1)
建物の概要・設計条件の把握。グループの架構形状を決定する。
設計方針、材料の許容応力度一覧、設計用床荷重表を作成する。
建物の概要・設計条件の把握。グループの架構形状を説明できる。
3週 一般事項(2)
構造計画方針、部材の仮定断面設定の考え方を説明する。
仮定部材の単位重量表の作成を行う。計算用の伏せ図、軸組み図の作成をする。
構造計画方針、部材の仮定断面設定の考え方を説明できる。
仮定部材の単位重量表の作成を行う。計算用の伏せ図、軸組み図の作成できる。
4週 準備計算
各準備計算の手順を説明する。
部材の剛比の計算、鉛直荷重時CMQの算定,柱軸力及び地震力の算定を行う。
部材の剛比の計算、鉛直荷重時CMQの算定,柱軸力及び地震力の算定が出来る。
5週 鉛直荷重時応力の算定(1)
鉛直荷重時応力の算定の説明を行う。
固定モーメント法により鉛直荷重時の部材の応力を計算する。
固定モーメント法により鉛直荷重時の部材の応力を計算できる。
6週 鉛直荷重時応力の算定(2)
鉛直荷重時の応力図を作成し、長期設計用応力を定める。
(中間発表、構造計算書レポート(Ver.1)の提出)
鉛直荷重時の応力図を作成し、長期設計用応力を定めることが出来る。
7週 水平荷重時応力の算定(1)
水平荷重時応力の算定の説明を行う。
D値法により水平荷重時の部材の応力を計算する。
D値法により水平荷重時の部材の応力を計算できる。
8週 水平荷重時応力の算定(2)
水平荷重時の応力図を作成し、短期設計用応力を定める。
(構造計算書レポート(Ver.1)に追加・修正を行いレポート(Ver.2)として提出)
水平荷重時の応力図を作成し、短期設計用応力を定めることができる。
2ndQ
9週 層間変形角・偏心率・剛性率の計算
層間変形角・偏心率・剛性率の計算方法を説明する。
層間変形角・偏心率・剛性率を計算し、許容値との比較を行う。
層間変形角・偏心率・剛性率を計算し、許容値との比較を行うことが出来る。
10週 断面算定 (1)
柱・梁の断面算定の説明を行う。
大梁の断面算定を行う。(曲げモーメントとせん断力について検討する)
曲げモーメントとせん断力について検討し、大梁の断面算定をおこなえる。
11週 断面算定(2)
柱の断面算定を行う。(曲げモーメントとせん断力について検討する)
曲げモーメントとせん断力について検討し、柱の断面算定をおこなえる。
12週 保有水平耐力の検討(1)
保有水平耐力の説明をする。
保有水平耐力について説明できる。
13週 保有水平耐力の検討(2)
節点モーメント分割法による保有水平耐力の算定を行う。
節点モーメント分割法による保有水平耐力の算定をおこなえる。
14週 保有水平耐力の検討(3)
必要保有水平耐力の算定を行い、保有耐力との比較検討を行う。
必要保有水平耐力の算定を行い、保有耐力との比較検討をおこなえる。
15週 まとめ
構造計算書と代表ラーメンの配筋詳細図を作成する。
(構造計算書レポート(Ver.2)に追加・修正を行いレポート(Ver.3)として最終提出)
構造計算書と代表ラーメンの配筋詳細図を作成できる。
16週 期末試験実施せず

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野構造鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。4
構造計算の設計ルートについて説明できる。4
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。4
断面内の応力の分布について説明できる。4
許容曲げモーメントを計算できる。4
主筋の算定ができる。4
釣合い鉄筋比について説明ができる。4
中立軸の算定ができる。4
許容せん断力を計算できる。4
せん断補強筋の算定ができる。4
終局曲げモーメントについて説明できる。4
終局剪断力について説明できる。4
断面内の応力の分布について説明できる。4
許容曲げモーメントを計算できる。4
MNインターラクションカーブについて説明できる。4
主筋の算定ができる。4
釣合い鉄筋比について説明ができる。4
中立軸の算定ができる。4
許容せん断力を計算できる。4
せん断補強筋の算定ができる。4
終局曲げモーメントについて説明できる。4
終局剪断力について説明できる。4

評価割合

試験発表グループワークの取組態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合08020000100
基礎的能力0000000
専門的能力08020000100
分野横断的能力0000000