建築史Ⅰ

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 建築史Ⅰ
科目番号 4120 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 カラー版 図説 建築の歴史 西洋・日本・近代、学芸出版社、西田雅嗣 著 矢ヶ崎善太郎 著
担当教員 東野 アドリアナ

到達目標

建築史・デザインの様式の変遷を理解する。日本における、原始から近世までの建築様式の変化を理解するとともに、時代ごとの社会世情、交通手段、および生活感の変化を前提として、社会の中の都市、都市の中の建築、建築の中の住生活という体系を理解する領域である。西洋の建築様式:古代, 中世,近世の特徴について説明できる。日本および海外における近現代の建築様式の特徴を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
日本建築の古代日本建築の古代(住宅建築、寝殿造、都市計画、神社建築、寺院建築)の特徴について良く説明できる。日本建築の古代(住宅建築、寝殿造、都市計画、神社建築、寺院建築)の特徴について説明できる。日本建築の古代(住宅建築、寝殿造、都市計画、神社建築、寺院建築)の特徴について説明できない。
日本建築の中世日本建築の中世(住宅建築、神社建築、寺院建築:大仏様、禅宗様、折衷様)の特徴について良く説明できる。日本建築の中世(住宅建築、神社建築、寺院建築:大仏様、禅宗様、折衷様)の特徴について説明できる。日本建築の中世(住宅建築、神社建築、寺院建築:大仏様、禅宗様、折衷様)の特徴について説明できない。
日本建築の近世(日本建築の近世(住宅建築、書院造、数寄屋風書院、町屋、農家、茶室、霊廟、社寺建築、城郭)の特徴について良く説明できる。日本建築の近世(住宅建築、書院造、数寄屋風書院、町屋、農家、茶室、霊廟、社寺建築、城郭)の特徴について説明できる。日本建築の近世(住宅建築、書院造、数寄屋風書院、町屋、農家、茶室、霊廟、社寺建築、城郭)の特徴について説明できない。
西洋の建築様式古代, 中世,近世西洋の建築様式古代, 中世,近世の特徴について良く説明できる。西洋の建築様式古代, 中世,近世の特徴について説明できる。西洋の建築様式古代, 中世,近世の特徴について説明できない。
日本および海外における近現代の建築様式近現代の建築様式日本および海外における近現代の建築様式の特徴について良く説明できる。近現代の建築様式日本および海外における近現代の建築様式の特徴について説明できる。近現代の建築様式日本および海外における近現代の建築様式の特徴について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建築史1では日本、西洋と近代建築史の建築様式の移り変わりを全体的に理解することを目的とする。日本建築史を中心に古代から近世までの日本建築の様式、空間特性を各時代の特質と歴史的な変遷を、社会的・文化的背景と関連づけながらデザインの特徴を解することを目的とする。日本各時代の空間の特有構成を見学を通して体験し、特徴を理解する。西洋の建築様式古代, 中世,近世のデザイン特徴を理解できる。日本および海外における近現代の建築様式の特徴を説明できる。
授業の進め方・方法:
日本伝統建築の各時代のデザイン特徴と社会背景をスライド講義で説明し、小野市浄土寺浄土堂(12世紀)、加古川市鶴林寺(近世)と姫路市姫路城の建物見学を通して、歴史的の空間とデザイン特徴の理解を深まる。
注意点:
毎回の講義準備として教科書を読書し、レポートにまとめて提出すること。日本建築史の基礎的な知識を身につけるべく予習・復習を行うこと。
評価はレポート100%。 合格の対象としない欠席条件(割合) 1/4以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 建築史とはなんですか?
古代:縄文/弥生・飛鳥
1 日本建築の曙:縄文・弥生・古墳時代の住居・集落(pp68,69)
読書:伊東忠太 「建築の本義」と「妖怪研究」
日本原始時代の建築様式(竪穴住居、高床建築など)の特徴について説明できる。
2週 古代:奈良時代の寺院仏
2 教建築の伝来:飛鳥・白鳳時代の寺院
3 鎮護国家と仏教建築の力強さ:奈良(天平)時代の寺院
日本奈良時代の寺院建築様式の特徴について説明できる。
3週 古代:平安時代の寺院
4 国風化の流れと密教空間:平安時代の密教寺院
5 建築と景観の融合:平安時代の浄土教寺院
日本平安時代の寺院建築様式の特徴について説明できる。
4週 古代:古代の神社建築
6 国家的神社成立の契機:古代の形式を伝承する神社
7 優美な杜:奈良・平安期成立の神社
日本古代の神社建築様式の特徴について説明できる。
5週 奈良・平安時代の都城と住宅
8 一代一宮から千年の都へ:古代の宮殿と都城
9 王朝絵巻の空間:寝殿造
読書:「人物でよむ建築史 聖徳大使 建築で国を興した大工の祖」
日本古代の住宅建築様式と都市計画の特徴について説明できる。
6週 中世: 大仏様と禅宗様
10 革新的な建築構造:大仏様の建築
11 禅宗の伝来と宋風伽藍の輸入:禅宗様の建築
日本中世に導入された新寺院建築様式、大仏様、禅宗様と折衷様の特徴について説明できる。
7週 見学: 大仏様、禅宗様と折衷様
小野市小野市浄土寺浄土堂を見学
中世(住宅建築、神社建築、寺院建築:大仏様、禅宗様、折衷様)の特徴について説明できる。
8週 中世:新和様と折衷様と中世の神社和様の変化と12 新しい意匠感覚:新和様と折衷様
13 洗練化と新興の神社:中世の神社
読書:「人物で読む建築史:重源・栄西 大陸の新風 」
中世(住宅建築、神社建築、寺院建築:大仏様、禅宗様、折衷様)の特徴について説明できる。
4thQ
9週 見学: 鶴林寺
中世寺院と平安時代の堂 鶴林寺を見学
日本平安時代と近世の寺院建築様式の特徴について説明できる。
10週 中世の住宅
14 座敷の成立と武家文化 北山 文化・東山文化
15 庶民の住まい 中世の民家
中世(住宅建築、神社建築、寺院建築:大仏様、禅宗様、折衷様)の特徴について説明できる。
11週 近世:城郭建築と書院造り
16 戦国武将の象徴:城郭建築
17 権威と装飾:書院造
近世の城郭建築と書院造の特徴について説明できる。
12週 見学:姫路城
近世の城郭建築
近世の城郭建築と書院造の特徴について説明できる。
13週 茶室と数奇屋
18 わびの造形:茶室
19 洗練 美を求めて 数寄屋風書院
千利休:わび茶の大成と茶室の草体化
茶室の起こし絵図作成(ハサミ+のり)
近世の住宅建築:書院造と茶室の特徴について説明できる。
14週 近世の寺院と神社
20 庶民信仰と 寺院建築 近世の寺院
21 霊廟と装飾 近世の神社
近世の城郭建築と現代建築の特徴について説明できる。
15週 近世の民家と近代の始まり
22 風土性の表現 近世の民家
23 人間らしさの展開 学校・大店・関場・遊郭
日本近世の寺社建築および住宅建築の様式の特徴について説明できる。
16週 レポート: 近代建築史(教科書p119-170)レポート: 西洋建築史(pp17-66) 西洋建築史の建築様式のの特徴について説明できる。日本および海外における近現代の建築様式の特徴を説明できる。 

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野計画・歴史現代社会における都市計画の課題の位置づけについて説明できる。2後16
モデュールについて説明できる。2後2,後16
古代(例えば、エジプト、オリエント、エーゲ海、ギリシャ、ローマなど)の特徴について説明できる。2後16
中世(例えば、ビザンチン、イスラム、ロマネスク、ゴシックなど)の特徴について説明できる。2後8
近世(例えば、ルネサンス、マニエリスム、バロック、ロココなど)の特徴について説明できる。2後8,後16
原始(例えば、竪穴住居、高床建築、集落など)の特徴について説明できる。2後1,後2
古代(例えば、住宅建築、寝殿造、都市計画、神社建築、寺院建築など)の特徴について説明できる。2後1,後2,後3,後4,後13
中世(例えば、住宅建築、神社建築、寺院建築(大仏様、禅宗様、折衷様など))の特徴について説明できる。2後5,後6,後7,後11,後13
近世(例えば、住宅建築、書院造、数寄屋風書院、町屋、農家、茶室、霊廟、社寺建築、城郭)の特徴について説明できる。2後8,後9,後10,後12,後14
日本および海外における近現代の建築様式の特徴について説明できる。2後12,後15,後16
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2
複数の情報を整理・構造化できる。2
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2
目標の実現に向けて計画ができる。2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2

評価割合

教科書まとめ小テスト西洋/近代レポート見学レポート合計
総合評価割合20202040100
基礎的能力100101030
専門的能力1020103070
分野横断的能力00000