グローバルスタディーズ入門

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 グローバルスタディーズ入門
科目番号 4210 科目区分 一般 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 特に指定せず。必要に応じ資料を配布。
担当教員 荒川 裕紀

到達目標

1.世界に(そして日本国内にも)さまざまな文化や歴史があることを理解・実感し、自国・自民族の文化を相対的な視点で捉えることができる。
2.国際社会におけるコミュニケーションがどのように行われているかを理解し、自分がどのようなコミュニケーション態度・レベルを目指すべきか、具体的な目標を決めることができる。
3.コスモポリタン、特に国際的技術者に必要な素養は何かを考え、自分なりの意見を持つ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1国内外には多様な文化が併存することを理解し、自国・自民族の文化を相対的な視点で捉えることができる。 国内外に多様な文化が併存することを理解している。民族・文化の概念を十分理解していない。
評価項目2国際・異文化コミュニケーションの必要性と現状を理解し、自分自身の問題として捉え,自分に必要なコミュニケーションスキルを具体的にイメージできる。国際・異文化コミュニケーションの現状を理解している。国際社会における異文化コミュニケーションの必要性と現状を理解できていない。
評価項目3コスモポリタン、特に国際的技術者に必要な素養は何かを考え、自分なりの意見を持ち、大いに討論できる。コスモポリタン,特に国際的技術者に必要な素養は何かを考え、自分なりの意見を持ち、その表現が出来る。コスモポリタン、特に国際的技術者に必要な素養は何かを考え,自分なりの意見を持っていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
様々な事例を通して、「国際化」「グローバル化」とはどのような状況であるかを理解する。また、国際化に伴う諸問題を認識し、それにどう対処すべきかを考える。さまざまな意味で「多様な」社会で生きる「コスモポリタン」としての素養を身に付ける。
授業の進め方・方法:
いくつかのテーマにつき、講義を行う。さらに様々なテーマでのディベートを行う。
注意点:
「知ること」だけでなく、討議・ディベートなどを通じて「考え・悩むこと」も求めるので,受講生各人が積極的に参加すること。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 世界諸地域で異なる「国際」 「国際的な視野」「国際感覚」「グローバルに活躍」といった言葉が具体的にどのようなことを指しているのかを、歴史的な経緯も含めながらの理解が出来る。
2週 東アジアにおける国際 近現代に東アジアの関係史を学んだ上で、現在東アジアで存在する社会問題についての理解が出来る。
3週 アジアにおける戦後体制と発展 現在の東アジアにおける「国際」理解に大きく寄与した、冷戦以降の体制について、理解を深める。冷戦終結後、日本がどのような工業発展を遂げるべきなのかの認識を各学生が持つ。
4週 トランスナショナル・インターナショナルとは 映像作品などに描かれた、「ディアスポラ」「移民」「在留外国人」などについての理解を深め、内なる国際化と、外なる国際化についての認識を深める。
5週 世界に出るということ 「グローバル」と「インターナショナル」との違いについて、諸事齢や映像作品を基にして解説し、その用語の使われ方や意味についての理解を深める。
6週 国際語は英語なのか ディベートなどを通じ、国際語として認識されている言語の重要さを理解する。
7週 世界にエンジニアが出るということ 実際に活躍するエンジニアや留学生などを呼んで、実際に彼らが直面する国際的・グローバルな問題についての知識を深める。
8週 日本社会におけるエスニシティ 講演を実施。講義前半を振り返り,理解や問題意識を整理する。レポートも課す。
4thQ
9週 民族・文化の共存をめぐる諸問題(1) 在日コリアンなどのマイノリティに関わる諸問題に対する理解を深め,複数民族・文化の併存のあり方を考える。
10週 民族・文化の共存をめぐる諸問題(2) 日本がかつて経験した移民史を確認し、認識を深める。その上で、民族共存に関する考え方を考察する。
11週 民族・文化の共存をめぐる諸問題(3) ディベートを通じ、多文化共生の在り方について討論する。
12週 国家とは 国家とはいかに作られてきたのか。日本を含めた各国の事例を基に近代国家の存在理由と共に考察する。
13週 言語とは、国語とは、民族とは 世界的に多発する、民族紛争。その民族とは具体的に何なのか。諸背景を基に本質的な理解を深める。
14週 各人が世界に出るということ 近い将来、エンジニアとして世界に出ることが増えていくであろう、学生たちにとって、自分の何が武器となり、モチベーションとなるのか。ディベートを通じた上で考察をする。
15週 まとめ:国際人とは? ディベートを通じて全講義を振り返り,各人の「コスモポリタン」像を確認する。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。1後13,後14,後15
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。2後13,後14,後15
社会における技術者の役割と責任を説明できる。1後13,後14,後15
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後13,後14,後15
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3後13,後14,後15
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3後14,後15
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3後14,後15
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3後14,後15
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3後14,後15
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3後14,後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3後1,後11,後13,後14,後15
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3後1,後11,後13,後14,後15
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3後1,後11,後13,後14,後15
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3後1,後11,後13,後14,後15
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3後1,後11,後13,後14,後15
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3後1,後11,後13,後14,後15
他者の意見を聞き合意形成することができる。1後6,後11,後15
合意形成のために会話を成立させることができる。1後6,後11,後15
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2後6,後11,後15
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2後6,後7,後11,後14,後15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。1後6,後7,後11,後14,後15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2後6,後11,後14,後15
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。1後14,後15
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。1後14,後15
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2後6,後11,後14,後15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2後14,後15
複数の情報を整理・構造化できる。2後6,後11,後15
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2後6,後11,後15
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2後6,後11,後15
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後6,後11,後15
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。1後6,後11,後15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。1後14,後15
事実をもとに論理や考察を展開できる。1後14,後15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。1後14,後15
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2後14,後15
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2後14,後15
目標の実現に向けて計画ができる。2後14,後15
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2後14,後15
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2後14,後15
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3後11,後14,後15
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後11,後14,後15
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後11,後14,後15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後11,後14,後15
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後11,後14,後15
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3後11,後14,後15
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後11,後14,後15
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3後11,後14,後15
法令やルールを遵守した行動をとれる。3後14,後15
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3後14,後15
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3後14,後15
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3後14,後15
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3後14,後15
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3後14,後15
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3後14,後15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。1後14,後15
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3後6,後11,後14

評価割合

試験発表相互評価レポートポートフォリオその他合計
総合評価割合602002000100
基礎的能力602002000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000