建築生産A

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 建築生産A
科目番号 4517 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】初学者の建築講座「建築施工」(第3版)、市ヶ谷出版社、中澤明夫、角田誠共著、【参考図書】建築工事標準仕様書(日本建築学会編)JASS 5 鉄筋コンクリート工事
担当教員 中川 肇,山口 修一

到達目標

建築生産に関する工事請負契約、関連法令、品質管理、原価管理、工程管理、安全衛生・環境管理の要点を習得する。 建築工事の着工までに必要な計画業務の要点と、仮設工事・土工事・鉄筋コンクリート工事に関する材料や施工管理の基本的な知識を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工事の流れ(仮設・準備・基礎・ 地業・躯体・仕上げ・設備(電気・空調・給排水・衛生)・解体 )について適切に説明できる。工事の流れ(仮設・準備・基礎・ 地業・躯体・仕上げ・設備(電気・空調・給排水・衛生)・解体 )について説明できる。工事の流れ(仮設・準備・基礎・ 地業・躯体・仕上げ・設備(電気・空調・給排水・衛生)・解体 )について説明できない。
評価項目2請負契約(見積り、積算を含む)、瑕疵・保証について適切に説明できる。請負契約(見積り、積算を含む)、瑕疵・保証について説明できる。請負契約(見積り、積算を含む)、瑕疵・保証について説明できない。
評価項目3仮設、山留、地業工事について適切に説明できる。仮設、山留、地業工事について説明できる。仮設、山留、地業工事について説明できない。
評価項目4型枠・コンクリート・鉄筋工事の概要及び各要点が適切に説 明できる。型枠・コンクリート・鉄筋工事の概要及び各要点が説 明できる。型枠・コンクリート・鉄筋工事の概要及び各要点が説 明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
建築生産における工事請負契約、品質・原価・工程・安全環境管理の要点と、着工までの計画業務、仮設工事・土工事・鉄筋コンクリート工事の材料・施工管理について基本的な事項を説明する。建築工事における工事管理に必要な基礎知識の習得を目指す。この科目は企業において、建設現場での設計監理業務(山口、中川)を経て得た知識を基に、建築生産に関する各工事について講義、演習で行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書及び補足説明資料に基づいて講義を行う。講義は、山口が13週、演習、レポート、中間試験(監督)は、中川が2週、担当する。
注意点:
建築は実際に建造されて目標が達成される。5年間で学んだ基礎知識を元に、構造、材料、計画の集大成として建築生産を学習されたい。本科目は必修科目であるが、欠席超過に対する補充指導は原則、実施しない。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 建築生産の概論(1)
我が国における建築生産の現状と仕組みを説明する。建築工事の各種施工形態とそれぞれの特徴について説明する。
我が国における建築生産の現状と仕組みを説明する。建築工事の各種施工形態とそれぞれの特徴について説明ができる。
2週 建築生産の概論(2)
建築工事における工事請負契約の方式とそれぞれの特徴、工事費の積算、工事監理者/工事管理者それぞれの責務について説明する。
建築工事における工事請負契約の方式とそれぞれの特徴、工事費の積算、工事監理者/工事管理者それぞれの責務について説明ができる。
3週 施工計画(1)
建築工事における品質管理、契約不適合責任、原価管理、安全衛生管理、環境管理について説明する。
建築工事における品質管理、契約不適合責任、原価管理、安全衛生管理、環境管理について説明ができる。
4週 施工計画(2)
工程計画と工程管理について説明する。鉄筋コンクリート造と鉄骨造建物の工程表の例について説明する。
工程計画と工程管理について説明する。鉄筋コンクリート造と鉄骨造建物の工程表の例について説明ができる。
5週 施工計画(3)
地盤調査と測量、現場組織の概要、関係官庁への申請と届出、建設資材の管理と主な建設機械について説明する。レポート課題(1)を課す。
地盤調査と測量、現場組織の概要、関係官庁への申請と届出、建設資材の管理と主な建設機械について説明ができる。
6週 仮設工事 
共通仮設工事と直接仮設工事の概要と、使用する仮設機材・安全設備について説明する。
共通仮設工事と直接仮設工事の概要と、使用する仮設機材・安全設備について説明ができる。
7週 土工事
土工事の概要と、山留め工法及び水替え工(排水・止水工)の種類と特徴、これらの計測管理について説明する。
土工事の概要と、山留め工法及び水替え工(排水・止水工)の種類と特徴、これらの計測管理について説明ができる。
8週 中間試験
第1~7週の範囲から試験を行う。
試験を通じて、授業の内容が理解できる。
2ndQ
9週 地業・基礎工事
基礎及び地業の種類とそれぞれの概要、各種杭工法、主な地盤改良工法について説明する。
基礎及び地業の種類とそれぞれの概要、各種杭工法、主な地盤改良工法について説明ができる。
10週 鉄筋コンクリート工事(1)
鉄筋コンクリート工事の概要、鉄筋の種類と各部位の呼称、かぶり厚さ、間隔とあき、継手と定着の基準について説明する。
鉄筋コンクリート工事の概要、鉄筋の種類と各部位の呼称、かぶり厚さ、間隔とあき、継手と定着の基準について説明ができる。
11週 鉄筋コンクリート工事(2)
鉄筋の加工組み立てとガス圧接継ぎ手の概要、配筋の一般的な手順、配筋検査の項目について説明する。
鉄筋の加工組み立てとガス圧接継ぎ手の概要、配筋の一般的な手順、配筋検査の項目について説明ができる。
12週 鉄筋コンクリート工事(3)
型枠を構成する材料とその用途、型枠施工前の検討事項、型枠加工・組立て・検査の一般的な手順、型枠存置期間について説明する。
型枠を構成する材料とその用途、型枠施工前の検討事項、型枠加工・組立て・検査の一般的な手順、型枠存置期間について説明ができる。
13週 鉄筋コンクリート工事(4)
コンクリートの種類とその特徴、コンクリートの基準強度、コンクリートの品質問題とその対策について説明する。
コンクリートの種類とその特徴、コンクリートの基準強度、コンクリートの品質問題とその対策について説明できる。
14週 鉄筋コンクリート工事(5)
コンクリート打設に関する一般的な手順、打設後の養生、現場における品質管理について説明する。
コンクリート打設に関する一般的な手順、打設後の養生、現場における品質管理について説明ができる。
15週 演習課題(1)
9~14週目の内容について演習を行う。
演習を通じて、9~14週目の内容が理解できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野施工・法規請負契約(見積り、積算を含む)について説明できる。4前2
瑕疵・保証について説明ができる。4前3
現場組織の編成について説明できる。4前5
設計図書と施工図の関係について説明できる。4前5
各種書類の行政への届出先と期限について説明できる。4前5
ネットワーク工程表の計算ができる。4前4
バーチャート工程表について説明できる。4前4
5大管理項目(品質、原価、工程、安全、環境)の特徴について説明できる。4前3,前4
鉄筋の加工について説明できる。4前11
継手(重ね、圧接、機械式、etc.)の仕組みについて説明できる。4前11
定着の仕様とメカニズムについて説明できる。4前10
鉄筋の組立ての基準・仕様について説明できる。4前10,前11
かぶりの必要性、かぶり厚さの基準・仕様・法令について説明できる。4前10
型枠の材料、種類をあげることができる。4前12
型枠の組立て手順について説明できる。4前12
せき板の存置期間について説明できる。4前12
支保工の存置期間について説明できる。4前12
使用材料の試験・管理値について説明できる。4前13
生コンの発注について説明できる。4前13
運搬・締固め(打込み)の方法・手順について説明できる。4前14
養生の必要性について説明できる。4前14
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前8,前15,前16

評価割合

試験演習課題・レポート課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000