到達目標
(1)木質構造建物の過去の地震被害や耐震診断、新しい技術について理解できる。
(2)木質構造の構造形態の種類や材料の種類や特徴を理解し、壁量・偏心率の計算ができる。
(3)コンクリート系構造におけるPC構造の位置づけ、設計法、施工方法を理解し、簡単なPC構造の断面計算ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 木質構造建物の過去の地震被害や耐震診断、新しい技術について十分に理解できる。 | 木質構造建物の過去の地震被害や耐震診断、新しい技術について理解できる。 | 木質構造建物の過去の地震被害や耐震診断、新しい技術について理解できない。 |
評価項目2 | 木質構造の構造形態の種類や材料の種類や特徴を理解し、壁量・偏心率の計算が十分にできる。 | 木質構造の構造形態の種類や材料の種類や特徴を理解し、壁量・偏心率の計算ができる。 | 木質構造の構造形態の種類や材料の種類や特徴を理解し、壁量・偏心率の計算ができない。 |
評価項目3 | コンクリート系構造におけるPC構造の位置づけ、設計法、施工方法を理解し、簡単なPC構造の断面計算が十分にできる。 | コンクリート系構造におけるPC構造の位置づけ、設計法、施工方法を理解し、簡単なPC構造の断面計算ができる。 | コンクリート系構造におけるPC構造の位置づけ、設計法、施工方法を理解し、簡単なPC構造の断面計算ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本講義では、前半(荘所が1週~8週担当)を、木質構造の構造形態や用いられる材料に関する基礎知識を講義する。後半(市澤が9週~16週担当)は、鉄筋コンクリート構造の応用として、プレストレスコンクリート構造(以下、PC構造)の基本的な考え方、設計法、施工法を最近の施工事例や実務経験を紹介しながら講義する。
なお、この科目の9週目以降の授業は企業で主にPC構造の構造設計を担当している教員が、その経験を活かし、最新の設計手法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
配布資料やスライドを用いた講義および演習を主とする。適宜演習課題を課す。
この科目はオムニバス授業とし1週目~8週目までは荘所が担当し、9週目~16週目は市澤が担当する。
本科目に関する明石高専の連絡員:荘所直哉
注意点:
4年以下の建築構造力学、鉄筋コンクリート構造、鋼構造などの基礎学力が必要となるので、十分に復習しておくこと。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
木質構造の地震被害と木材利用の意義 過去の木質構造の地震被害事例を説明し、建築基準法の変遷や木質構造の問題点などを講義する。木材利用の意義を講義する。 (担当教員:荘所) |
過去の木質構造の地震被害事例が説明できる。木材利用の意義を説明できる。
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2週 |
木質構造の種類と特徴 木質構造は種々の構造形態(在来軸組構法、枠組壁工法等) を有する。その構造の種類と特徴の概要について講義する。 (担当教員:荘所) |
木質構造は種々の構造形態(在来軸組構法、枠組壁工法等) を説明できる。
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3週 |
木質構造材料 木質構造材料の種類やその基礎的特性を講義する。 (担当教員:荘所) |
木質構造材料の種類やその基礎的特性を説明できる。
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4週 |
構造計画と構造設計ルート 木質構造の力の流れに対する各部位の役割や建物全体に対する構造計画上の要点を説明し、鉛直荷重・水平荷重に対する構造計画上の留意点を講義する。 (担当教員:荘所) |
木質構造の力の流れがイメージでき、構造計画上の留意点を説明できる。
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5週 |
壁量計算 平屋建てや2 階建ての木質構造住宅の設計に多く用いられている壁量計算の背景や計算方法を講義する。 (担当教員:荘所) |
壁量計算の前提条件を説明でき、壁量計算ができる。
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6週 |
偏心率計算 耐力壁の配置バランスによる偏心率の計算方法を講義する。また、偏心検定の簡易法である4 分割法についても講義する。 (担当教員:荘所) |
偏心率の計算ができる。
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7週 |
木質構造の現状と展望 木質構造の現状と課題および耐震診断等を含めた将来の展望について講義する。 (担当教員:荘所) |
木質構造の現状を把握でき、現在・未来に求められていることを意見できる。
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8週 |
1週から7週までの到達レベルを確認する(確認試験の実施) (担当教員:荘所) |
木質構造に関することが説明でき、壁量や偏心率を計算することができる。
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4thQ |
9週 |
PC構造の歴史・PC建築物の紹介 PC構造がいつ発祥し、どのように発展してきたのか、PC構造の歴史を説明する。実際に建設されたPC建築物の最新事例をパワーポイントで紹介し、PC構造がどのように使用されているのかを説明する。 (担当教員:市澤) |
PC構造の歴史を説明でき、PC建築物の事例を挙げることができる。
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10週 |
PC構造の原理・特徴・プレストレス力の導入方法について PC構造の基本的な原理を模型を用いて説明し、その構造原理について理解する。PC構造のメリット及びコンクリートにプレストレス力を導入する方法について説明する。 (担当教員:市澤) |
PC構造の原理・特徴・プレストレス力の導入方法を説明できる。
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11週 |
PC構造に使用する鋼材の種類・特性・定着工法について PC構造に使用する鋼材(PC鋼材)の種類と材料特性を説明する。プレストレス力を導入するための定着工法について説明する。 (担当教員:市澤) |
PC構造に使用する鋼材の種類・特性・定着工法を説明できる。
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12週 |
コンクリートの許容応力度と実際に発生する断面応力度について PC構造に使用するコンクリートの種類、設計に適用する許容応力度と実際に発生する断面応力度を説明する。 (担当教員:市澤) |
コンクリートの許容応力度と実際に発生する断面応力度について説明できる。
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13週 |
PC部材の構造設計演習 PC部材の構造設計演習を行い、PC構造の基本的な構造設計を理解する。簡単なPC部材の構造設計の基本的な流れを説明する。 (担当教員:市澤) |
PC構造の基本的な構造設計の流れを説明でき、簡単なPC部材を設計できる。
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14週 |
PC構造-PRC構造-RC構造の関係・不静定2次応力について コンクリート系に属するPC構造-PRC構造-RC構造を比較し、それらの構造的特徴を理解する。不静定構造物にプレストレス力を導入した場合に発生するPC構造特有の応力について説明する。 (担当教員:市澤) |
PC構造固有の不静定2次応力について説明できる。PC構造-PRC構造-RC構造を比較し、それらの構造的特徴が説明できる。
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15週 |
プレストレス力の損失及び有効率について コンクリートに導入されたプレストレス力は時間経過に伴って一定の範囲内で減退する。この原因を説明する。構造設計の際にプレストレス力の損失をどのように適用するのか説明する。 (担当教員:市澤) |
プレストレス力の損失及び有効率を説明できる。
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16週 |
期末試験 第9~15週の授業内容に関して試験を行う。 (担当教員:市澤)
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 材料 | 建築材料の変遷や発展について説明できる。 | 4 | 後3,後11 |
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。 | 4 | 後3,後11 |
木材の種類について説明できる。 | 4 | 後3 |
木材の成長と組織形成から、物理的性質の違いについて説明できる。 | 4 | 後3 |
傷(節など)について説明できる。 | 4 | 後3 |
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。 | 4 | 後3 |
耐火性について説明できる。 | 4 | 後3 |
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。 | 4 | 後3 |
構造 | 建築構造の成り立ちを説明できる。 | 4 | 後2,後9 |
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。 | 4 | 後2,後9 |
木構造の特徴・構造形式について説明できる。 | 4 | 後2,後4 |
木材の接合について説明できる。 | 4 | 後2,後4 |
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。 | 4 | 後2,後4 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | レポート | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |