(1)建築構造力学、鉄筋コンクリート構造、鋼構造、耐震工学・地震工学の基礎、建築生産(仮設、地業、躯体工事)に関する演習を行い、学習したことが十分に理解できている。
(2)4年次の鉄筋コンクリート構造、鋼構造に関する小規模な建築物の構造計算を行い、構造図が描ける。
概要:
本科目は、前半の8週間は、グループワークとして、鉄骨造3階建ての事務所ビルを市販の構造ソフトを使用し構造設計・発表を行う。後半の7週間は、建築構造力学(塑性力学を含む)、RC・S造、構造計画・荷重、耐震設計及び建築生産に関する演習を行う。本科目は企業で建築構造物の設計を担当した教員が、その経験を活かし、構造演習、小規模な建築物の構造設計を講義・演習形式で行うものである。
授業の進め方・方法:
授業は、演習が中心であるが、適宜、講義を行う。前半の1~7週において、予習を前提にしたレポート課題を出す予定である。また、小規模な構造設計のため、週1コマ以外の時間で演習に取り組むことが必要である。これを事後のレポート課題とする。
注意点:
本科目は、授業で保証する学習時間と、予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が、90時間に相当する学習内容である。4年以下の建築構造力学、4年次の鉄筋コンクリート構造、鋼構造、5年前期の建築構造特論A、建築生産Aを十分に復習をすること。また、前半の8週は、グループ学習を通じて、学生の主体性、協調性に期待し構造設計に取り組むこと。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
授業計画と鉄骨造3~5階建て事務所ビルの構造設計に関する概要説明 |
本科目で学習すべき内容が理解できる。小規模な事務所ビルを設計するために、この概要が十分に理解できる。
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2週 |
構造設計(1) 構造計画、2次部材(小梁、スラブ)の計算 |
意匠図及び構造図を描き、構造部材(柱、梁)の仮定断面及び小梁・スラブの計算ができる。
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3週 |
構造設計(2) 市販の構造ソフトを使用し、構造計算に必要なデータを入力する。 |
構造フレーム、荷重、設計条件などを間違えなく入力できる。
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4週 |
構造設計(3) 市販の構造ソフトを使用し、構造計算に必要なデータを入力する。 |
構造フレーム、荷重、設計条件などを間違えなく入力できる。
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5週 |
構造設計(4) 構造計算結果を考察し、その妥当性を検証する。 |
許容応力度設計における出力結果の妥当性を検討し、問題ないことを確認できる。
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6週 |
構造設計(5) 構造計算書及び構造図の作成 |
構造計算書及び構造図(梁伏図、軸組図、鉄骨詳細図)を作成できる。
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7週 |
構造設計(6) 構造計算書及び構造図の作成 |
構造計算書及び構造図(梁伏図、軸組図、鉄骨詳細図)を作成できる。
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8週 |
発表 第1~7週目の学習した内容を発表する。 |
発表を通じて、構造計画、構造設計を説明することができる。
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4thQ |
9週 |
建築構造演習(1) 静定梁・静定ラーメン構造の演習 静定構造物に関する演習を行う。 |
演習を通じて、9週目の授業内容が理解できる。
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10週 |
建築構造演習(2) 不静定構造物、構造計画・荷重、耐震設計の演習 不静定構造、構造計画・荷重、耐震設計に関する演習を行う。 |
演習を通じて、10週目の授業内容が理解できる。
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11週 |
建築構造演習(3) 鉄筋コンクリート構造の演習 コンクリート、鉄筋の材料特性に関する演習を行う。 |
演習を通じて、11週目の授業内容が理解できる。
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12週 |
建築構造演習(4) 鋼構造の演習 高力ボルト、溶接、構造部材、接合部に関する演習を行う。 |
演習を通じて、12週目の授業内容が理解できる。
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13週 |
建築構造演習(5) 建築生産の演習 仮設工事、土工事、地業工事に関する演習を行う。 |
演習を通じて、13週目の授業内容が理解できる。
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14週 |
建築構造演習(6) 建築生産の演習 型枠、鉄筋、コンクリート、鉄骨工事に関する演習を行う。 |
演習を通じて、14週目の授業内容が理解できる。
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15週 |
建築構造演習(7) まとめ |
9週目~14週目の演習を通じて、建築構造力学、各種構造、建築生産の内容が理解できる。
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16週 |
期末試験実施せず
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 構造 | 骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。 | 4 | 後3,後4 |
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。 | 4 | 後3,後4 |
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。 | 4 | 後9 |
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。 | 4 | 後9 |
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。 | 4 | |
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。 | 4 | 後5 |
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。 | 4 | 後5 |
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。 | 4 | 後5 |
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。 | 4 | 後5 |
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。 | 4 | 後10 |
ラーメンやその種類について説明できる。 | 4 | 後2,後9 |
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。 | 4 | 後6,後9 |
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。 | 4 | 後9 |
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。 | 4 | 後9 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 4 | 後10 |
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。 | 4 | 後10 |
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。 | 4 | 後10 |
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。 | 4 | 後3 |
S造の特徴・構造形式について説明できる。 | 4 | 後1 |
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。 | 4 | 後3 |
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。 | 4 | 後5 |
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。 | 4 | 後5 |
曲げ材の設計の計算ができる。 | 4 | 後2 |
継手の設計・計算ができる。 | 4 | 後6,後7,後12 |
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。 | 4 | 後6,後7,後12 |
溶接接合の種類と設計法について説明できる。 | 4 | 後6,後7,後12 |
仕口の設計方法について説明ができる。 | 4 | 後6,後7,後12 |
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。 | 4 | |
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。 | 4 | 後1,後11 |
構造計算の設計ルートについて説明できる。 | 4 | 後2 |
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。 | 4 | 後2 |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 4 | 後5 |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 4 | 後5 |
主筋の算定ができる。 | 4 | 後5 |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 4 | 後5 |
中立軸の算定ができる。 | 4 | 後5 |
許容せん断力を計算できる。 | 4 | 後5 |
せん断補強筋の算定ができる。 | 4 | 後5 |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 4 | 後5 |
終局剪断力について説明できる。 | 4 | 後5 |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 4 | 後5 |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 4 | 後5 |
MNインターラクションカーブについて説明できる。 | 4 | 後5 |
主筋の算定ができる。 | 4 | 後5 |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 4 | 後5 |
中立軸の算定ができる。 | 4 | 後5 |
許容せん断力を計算できる。 | 4 | 後5 |
せん断補強筋の算定ができる。 | 4 | 後5 |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 4 | 後5 |
終局剪断力について説明できる。 | 4 | 後5 |
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。 | 4 | 後10 |
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。 | 4 | 後10 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | 後8 |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | 後8 |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6 |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7 |