建築設計演習ⅣA

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 建築設計演習ⅣA
科目番号 5431 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 日本建築学会編『コンパクト建築設計資料集成』丸善、上野 淳『学校建築ルネサンス』鹿島出版会、川北 健雄ほか『初めての建築設計ステップ・バイ・ステップ』彰国社、その他(課題内容に応じた資料を適宜配布する)
担当教員 東野 アドリアナ,水島 あかね,小林 直紀

到達目標

1)複雑な与条件をもとにコンセプトをまとめ、動線・ゾーニングのエスキスができる
2)模型を製作し、ソフトウェアを活用して提案内容を図面やスケッチ、写真などを用いて分かりやすくプレゼンボードに表現することができる
3)プレゼンボードを用いて提案内容を簡潔に伝え、質疑意見に対して討論することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自分一人で複雑な与条件を整理し、エスキスを重ねて提案内容をまとめることができる教員のアドバイスを受けながら複雑な与条件を整理し、エスキスを重ねて提案内容をまとめることができる複雑な与条件を整理し、エスキスを踏まえて提案内容をまとめることができない
評価項目2自身で適切な表現を選択し、提案内容を分かりやすくプレゼンボードに表現することができる提案内容を分かりやすくプレゼンボードに表現することができる提案内容を分かりやすくプレゼンボードに表現することができない
評価項目3プレゼンボードを用いて提案内容を簡潔に伝え、質疑意見に対して討論することができるプレゼンボードを用いて提案内容を伝え、質疑意見に対して受け答えすることができるプレゼンボードを用いて提案内容を簡潔に伝え、質疑意見に対して討論することができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、これまでに学んできた設計の基礎的事項をさらに発展させ、複雑に絡み合った様々な条件のもとでの空間設計能力を身につけることを目的とする。課題は1)高度化が求められる教育施設の改修設計、2)全国高専デザインコンペティションの2つである。
また、現在組織設計事務所に勤務し最新の建築設計に従事している教員(小林)が、その知識や経験を活かして活かしたミニレクチャーや講評を行う。
授業の進め方・方法:
本授業ではエスキスと講評を中心に進める。第1課題では、現在の教育施設に求められる諸条件を整理した上で、現状施設の調査する。その上で、必要なプログラムと空間を構想し、設計する能力を養う。第2課題では課題を読み解き、グループで一つの形にまとめたアイディアをプレゼンボード一枚に表現する能力を養う。水島・東野は全ての授業を担当する。小林は4週と10週を担当する。
注意点:
積極的に敷地に足を運び、関連資料の収集に努めること。また日常から建築分野に関わる多様な情報に対する関心を高め、建築物の現地見学を自主的に実践し、独創的な発想を育成するとともに、建築設計に有効な手法や態度を学びとること。
評価の対象としない欠席条件(割合) 1/4以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション(水島・東野)・現状把握・現地調査
本授業の進め方と課題の意義や内容に関する説明・与条件の整理
今日の教育施設に求められていることが説明できる
現状調査の結果をレポートにまとめることができる
2週 第1課題「小学校の設計」-構想計画(水島・東野)
対象敷地と既存施設の調査結果を共有し課題を整理する
グループで課題を共有し、構想計画をまとめることができる
3週 第1課題「小学校の設計」- 構想計画・ボリュームの検討(水島・東野)
構想計画をまとめる
構想計画とは何かを理解する
4週 第1課題「小学校の設計」-基本計画の作成(水島・東野) 基本計画をまとめることができる
5週 第1課題「小学校の設計」-ミニレクチャー・基本計画の発表(水島・東野・小林)
基本計画を他者に説明し、質疑応答ができる
6週 第1課題「小学校の設計」-基本計画の見直し・構造の検討(水島・東野) 基本計画を基に構造を検討し、図面等により表現することができる
7週 第1課題「小学校の設計」-中間発表会(水島・東野)
アイディアを図面にまとめる
これまで検討してきたことをCADを用いて図面にまとめることができる
8週 第1課題「小学校の設計」-図面と模型の作成1(水島・東野)
中間発表をもとに計画の見直しを行う
計画を見直し再検討することができる
2ndQ
9週 第1課題「小学校の設計」-図面と模型の作成2(水島・東野)
CADを用いて図面を作製し、プレゼンボードを完成させる
CADなどのデジタルツールを用いて人に伝わる図面を作成することができる
10週 第1課題「小学校の設計」-講評会(水島・東野・小林)完成した作品についての説明し、講評を受ける(講評を元にブラッシュアップ作業を行う) プレゼンボードを用いて提案内容を説明し、他者からの質問に的確に答えることができる
11週 第2課題「全国高専デザインコンペティション競技設計課題」-
競技設計課題の内容を読みとる
建築設計競技とは何かを理解する
12週 第2課題「全国高専デザインコンペティション競技設計課題」-草案作成(水島・東野) 1人で提案内容をまとめることができる
13週 第2課題「全国高専デザインコンペティション競技設計課題」-草案発表・ブレインストーミング(水島・東野)
持ち寄った草案をもとにグループでブレインストーミングを行う
グループでアイディアを持ち寄り1つの提案内容にまとめることができる
14週 第2課題「全国高専デザインコンペティション競技設計課題」-グループ作業(水島・東野)
プレゼンボードを作製する
エスキスチェックを踏まえ、プレゼンボードの作製を行う
グループで適切に役割を分担して作業することができる
15週 第2課題「全国高専デザインコンペティション競技設計課題」-発表会(水島・東野)
講評を受け提出図面を完成させる
グループでまとめた提案を他者に伝えることができる
16週 期末試験実施せず(講評を元にブラッシュアップ作業を行う)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野設計・製図製図用具の特性を理解し、使用できる。4前5,前7,前8,前12,前13,前14
線の描き分け(3種類程度)ができる。4前5,前7,前8,前12,前13,前14
文字・寸法の記入を理解し、実践できる。4前5,前7,前8,前12,前13,前14
建築の各種図面の意味を理解し、描けること。4前2,前5,前7,前8,前12,前13,前14
図面の種類別の各種図の配置を理解している。4前2,前5,前7,前8,前12,前13,前14
図面の尺度・縮尺について理解し、図面の作図に反映できる。4前5,前7,前8,前12,前13,前14
立体的な発想とその表現(例えば、正投象、単面投象、透視投象などを用い)ができる。4前2,前5,前7,前8,前12,前13,前14
ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。4前5,前7,前8,前12,前13,前14
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。4前2,前3,前5,前7,前8,前13,前14
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13,前14
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。4前3,前5,前6,前8,前12,前13,前14
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。4前4,前5,前6,前7,前8,前12,前13,前14
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。4前5,前6,前7,前8,前13,前14
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。4前4,前5,前6,前8,前9,前10,前13,前15
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる。4前3,前4,前5,前6,前7,前8,前13
建築の構成要素(形と空間の構成)について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前13,前14,前15
建築における形態(ものの形)について説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前13,前14,前15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前1,前11,前12
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。4前4,前6,前8,前12,前14
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前1
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前1
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。4前4,前6,前8,前9,前10,前13,前14
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前1
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前1
合意形成のために会話を成立させることができる。3前1
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前1
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前2,前3,前5,前11,前12
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前2,前3,前5,前11,前12
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前2,前3,前5,前8,前11,前12
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前1
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前1
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前2,前3,前5,前6,前8,前9,前11,前12,前13,前14,前15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前2,前3,前5,前12,前13
複数の情報を整理・構造化できる。3前2,前3,前5,前6,前12,前13,前15
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前1
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前1,前2,前5,前8,前11,前12,前13
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前2,前6,前12,前13,前15
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前2,前4,前8,前9,前10
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前2,前4,前6,前8,前10
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前2,前4,前6,前8,前10
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前2,前4,前6,前8,前9,前10,前15
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前1
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前1
目標の実現に向けて計画ができる。3前3,前6,前8,前9,前12,前15
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前1
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前2,前15
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前2,前15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前2,前15
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前2,前15
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。1前4
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。1前4
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。1前4
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。2前4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3前4
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。2前4
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。2前4
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。2前4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2前4
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。2前4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前1
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前1
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前1
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前3,前4,前6,前8,前9,前10,前12,前13,前15
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前1,前3,前4,前6,前8,前10,前12,前15
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前1

評価割合

途中成果物・レポートなど最終成果物授業態度・発表合計
総合評価割合207010100
基礎的能力510015
専門的能力1560075
分野横断的能力001010