日本語Ⅲ-1(留学生科目)

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 日本語Ⅲ-1(留学生科目)
科目番号 6322 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建築学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 <教科書>アカデミック・ジャパニーズ研究会編著『改訂版 大学・大学院留学生の日本語③論文読解編』、稲村真理子著『大学・大学院留学生の日本語⑤漢字・語彙編』(アルク)、細井和雄編著『理系留学生のための 自然科学の日本語』(スリーエーネットワーク) 、友松悦子著『小論文への12のステップ』(スリーエーネットワーク)
このほか、担当教員がプリントを作成し配付する。
担当教員 久保田 育美

到達目標

1. 自然科学分野のレポート、社会的な内容を扱う論説文を読むのに必要な言語知識、構造について学び、各自の専門分野の文章を独力で読んでいくための基礎的読解力を身につける。
2. 広汎な範囲の話題について、文章構造に注意を払いながらテクストを作ることができ、自己の視点も説明できる。
3. 内容が抽象的でない限り、流暢かつ自然に産出、やりとりすることができ、相手や場面に応じた言葉遣いができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1テクストを読んで内容がわかり、自分のことばで内容が説明できる。テクストを読んでだいたい内容がわかり、テクスト内の言葉をそのまま用いれば内容が説明できる。テクストを読むことができず、ほとんど内容が説明できない。
評価項目2詳細かつ明瞭な構成でテクストが作れる。また、あるトピックに対する自己の視点が述べられる。ヒントや助言があれば、詳細かつ明瞭な構成でテクストを作ったり、あるトピックに対する自己の視点を述べたりできる。詳細かつ明瞭な構成でテクストを作ったり、自己の視点を述べたりできない。
評価項目3さまざまな話題で、流暢かつ自然に産出、やりとりできる。また、相手や場面に応じた言葉遣いができる。多少不自然な部分はあるが、ある程度流暢に産出、やりとりできる。また、相手や場面に応じた言葉遣いをしようとする姿勢が窺える。流暢で自然な産出、やりとりができず、相手や場面に応じた言葉の使い分けがわからない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
受講生はこれまで幅広いトピックを通じて言語知識やスキルを獲得してきたと思う。本授業では、より専門性の高い自然科学分野、社会的で広範な内容を扱う読み物を通じて、受講生が日本語能力を総合的に伸ばし、自助努力で難解な文章を読んでいくための基礎的読解力を身につけることを目的とする。またそれと同時に、自己の視点を他者に伝える産出、相手と場面を意識したやりとりができるようになることを目指した言語行動にも焦点をあてる。
授業の進め方・方法:
教科書と配布プリントを用いて授業を進める。
注意点:
評価の対象としない欠席条件(割合) 1/4以上の欠課

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
アイスブレイク
授業の目標および内容を把握する。
2週 異文化適応(留学生の日本語1)
書き言葉
異文化への移行体験を一般論として理解できる。文章を読んで、書き言葉特有の表現が発見できる。
3週 異文化適応(留学生の日本語1)
中心文と支持文
各段落の中心文と支持文を意識して文章が読める。高専生活が始まってから各自が感じている思いを他者に共有できる。
4週 化学(自然科学の日本語1)
化学に関する内容の文章から必要な情報が読み取れる。本文の大意を自分の言葉でまとめられる。
5週 化学(自然科学の日本語2)
化学に関するさまざまな語、表現に触れ、既存知識と照らし合わせて意味を確認し、使い方がわかる。難しい表現や慣用句の意味がわかり、別の言葉で言い換えられる。
6週 化学(自然科学の日本語2)
教訓を述べる
本文の内容から得られる教訓について述べられる。
7週 衝動買い(留学生の日本語3)
複文
経験と照らし合わせながら本文の内容が理解できる。複文の構造を理解し、従属節の部分を1つのまとまりで捉えられるようになる。
8週 振り返り 授業を通して新たに発見したこと、考えが変わったこと、さらには自分の日本語の能力と技能がどうなったかについて説明できる。
2ndQ
9週 工学(自然科学の日本語4)
工学に関するさまざまな語、表現に触れ、既存知識と照らし合わせて意味を理解し、使い方がわかる。今後のロボットの開発や展望について自分の考えが書ける。
10週 工学(自然科学の日本語4)
考えを共有する
第9週の内容について、他者と考えを共有しディスカッションできる。
11週 教育問題(留学生の日本語2)
助詞のような働きをする語
日本の学校で問題となっている話題を知り、内容が理解できる。助詞相当語が適切に使える。
12週 食と日本語(留学生の日本語4)
オノマトペ
食感を表すオノマトペが理解できる。また、日常生活で使われるオノマトペを発見し、それらが何を表すかについて理解できる。
13週 食と日本語(留学生の日本語4)
小論文の文章構成、指示表現
本文を読み、小論文の文章構成について理解できる。指示表現が適切に使える。
14週 食で考える日本社会 食と教育問題、食とジェンダーをテーマにしたコラムを読み、内容を理解するとともに、それに関する自分の意見をグループ内で共有することができる。
15週 食で考える日本社会
文化比較
第14週の内容について、各自の国の事例と比較し、調べた情報と各自の意見を産出することができる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキル日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前11,前13,前14
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。4前3,前4,前5,前6,前8,前10,前11
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。4前1,前3,前9,前10,前12,前14
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。4前1,前9,前14
他者の意見を聞き合意形成することができる。4前1,前9,前10,前14
合意形成のために会話を成立させることができる。4前1,前9,前10,前14
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4前9,前10,前14
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前12,前15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前15
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前15
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前15
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4前15
複数の情報を整理・構造化できる。4前4,前6,前7,前8,前10,前13,前15
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4前8,前10
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4前6,前8,前10
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。4前10
事実をもとに論理や考察を展開できる。4前10
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4前15

評価割合

試験課題ポートフォリオ合計
総合評価割合504010100
基礎的能力5020070
専門的能力0000
分野横断的能力0201030