政策科学

科目基礎情報

学校 明石工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 政策科学
科目番号 0003 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・電子システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 指定しない。参考文献は授業中に適宜示す。
担当教員 本間 哲也

到達目標

(1) 現実社会,特に民間部門と公共部門相互の関わりを捉えるために有効な,社会科学的な分析概念の知識を得ること(学習教育目標(A)(C))。
(2) 民主政治および政治システムの原理を,歴史的経緯も含め体系的に理解すること(学習教育目標(A))。
(3) 政策が個人の生活や企業の行動に与える影響を科学的に理解すること(学習教育目標(A))。
(4) 社会科学が科学技術をどのように捉えているかを理解し,産業政策・競争政策・教育政策等の意図や効果を的確に評価できること(学習教育目標(A)(C))。
(5) 上記知識・理解に基づき,技術者としての素養を持った市民および主権者として,適切に行動できること(学習教育目標(A)(C))。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1公共政策の目的を十分に理解し,政策の立案や評価の方法を説明できる。公共政策の目的を理解し,政策の立案や評価の方法をある程度説明できる。公共政策の目的を理解しておらず,政策立案や評価方法の知識も不十分。
評価項目2民主主義下の意思決定ルールに対する十分な知識を持ち,民主主義の限界や問題点を的確に指摘できる。民主主義下の意思決定ルールを理解し,その限界や問題点を指摘できる。民主主義の意思決定ルールに対する知識が不十分で,民主主義的意思決定の問題点を指摘できない。
評価項目3種々の政策スタンスの知識を持ち,実際の政党・政治家・報道機関のスタンスを正確に評価できる。種々の政策スタンスの知識を持ち,実際の政党・政治家・報道機関のスタンスを説明できる。政策スタンスに対する知識が不十分。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (A) 説明 閉じる
学習・教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半では,政策を行う主体である「政府」の役割,政策の「決め方」,「交渉」のプロセスなどを,社会科学的な考え方を通して検討・検証する。後半では,実際の政策等を検証する。特に主要な政党の政策やマスメディアの報道内容を見て,それぞれの信条や傾向を知り,(選挙など)実際に政治参加する際の判断基準を得る。
授業の進め方・方法:
注意点:
本科目は,授業で保証する学習時間と,予習・復習及び課題レポート作成に必要な標準的な自己学習時間の総計が,90時間に相当する学習内容である。講義は板書を多用するので,相当量のノートをとる必要あり。予備知識は特に要求しないが,授業時には自分自身で考えることを要求するので,主体的な参加態度が必要。
合格の対象としない欠席条件(割合) 1/3以上の欠課

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 政治と政府 民主政治の原理とその歴史的な成立過程を知る。権力や政府の存在理由を理解する。
2週 政治システムと権力の分散 権力をコントロールする目的とその方法を理解する。
3週 市場原理と政府 経済学の立場から見た,政府の存在理由を理解する。経済倫理の類型を説明できる。
4週 政策の対象 経済・福祉・環境・教育・科学技術・文化・公安・国防・外交など,それぞれに対する政策の特徴を知る。
5週 政策過程・政治過程 誰が,どこで,どのように政策を作っているのか,について整理された知識を持つ。
6週 民主主義と公共選択(1) 民主政治の基本である多数決のルールを理解し,その限界を説明できる。
7週 民主主義と公共選択(2) 投票・選挙のしくみを理解し,その限界を指摘できる。
8週 交渉と戦略(1) ゲーム理論の基礎を理解する。交渉や利害調整のモデル分析を説明できる。
2ndQ
9週 交渉と戦略(2) ゲーム理論の応用例の知識を得る。実際のゲームを設計できる。
10週 政策評価 政策立案における,効果の事前評価・事後評価の考え方を理解し,その方法を説明できる。
11週 政策スタンス・政治イデオロギー 保守と革新,保守主義・リベラリズム・社会主義等の政策レジーム(あるいは「イズム」)に関する整理された知識を得る。
12週 政党と政策イデオロギー(1) 海外における諸政党の実際の主張を調査・比較し,それらの特徴を指摘できる。
13週 政党と政策イデオロギー(2) 日本における諸政党の実際の主張を調査・比較し,それらの特徴や,海外政党との違いを指摘できる。
14週 マスメディアと政策スタンス 実際の報道内容を調査することを通じ,新聞・放送局・雑誌等の政治的な「立ち位置」を指摘できる。
15週 まとめ:総復習と補足 学んだ内容を振り返り説明できる。
16週 期末試験実施せず

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

課題発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000